美容整形

猫貴族手術とは?施術の特徴と知っておくべきリスクについて解説

「鏡を見るたびに、鼻の下が長く見える気がする」「口元が出て見えるのが気になる」「ほうれい線が目立って老けて見えるかも…」

このようなお悩みを抱えている方は少なくないようです。

顔の中心、特に鼻から口元にかけての印象を変える選択肢の一つとして注目されているのが「猫貴族手術(ねこきぞくしゅじゅつ)」です。

これは、鼻の付け根や小鼻の周辺にご自身の組織(自家組織)やプロテーゼを入れて、顔の中央部分に立体感を与えることを目指す施術の総称です。

この記事では、猫貴族手術で期待できる変化や具体的な方法、そして施術前に知っておくべきリスクやダウンタイムなど、詳しく解説していきます。

監修者
AND美容外科 監修医師/韓国美容外科学会会長
林 鍾学
【経歴】
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師

ご自身が検討しやすい方法を見つけるヒントとして、参考にしていただけますと幸いです。

※本記事は2025年11月時点の情報をもとにまとめています。
※鼻の美容施術は保険診療が適用されない自由診療です。
※記事内の金額は税込表記としています。
※鼻の美容施術に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。

猫貴族手術とは?

猫貴族手術とは、「猫手術」と「貴族手術」という2つの施術を組み合わせた呼び名として使われることがあります。

どちらの施術も、鼻周辺の骨や軟骨の「くぼみ」にアプローチすることで、顔の中央部分に立体感(ボリューム)を出すことを目的としています。

クリニックによって施術名や手技に違いがある場合もありますが、ここではそれぞれの手術で期待できる変化を見ていきましょう。

猫手術は鼻を高くする施術

猫手術は、鼻柱基部(鼻の穴と上唇の間の、鼻の付け根部分)に、自家組織やプロテーゼを入れる施術です。

正式には鼻唇角形成術(びしんかくけいじょうじゅつ)といいます。

この部分に高さを出すことで、横から見たときの鼻と上唇の角度(鼻唇角)をより理想に近づけることを目指します。

鼻柱基部にボリュームが加わることで、次のような変化が期待できるでしょう。

  • 人中(鼻の下から上唇までの距離)が短く見える
  • 口元の突出感が和らいで見える

貴族手術は鼻にボリュームを加える施術

貴族手術は、鼻翼基部(小鼻の付け根にある、くぼんでいる部分)に、自家組織やプロテーゼを入れる施術です。

正式には鼻翼基部形成術(びよくきぶけいじゅつ)といいます。

このくぼみにボリュームを加えることで、次のような変化が期待できるでしょう。

  • 顔の中央に立体感が生まれ、ほうれい線が目立ちにくくなる
  • 小鼻の形状や位置が整った印象になる

鼻翼基部は年齢とともにくぼみが気になりやすい部位なので、そのようなお悩みにも対応できる選択肢の一つと考えられています。

これらの「猫手術」と「貴族手術」を組み合わせることで、顔全体の調和が取れた仕上がりを目指すのが「猫貴族手術」です。

猫貴族手術で期待できる変化

猫貴族手術がご自身のお悩みに合っているかは、顔の骨格や皮膚・脂肪の状態によって異なります。

どのような変化が期待できるのか、また、どのようなお顔立ちの方に向いているとされるのかを事前に知っておきましょう。

施術に向いている方

猫貴族手術が向いているのは、おもに次のようなお悩みや特徴をお持ちの方です。

  • 鼻翼基部(小鼻の付け根)や鼻柱基部(鼻の付け根中央)がくぼんでいる
  • 人中(鼻の下から上唇までの距離)が長く見える
  • 口元が前に出ている(口ゴボ)ように見える
  • ほうれい線が目立つ
  • 横から見たときに鼻の下が平坦に見える

このような方は、猫貴族手術によって中顔面に立体感が生まれ、顔全体のバランスが整った印象に近づくことが期待されます。

例えば「人中が短く見える」「ほうれい線が目立ちにくくなる」「口元の突出感が和らいで見える」といった印象の変化につながるケースがあるでしょう。

施術が向いていない方

猫貴族手術は、他の鼻の施術と同時に行うことで、より調和の取れた仕上がりを目指す方もいます。

一方で、以下のような方には、施術が向かない可能性も指摘されています。

  • すでに鼻翼基部や鼻柱基部に十分なボリュームがある
  • 口元の突出の原因が骨格そのものの場合
  • 感染症や重度の持病がある
  • 過度な期待を持っている

施術がご自身に合っているかどうかは、医師による診察とカウンセリングを通じて、判断するといいでしょう。

猫貴族手術ではどんなことをする?

「手術」と聞くと、施術方法や使用する材料について不安に感じるかもしれません。

手術の方法と材料を理解することで、より安心して施術を検討できるでしょう。

ここでは、代表的な手術方法と使用される組織(材料)について見ていきます。

おもな切開場所

手術は主に、以下のいずれかの場所を切開して行われます。

切開場所 主な内容
口腔内(上唇の内側) 上唇の内側を切開し、鼻翼基部や鼻柱基部に空間を作る
鼻腔内(鼻の穴の中) 鼻の穴の中を切開する
皮膚の切開 鼻柱(鼻の真ん中)や小鼻の付け根など、外側の皮膚を切開する

口腔内や鼻腔内からのアプローチは、外側から傷跡が見えにくいという特徴があります。

使用する材料

猫貴族手術で使用される組織(材料)には、「自家組織」と「プロテーゼ」の2種類が主に挙げられます。

材料 主な特徴 採取部位または材質
自家軟骨 形状維持がしやすい 耳介軟骨、鼻中隔軟骨
自家脂肪 柔らかい仕上がりが期待できる 腹部、太もも
プロテーゼ 形状や大きさの調整がしやすいとされる 医療用シリコンなど

「自家組織」はご自身の体から採取するため、体に馴染みやすい点がメリットです。

一方「プロテーゼ」は人工材料ですが、形状を細かく調整できるという特徴があります。

それぞれの特徴を理解し、医師と相談しながらご自身に合ったものを選択するといいでしょう。

猫貴族手術前に知っておきたいこと

猫貴族手術は原則として自由診療のため、費用はクリニックや施術内容によって異なります。

ここでは、費用の目安や、カウンセリングで確認しておきたい質問などについて見ていきましょう。

費用の目安と内訳

猫貴族手術の費用目安は、使用する組織や施術方法によって異なります。

費用の目安は、おおよそ次のようになります。

施術内容 費用の目安
猫手術(自家組織) 30万から50万円程度
貴族手術(自家組織) 30万から50万円程度
猫貴族手術(併用) 50万から80万円程度
プロテーゼ使用の場合 20万から40万円程度

費用の内訳には、一般的に以下の項目が含まれるでしょう。

  • カウンセリング料
  • 施術料
  • 麻酔料
  • 組織採取料(自家組織の場合)
  • 術後の診察料
  • 薬代

事前に詳細な見積もりを確認し、追加費用が発生する可能性についても質問しておくと安心です。

カウンセリングで確認すべきこと

カウンセリングは、ご自身の希望や不安を伝え、施術への理解を深める大切な機会です。

特に次の質問は確認することをおすすめします。

  • 自分の顔立ちは、猫貴族手術が向いているか?
  • 使用する自家組織とプロテーゼ、どちらが自分に合っているか?
  • 施術で起こりうるリスクや合併症にはどのようなものがあるか?
  • ダウンタイムの期間はどのくらいを見込むべきか?
  • 術後のケアで注意すべき点は?
  • もし修正が必要になった場合の対応や費用はどうなるか?
  • 費用の内訳と追加費用の有無を改めて確認する

医師やスタッフが親身になって丁寧に説明してくれるかどうかも、クリニック選びの重要なポイントとなります。不安な点や疑問点は、遠慮せずに質問しましょう。

猫貴族手術後の経過や考えうるリスク

猫貴族手術を受けるにあたり、腫れや内出血、感染症などのリスク(合併症・副作用)が伴うことも理解しておきましょう。

合併症や副作用として考えられること

猫貴族手術に伴う可能性のある合併症や副作用には、以下のようなものが挙げられます。

  • 腫れや内出血
  • 感染症
  • 組織(材料)の吸収や移動
  • 左右差や形状の不整
  • しびれや違和感
  • 拘縮(組織が硬くなること)

腫れや内出血は時間の経過とともに落ち着く傾向にありますが、万が一、感染症の症状などが現れた場合は、速やかに施術を受けた医師へ相談することが求められます。

腫れや内出血の経過の目安

腫れや内出血の経過には個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。

時期 状態
施術直後~3日程度 腫れのピークとされる時期
1週間程度 大部分の腫れが落ち着く傾向がみられる
2週間~1か月程度 内出血は青紫から黄色へと変化しながら目立たなくなっていき、仕上がりの状態に近づく
3か月程度 おおむね落ち着く

腫れや内出血の程度は、使用する組織(材料)の種類や施術方法、個人の体質によって変わってくるようです。

長期的なリスクと修正の可能性

猫貴族手術後、数ヶ月から数年経過した後に以下のようなリスクが生じる恐れも指摘されています。

  • 挿入した組織の一部が吸収され、ボリュームが減る
  • 挿入した組織が移動し、形状が変わる
  • 拘縮により硬さが残る
  • 左右差が目立つようになる

これらの問題が生じた場合、修正手術が検討される場合もあります。

修正手術は初回の施術よりも難易度が高くなる傾向があるため、経験豊富な医師に相談することが望ましいでしょう。

術後の過ごし方と注意点

期待される変化へと導くためにも、施術後は医師の指示に従い、以下のような注意点を守って過ごすことが大切です。

  • 処方された薬は指示通りに服用する
  • 施術部位を強く触ったり圧迫したりしない
  • 激しい運動や長時間の入浴を控える
  • 飲酒や喫煙は避ける
  • うつぶせ寝や横向き寝を避ける(組織がずれる可能性を避けるため)
  • 定期的に医師の診察を受ける

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▪️鼻整形の料金

施術 金額
鼻プロテーゼ 370,000円
小鼻縮小術(鼻翼縮小術) 500,000円
鼻のヒアルロン酸注入 77,000円
鼻尖縮小術 320,000円
鼻中隔延長術 500,000円
耳介軟骨移植(鼻尖形成術) 500,000円

※保険適用外の自由診療となります。
※税込価格での記載です。
※鼻プロテーゼ、小鼻縮小術(鼻翼縮小術)、鼻尖縮小術の価格は局所麻酔込みです。ご希望の際は、静脈麻酔(33,000円)もございます。

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猫貴族手術についてよくある質問

猫貴族手術や鼻整形について、よくある質問と回答を紹介します。

猫貴族手術は痛い?

猫貴族手術は麻酔を使用します。

麻酔が切れた後に軽い痛みや違和感が生じる場合がありますが、処方される痛み止めで対処可能なケースが多いようです。

痛みの程度には個人差があるため、不安な場合はカウンセリングで医師にご相談ください。

ヒアルロン酸だけで代替できる?

ヒアルロン酸注入は、切開を伴う手術と比べてダウンタイムが短いというメリットがあり、猫貴族手術の代替として選ばれることがあります。

ただしヒアルロン酸は持続期間が限られているため、状態を維持するには定期的な施術が必要となるでしょう。

他の施術と同時に受けることはできる?

猫貴族手術は鼻先を整える手術や、顎へのヒアルロン酸注入など、他の顔の施術と同時に検討されるケースがあります。

顔全体のバランスを一度に整えることを目指す場合は、有効な手段となり得ます。

ただし複数の手術を同時に行う場合、ダウンタイムが長くなる可能性や、身体への負担が増す可能性も考慮する必要があります。

同時施術の可否や全体の計画については、安全性を確認するためにも必ず医師と十分に話し合うことが大切です。

【鼻プロテーゼに関する法的記載事項】
治療内容:鼻プロテーゼは、シリコンなどの人工物を鼻筋に入れ、鼻を高く通った形に整える手術です。
※オープン法・クローズ法を提供
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:370,000円
標準的な治療期間:1〜2週間程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
使用機器:SA・UN・SI は未承認機器です。
※入手経路等:韓国SUN MEDICAL社のものを医師が個人輸入しています。
個人購入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:韓国KFDA中国CFDA、ベトナムVFA、台湾TFDA、タイTFDA、インドネシアBPOMの認証を取得しています。

【鼻尖縮小術に関する法的記載事項】
治療内容:鼻尖縮小術は、丸みを帯びて広がった鼻先の軟骨や脂肪にアプローチして形を整える施術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:320,000円
標準的な治療期間:1〜3ヶ月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛

【鼻翼縮小術に関する法的記載事項】
治療内容:鼻翼縮小術は、小鼻の広がりや鼻の穴の大きさをバランスよく整える施術です。
※オープン法・クローズ法を提供
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:500,000円
標準的な治療期間:1〜2週間程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛

【鼻のヒアルロン酸注入に関する法的記載事項】
治療内容:ヒアルロン酸注入によって、鼻筋を自然に高く見せたり、鼻根や鼻先の形を整える施術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:77,000円
標準的な治療期間:数日程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
使用薬剤:ジュビダームビスタ ボラックスXC(承認薬)

【鼻中隔延長術に関する法的記載事項】
治療内容:鼻中隔延長術は、鼻の中心にある鼻中隔軟骨を延ばして、鼻先の高さ・角度・形を整える施術です。
※オープン法のみ提供
標準的な治療回数:2回(1週間後のタイミングで抜糸をします)
標準的な費用:500,000円
標準的な治療期間:3〜6ヶ月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛

【耳介軟骨移植(鼻尖形成術)に関する法的記載事項】
治療内容:耳介軟骨移植は、耳の軟骨を採取し、鼻先へ移植させる手術です。鼻先を高くしたり、前に出すことで鼻の形を整える施術です。
※オープン法・クローズ法を提供
標準的な治療回数:2回(1週間後のタイミングで抜糸をします)
標準的な費用:500,000円
標準的な治療期間:3〜6ヶ月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛