「親知らずがあるけれど、マウスピース矯正はできるのかな」「抜歯しないといけないの？」など、親知らずがある状態でのマウスピース矯正について疑問をお持ちではありませんか。

親知らずの生え方や位置によって、マウスピース矯正への影響は変わる場合があります。

適切に生えている場合はそのまま施術を進められる可能性がある一方、埋伏歯や斜めに生えている場合は事前の抜歯が必要になることも。

この記事では、親知らずがある状態でマウスピース矯正を検討する際の判断基準、抜歯が必要なケース、施術中の注意点について詳しく解説します。

※本記事は2025年11月時点の情報をもとにまとめています。
※マウスピース矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※マウスピース矯正に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」（厚生労働省）をご覧ください。

親知らずがあってもマウスピース矯正はできる？

親知らずがある場合でも、マウスピース矯正を行うことは可能な場合があります。

ただし、親知らずの状態や位置によって施術への影響が異なるため、事前の精密検査が重要です。

最終的な判断は、レントゲン撮影や口腔内検査の結果をもとに歯科医師が行うことになります。

マウスピース矯正に親知らずが与える影響

親知らずは歯列の最後部に位置するため、他の歯に圧力をかけることがあります。

特に斜めに生えている場合や埋伏している場合は、前の歯を押すような力が働き、マウスピースによる歯の移動計画に影響を与える可能性があります。

また、親知らず周辺の清掃が困難になることで、虫歯や歯周病のリスクが高まることも考慮すべき要因です。

マウスピースが親知らずまで覆うデザインの場合、フィット感に問題が生じることもあります。

適切に生えている親知らずの場合

親知らずが正常な位置に真っすぐ生えており、噛み合わせに問題がない場合は、抜歯せずにマウスピース矯正を進められる可能性があります。

清掃が十分に行えて、虫歯や歯周病のリスクが低い状態であることが条件となるでしょう。

ただし、施術中に親知らずが歯列に与える影響を継続的に観察する必要があります。

定期的な診察で親知らずの状態に変化がないか確認し、場合によっては施術計画の調整が行われることもあります。

問題のある親知らずのケース

以下のような状態の親知らずがある場合は、マウスピース矯正前に抜歯が推奨される場合があります。

これらの状態では、親知らずが矯正施術の妨げになるだけでなく、口腔内の健康状態にも悪影響を与える可能性があるでしょう。

特に埋伏歯の場合は、レントゲンで詳細な位置や向きを確認し、他の歯への影響を慎重に評価する必要があります。

親知らず抜歯が必要な場合はどんなとき？

親知らずの抜歯が必要かどうかは、その生え方や周辺の歯への影響によって判断されます。

マウスピース矯正をスムーズに進めるためには、歯の移動を妨げる要因を事前に取り除くことが大切です。

歯科医師は複数の検査結果をもとに、総合的に抜歯の必要性を判断します。

レントゲン検査での判断基準

パノラマレントゲンやCT検査により、親知らずの位置や角度、根の形状が詳しく確認されます。

埋伏歯の場合は、隣の歯の根に与える影響や、顎の骨との関係性も重要な判断材料となります。

また、親知らずが今後どのように成長する可能性があるかも考慮されます。

レントゲン画像では、親知らずによって他の歯が押されている状況や、歯列全体への影響も確認されます。

口腔内の状態による判断

視診と触診により、親知らず周辺の歯茎の状態や清掃の難易度が評価されます。

炎症を繰り返している場合や、親知らずや隣接する歯に虫歯がある場合は、抜歯が推奨される傾向があります。

噛み合わせの状態も重要で、上下の親知らずが正しく噛み合っていない場合は、頬を噛んだり舌を傷つけたりする原因となることがあります。

口の開閉時に痛みがあるかどうかも、抜歯の必要性を判断する重要な要素です。

マウスピース矯正への具体的影響

矯正施術においては、歯の移動シミュレーションに基づいてマウスピースが作製されます。

親知らずが予測できない動きをする場合、計画通りに歯が移動しない可能性があります。

特にマウスピースが親知らずまでカバーするデザインの場合、フィット感の悪化により施術効果に影響を与えることもあるでしょう。

また、親知らずの圧迫により前歯が重なってしまう後戻り現象のリスクも考慮する必要があります。

マウスピース矯正前に親知らず抜歯をする場合の流れ

抜歯が必要と判断された場合は、マウスピース矯正開始前に親知らずを除去します。

抜歯から施術開始まで適切な期間を空けることで、よりリスクを軽減した予測しやすい矯正施術が期待できるでしょう。

抜歯後の回復期間中は、傷口の治癒状況を定期的に確認することが大切です。

抜歯前の準備と検査

抜歯前には、全身の健康状態や服用中の薬について詳しく確認されます。

血液検査や心電図などが必要になる場合もあり、特に埋伏歯の抜歯では全身麻酔や静脈内鎮静法が検討されることがあります。

抗凝固薬を服用している場合は、主治医と連携して一時的な中止や調整が行われる場合があるでしょう。

抜歯当日の注意事項や術後のケア方法について、事前に詳しい説明が行われます。

抜歯当日の流れ

局所麻酔により痛みを軽減した状態で抜歯が行われます。

埋伏歯の場合は、歯茎を切開して骨を削る場合があるため、通常の抜歯よりも時間がかかることがあるでしょう。

抜歯後は止血のためのガーゼを噛み、30分程度安静にします。

術後の注意事項について改めて説明を受け、痛み止めや抗生物質が処方される場合があります。

抜歯後の回復期間とケア

抜歯後は傷口の治癒を待つ必要があり、一般的に1週間から2週間程度の回復期間が必要です。

埋伏歯や複雑な抜歯の場合は、より長い回復期間が必要になることがあるでしょう。

抜歯後24時間以内はうがいを避け、傷口を刺激しないよう注意します。

腫れや痛みは2〜3日がピークとなり、その後徐々に改善していく傾向があります。

マウスピース矯正開始のタイミング

抜歯部位が十分に治癒してからマウスピース矯正を開始します。

一般的には抜歯から1〜2か月後が目安となりますが、個人差があるため歯科医師の判断に従うことが重要です。

歯茎の状態や骨の回復具合を確認し、マウスピースのフィット感に問題がないことを確認してから施術開始となります。

この期間中に口腔内の型取りを行い、抜歯後の状態に合わせた矯正計画の最終調整が行われます。

マウスピース矯正中に親知らずで気をつけることは？

親知らずを残したままマウスピース矯正を行う場合は、施術中の注意深い観察とケアが必要です。

定期健診により、親知らずが矯正に与える影響を継続的に評価します。

問題が生じた場合は、施術計画の調整や追加の処置が必要になることがあります。

マウスピースのフィット感の確認

親知らず周辺でマウスピースが浮いていたり、強く圧迫されている感覚がある場合は、すぐに歯科医師に相談することが大切です。

フィット感の問題は歯の移動効率を下げるだけでなく、痛みや不快感の原因となる可能性があります。

新しいマウスピースに交換するたびに、親知らず部分の適合性を確認する習慣をつけましょう。

違和感がある場合は我慢せず、早めの相談により適切な調整を受けることにつながります。

清掃とオーラルケア

親知らず周辺は清掃が困難な部位のため、マウスピース施術中も特に注意深いケアが必要です。

マウスピースを外している時間を有効活用し、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを使用して丁寧に清掃します。

親知らず周辺に食べカスが残りやすいため、食後の口ゆすぎも重要です。

智歯周囲炎の兆候である腫れや痛み、出血がある場合は、速やかに歯科医師の診察を受ける必要があります。

定期的な経過観察

通常の矯正経過観察に加えて、親知らずの状態変化についても定期的にチェックを受けます。

レントゲン検査により、親知らずの位置変化や他の歯への影響を確認します。

矯正の進行に伴い、親知らずが問題を起こす可能性が高まった場合は、途中で抜歯を検討することもあるでしょう。

施術計画通りに歯が動いているかどうかを確認し、必要に応じて計画の修正が行われます。

トラブル発生時の対処

親知らず周辺で痛みや腫れが生じた場合は、一時的にマウスピースの装着を中断する場合があります。

炎症が発症した場合は、抗生物質による薬物施術や洗浄処置が必要になることもあるでしょう。

マウスピースが破損した場合は、親知らずの尖った部分が原因となることもあるため、詳しい原因調査が行われます。

トラブルが繰り返される場合は、施術継続のリスクとメリットを再評価し、抜歯を含めた対策が検討されます。

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マウスピース矯正と親知らずについてよくある質問