マウスピース矯正中にタバコは吸える?知っておくべき影響と注意点を解説
「マウスピース矯正を始めたいけれど、タバコはやめられない」と悩んでいる方は少なくありません。
結論として、マウスピース矯正中でも喫煙自体は物理的には可能です。
しかし、タバコの煙や成分が口腔環境や装置に影響を及ぼす可能性があり、矯正の進行や歯ぐきの健康に注意が必要とされています。
また、電子タバコや加熱式タバコについても「害が少ない」と言われることがありますが、口腔内への影響がゼロではないため慎重な判断が求められます。
本記事では、マウスピース矯正中の喫煙に関わるリスクや考えられる注意点、喫煙を続ける場合の対策について整理して解説します。
東京医科歯科大学歯学部付属病院にて臨床研修医
東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食機能構築学専攻生修了
医療法人社団世航会デンタルオフィス 分院長勤務
九段下スターデンタルクリニック 勤務
医療法人社団有心会クリア歯科モノリス院 勤務
南青山矯正歯科クリニック 院長
【資格】
インビザラインGo ディプロマ取得
スリーアイインプラント ディプロマ取得
Biotouch Japan dental lip course ディプロマ取得
terna japan ヒアルロン酸注入・ボツリヌス治療 ディプロマ取得
※本記事は2025年10月時点の情報をもとにまとめています。
※マウスピース矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※マウスピース矯正に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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マウスピース矯正中にタバコを吸うことは可能?
マウスピース矯正中にタバコを吸うこと自体は物理的には可能です。
しかし、矯正の進行や口腔の健康に影響する可能性があるため、注意が必要です。
特に重要なポイントは、喫煙時には必ずマウスピースを取り外すことです。
喫煙時のマウスピース取り外しは必要
タバコに含まれるタールやニコチンがマウスピースの素材に付着すると、変色や劣化につながる可能性があります。
また、煙がマウスピース内にこもることで、歯や歯ぐきに悪影響を及ぼすリスクも考えられます。
変色や劣化が進むと、見た目だけでなく、矯正力の伝わり方にも影響する恐れがあるため注意が必要です。
装着時間20時間以上の維持が難しくなるリスク
マウスピース矯正では、一般的に1日20時間以上の装着が推奨されています。
喫煙のたびにマウスピースを外す習慣があると、その分装着時間が不足しやすくなるでしょう。
装着時間が十分に確保できない場合、歯の移動が計画通りに進まず、治療期間に影響する可能性があります。
特に喫煙の回数が多い方は、この点を意識して管理することが重要です。
タバコがマウスピース矯正に与える主な5つのリスクとは?
喫煙はマウスピース矯正の進行や口腔環境に影響を及ぼす可能性があると指摘されています。
以下に、考えられる主なリスクを整理しました。
歯茎の血行不良による歯の移動速度低下
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯茎や周囲組織の血流を妨げる可能性があります。
歯の移動には骨や歯周組織の代謝が関わるため、血流不足が続くと移動速度に影響が出る場合があるとされています。
結果として、治療期間が延びる可能性もあるため注意が必要です。
マウスピースの変色と材質劣化
タバコの煙に含まれるタールは、マウスピースの素材に付着して黄ばみや変色を生じることがあります。
変色が進むと見た目に影響するだけでなく、素材の劣化によって矯正力の伝達に支障が出る可能性も否定できません。
透明性が重視される装置の場合は特に、早期の交換が必要になるケースもあります。
口腔内トラブルと細菌繁殖の増加
喫煙によって唾液の分泌が減少し、自浄作用が弱まるとされています。
その結果、口腔内に細菌が繁殖しやすい環境が生じ、虫歯や歯周病のリスクが高まる場合があります。
マウスピースを装着している間は口腔内が密閉されやすいため、さらにリスクが増える可能性もあります。
歯の着色と口臭悪化
タバコのヤニは歯の表面に付着し、黄ばみや茶色の着色汚れの原因になるといわれています。
マウスピース矯正中は装着時間が長いため、着色が目立ちやすいと感じる方もいるかもしれません。
また、タバコ成分が口腔内に残ることで口臭が強くなる可能性もあります。
施術期間や費用への影響
上記の要因が重なることで、治療計画に影響が出たり、期間が延びるケースもあるとされています。
その際には追加のマウスピース作製費用や通院回数の増加が必要になる可能性があります。
また、虫歯や歯周病が発生した場合は、矯正を一時中断して治療を優先するケースもあります。
どうしても禁煙できない場合の現実的な工夫は?
理想的には完全禁煙が望ましいですが、現実的に難しい方もいます。
その場合でもリスクを軽減するために取り入れられる工夫があります。
喫煙時のルールと口腔ケア
喫煙時には次の点に注意することが推奨されます。
- 必ずマウスピースを外してから喫煙する
- 喫煙後は最低でも水でうがいを行う
- 可能であれば歯磨きをしてから再装着する
- 再装着までに30分ほどの清掃時間を確保する
とくに重要なのは「喫煙後に口腔内を清潔にすること」です。
タバコ成分が口腔内に残ったままマウスピースをつけると、細菌の増加や着色リスクが高まる恐れがあります。
喫煙回数とタイミングの工夫
装着時間を1日20時間以上確保するためには、喫煙の回数やタイミングをあらかじめ調整することが大切です。
例としては、食事のタイミング(朝・昼・夜の3回)に喫煙をまとめ、それぞれでうがいや歯磨きを済ませてから再装着する方法があります。
このように時間を決めて行うことで、装着時間の不足をできる限り防ぎやすくなります。
定期メンテナンスを増やす
喫煙者の場合、通常よりも短い間隔でのクリーニングが望ましいとされています。
3か月に1回が一般的ですが、1〜2か月に1回のペースで歯科医院のチェックやクリーニングを受けると安心です。
また、マウスピースが変色・劣化していないかも定期的に確認し、必要に応じて早めに交換することが推奨されます。
電子タバコなら安心という考えは正しい?
「電子タバコや加熱式タバコなら従来のタバコより安心」と思う方もいますが、矯正中の口腔環境への影響は依然として注意が必要です。
従来の紙巻きタバコと比べてリスクがなくなるわけではないため、慎重に考える必要があります。
電子タバコに含まれる成分への注意
電子タバコの多くにはニコチンが含まれており、血管収縮作用によって歯茎の血流に影響する可能性があるといわれています。
また、蒸気に含まれる化学物質が口腔内に残留することもあり、清潔を保つ上で注意が必要です。
「電子」という名称だけで安全と考えるのは適切ではなく、使用後のケアが重要です。
加熱式タバコのリスクと特徴
加熱式タバコ(例:アイコス)は燃焼させずに蒸気を発生させますが、その蒸気にもニコチンなどの成分が含まれています。
「煙が少ないから安心」と思って使用頻度が増えると、かえって口腔への負担が大きくなる可能性も指摘されています。
矯正中は従来のタバコと同様に注意が必要と考えられます。
代替品使用時も同様のケアが必要
電子タバコや加熱式タバコであっても、使用時には必ずマウスピースを外し、口をゆすぐ・歯を磨くといったケアを徹底することが望ましいです。
また、装着時間の管理を怠らないことが、矯正をスムーズに進めるための基本となります。
「害が少ないから大丈夫」という油断は避け、禁煙が難しい場合でもセルフケアと歯科での定期チェックを欠かさないことが大切です。
スムーズな施術のための段階的禁煙プログラムとは?
マウスピース矯正をきっかけに禁煙を目指すことは、施術の進行や口腔環境の改善につながる可能性があります。
急な禁煙が難しい場合でも、段階的に取り組むことで無理の少ない方法を検討できるでしょう。
施術期間を活用した段階的減煙方法
マウスピース矯正の期間を目安に、徐々に喫煙本数を減らしていく方法があります。
たとえば、最初の1か月は現在の喫煙量から3割減、2か月目は5割減、3か月目は7割減といったように、無理のない範囲で調整していく方法です。
施術の進行と並行して減煙を進めることで、禁煙への意識を高めやすい場合があります。
禁煙外来や専門機関の活用
禁煙に挑戦する際は、専門的なサポートを受けることが有効とされています。
禁煙外来では依存度の評価を受けた上で、個人に合わせた方法を提案してもらえる場合があります。
禁煙補助薬や心理的サポートを組み合わせることで、禁煙継続の一助となるでしょう。
また、矯正を担当する歯科医院で禁煙に関する相談や医科への紹介を行っているケースもあります。
禁煙経験者にみられる共通の工夫
マウスピース矯正を機に禁煙に取り組んだ方のなかには、以下のような動機づけが役立ったとされるケースがあります。
- マウスピースの変色を避けたいと思った
- 施術費を無駄にしたくないという経済的な意識を持った
- 定期通院により歯科医師から継続的にサポートを受けられた
こうした要因を意識することで、禁煙へのモチベーション維持に役立つことがあります。
また、家族や友人の協力を得ることも継続しやすさにつながるといわれています。
マウスピース矯正ならAND美容外科へ
AND美容外科は、マウスピース矯正をはじめとした豊富な矯正メニューをご用意しています。
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■マウスピース矯正(税込)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| インビザラインGo(片顎) | 572,000円 |
| インビザラインGo(両顎) | 748,000円 |
| 初診料(カウンセリング) | 5,500円 |
| クリンチェック | 44,000円 |
| リテーナー(片顎) | 44,000円 |
| リテーナー(両顎) | 88,000円 |
| 毎回の診察料 | 5,500円/回 |
※自由診療(保険適用外)・税込価格
※副作用・リスク:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数:2~24回、治療期間:3ヶ月~2年
詳しい情報を見る
マウスピース矯正とタバコについてよくある質問
ウスピース矯正とタバコに関するよくある質問をまとめました。
- 喫煙者の場合、施術期間はどの程度延長される?
- マウスピースが変色してしまった場合の対処法は?
それぞれ解説します。
喫煙者の場合、施術期間はどの程度延長される?
喫煙による影響で施術期間が長引く可能性があると指摘されています。
これは、血行不良による歯の移動の遅れや、口腔内トラブルで施術を一時中断するケースが関係しているためです。
延長の程度には個人差がありますが、禁煙や適切なケアを行うことでリスクを抑えられる場合があります。
マウスピースが変色してしまった場合の対処法は?
軽度の変色であれば、専用クリーニング剤を用いた清掃で改善することがあります。
ただし、変色や劣化が進んでいる場合には、新しいマウスピースへの交換が必要になるケースもあります。
交換には追加費用がかかることがあるため、予防的に清掃や喫煙対策を行うことが大切です。
【マウスピース矯正に関する法的記載事項】
施術内容:マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正治療です。短期間での改善を目指せる「インビザラインGo」は、前歯の軽度な乱れやすき間など、特定の症状に対応したプログラムです。
標準的な治療回数:2〜24回
標準的な治療期間:3か月~2年(治療回数、期間には個人差があります)
標準的な費用:572,000〜841,500円
おもなリスク:副作用:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※マウスピース型矯正システム「インビザラインGO」は未承認機器です。
※入手経路等:アメリカのAlign Technology, Inc.が開発した製品を、正規の販売代理店を通じて入手しています。
輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法の承認を受けているものは複数存在します。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
