「マウスピースが歯にしっかりフィットしない」
「装置が浮いているけれど大丈夫？」

こうした不安を感じる方は多いです。

マウスピース矯正中に、装置が歯から浮いてしまうように感じられることがあります。

しかし、その原因を正しく理解し、適切に対処すれば改善につながる可能性があります。

この記事では、マウスピース矯正で浮きが起こる原因から具体的な対処法まで、あなたの不安を軽減するための情報を詳しくご紹介します。

※本記事は2025年10月時点の情報をもとにまとめています。
※マウスピース矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※マウスピース矯正に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。

マウスピース矯正で浮く現象とは何か？

マウスピース矯正における「浮く」現象とは、装着したマウスピースが歯にしっかりと密着せず、隙間が生じている状態を指します。

この状態では、マウスピースと歯の間に空間ができてしまい、計画された矯正力が適切に歯に伝わらない場合があるかもしれません。

特にインビザラインなどのクリアアライナーにおいて、この浮きの問題はよく見られる現象とされています。

浮きが起こりやすい部位と特徴

マウスピース矯正で浮きが発生しやすいのは、主に前歯部分と犬歯周辺です。

これらの部位は歯の形状が複雑で、マウスピースとの接触面積が限られているため、フィット感に影響が出やすい傾向があります。

また、歯の移動量が大きい部位や、ねじれや回転などの複雑な動きが必要な歯においても浮きが生じやすくなると考えられるでしょう。

浮きの程度による分類と見分け方

マウスピースの浮きは、その程度によって軽度・中程度・重度に分類できます。

軽度な浮き（0.5mm以下）は、矯正初期や新しいマウスピース交換直後によく見られる現象です。

中程度の浮き（0.5-2mm）は、より慎重な観察と対応が必要な範囲となります。

重度な浮き（2mm以上）は、専門医相談が推奨される要注意レベルです。

鏡を使用して側面から確認したり、舌で触れた際の感覚で浮きの程度を判断することが可能でしょう。

マウスピース矯正で浮く原因は何がある？

マウスピース矯正で浮きが起こる原因は多岐にわたり、それぞれに適した対処法が考えられます。
一般的な原因から専門的な要因まで、体系的に理解することで効果的な改善につなげられるでしょう。

装着時間不足による歯の動きの遅れ

マウスピース矯正における基本的な原因の一つとして、装着時間不足が挙げられます。

矯正施術では1日20時間以上の装着が必要とされており、この時間が不足すると歯の移動が計画通りに進まない可能性があります。

歯には元の位置に戻ろうとする「後戻り」の力が働いており、装着時間が短いとこの力によって移動した歯が引き戻されることもあるでしょう。

食事や歯磨き以外で外している時間が長くなっていないか、日々の装着時間を見直すことが重要です。

新しいマウスピースへの適応期間

新しいマウスピースに交換した直後の2-3日間は、軽微な浮きが生じることがあります。

これは歯の移動プロセスの正常な段階として理解されるべき現象で、前のステップで移動した歯が次の位置への適応過程にあるためです。

この期間中も適切な装着時間を維持し、補助器具などを使用することで改善が期待できるでしょう。

ただし、3日を過ぎても改善が見られない場合は、より深刻な問題の可能性を示唆しているかもしれないため、担当医師に相談してください。

マウスピースの変形や破損

不適切な着脱方法や保管により、マウスピース自体が変形や破損を起こすことがあります。

強引な取り外しや片側からの無理な力の作用により、装置が歪みやヒビを生じる可能性があるかもしれません。

また、高温での消毒や不適切な保管方法により、プラスチック素材が変形し、本来のフィット性を失うケースもあります。

定期的にマウスピースにヒビや変形がないか確認し、問題が発見された場合は使用を中止することが大切です。

マウスピース矯正の浮きを改善する対処法とは？

マウスピース矯正の浮きには、原因に応じた段階的なアプローチが推奨されます。

自宅でできる対処法から専門的な対応まで、適切な順序で実践することで改善につながる可能性があるでしょう。

チューイーの正しい使用方法

チューイーは医療用シリコン製の円柱状器具で、マウスピースと歯の密着性を高める効果が期待できるとされています。

正しい使用方法として、マウスピース装着後に前歯部分から開始し、徐々に奥歯に向かって移動させながら使用します。

噛む力は「噛み切る」イメージで行い、過度な力を避けながらリズミカルに2-3分程度継続しましょう。

新しいマウスピース交換時や浮きが気になる場合は、10-20分程度の長時間使用が推奨されています。

奥歯での使用時は、左右同時に2つのチューイーを使用することで、より均等な圧力分散が可能になる場合があります。

装着時間の見直しと管理方法

装着時間不足が原因の場合、まず現在の装着時間を正確に把握することが重要です。

スマートフォンアプリやデジタル機器を活用して、実際の装着時間を客観的に記録しましょう。

食事時間の延長、歯磨きやオーラルケアの時間、社会的な場面での取り外し時間などを見直し、20時間以上の装着時間確保を目指します。

装着忘れを防ぐためのアラーム機能や、日々の装着時間を記録する機能なども継続的な管理の助けになるでしょう。

適切な着脱方法の習得

マウスピースの正しい装着手順として、まず上下を正確に確認し、前歯の位置を合わせてから奥歯まで順序立てて装着します。

噛み込んで装着するのではなく、指を使って丁寧に押し込むようにすることで、装置の変形や破損を防止できるでしょう。

取り外し時は奥歯の内側から左右別々に外し、前歯から一気に外したり片側だけに力を集中させたりすることは避けるべきです。

女性の場合、ネイルへの配慮から専用の取り外し補助具（イージーリフト）の使用も選択肢の一つとなります。

マウスピース矯正の浮きはどの程度まで許容範囲？

マウスピース矯正における浮きの許容範囲は、施術効果と快適性のバランスを考慮して設定されています。

一般的に2mmまでの浮きが許容範囲とされており、これを超える場合は専門医への相談が推奨されます。

軽度な浮き（0.5mm以下）

0.5mm以下の軽微な浮きは、特に施術初期や交換直後において正常な現象として認識されています。

この範囲の浮きは、適切な装着時間を維持することで数日から1週間程度で改善が期待できるでしょう。

前歯部分では歯の形状特性上、この程度の浮きが目立ちやすいものの、奥歯部分で適切なフィットが得られていれば大きな問題にならない場合があります。

チューイーの使用や装着時間の確保により、自然な改善が期待できる範囲とされています。

中程度な浮き（0.5-2mm）

0.5-2mmの中程度な浮きについては、より慎重な観察と対応が必要です。

この範囲の浮きが1週間以上継続する場合、歯の移動が計画通りに進行していない可能性があります。

チューイーの使用や装着時間の見直しによる改善を試み、これらの対処法で改善が見られない場合は専門医への相談を検討しましょう。

症状の経過を記録し、変化の様子を客観的に把握することが適切な判断につながります。

重度な浮き（2mm以上）

2mm以上の浮きは要注意レベルとして位置づけられ、即座の専門医相談が必要な状況です。

この程度の浮きは施術計画に影響を与える可能性があり、放置することで施術期間の延長や追加費用の発生につながるリスクがあります。

強い痛みや違和感、噛み合わせの異常を伴う場合は、浮きの程度に関わらず対応が必要です。

自己判断による対処は避け、速やかに専門医の診察を受けることが重要でしょう。

マウスピース矯正で浮きが続く場合のリスク

マウスピース矯正における浮きを放置した場合、短期的・長期的双方の観点から様々な問題を引き起こす可能性があります。

これらのリスクを理解することで、適切なタイミングでの対応の重要性がより明確になるでしょう。

矯正効果の低下と施術期間の延長

マウスピースが適切にフィットしていない状態では、計画された矯正力が歯に正確に伝達されません。

この結果、目標とする歯の位置への移動が阻害され、施術効果の低下につながる可能性があります。

施術計画の見直しや追加的な期間が必要となり、あなたにとって時間的・経済的負担の増加が生じる場合があります。

早期の対応により、これらのリスクを抑えることにつながるでしょう。

予期しない歯の移動による噛み合わせの問題

マウスピースが部分的に浮いた状態が継続すると、歯が想定外の方向へ移動する可能性があります。

これは施術計画の根本的な変更を必要とする事態を招き、噛み合わせの問題を引き起こすかもしれません。

特に奥歯の移動異常は、顎関節の負担や咀嚼機能の低下など、口腔機能全体に影響を与える場合があるでしょう。

適切な経過観察により、これらの問題を早期に発見し対処することが重要です。

口腔内組織への物理的影響

マウスピースが浮いた状態では、口腔粘膜との不適切な摩擦や圧力がかかる可能性があります。

この状況が続くと、口内炎や粘膜損傷を引き起こし、口腔衛生状態の悪化につながる場合があります。

また、装置の不安定さにより審美的な問題が生じ、日常生活や社会的活動に影響を与える可能性もあるでしょう。

定期的な口腔内の確認と適切なケアにより、これらのリスクを予防することが大切です。

マウスピース矯正の浮きはいつ歯科医師に相談すべき？

マウスピース矯正における浮きの問題について、専門医への相談タイミングを適切に判断することが重要です。
遅すぎる相談は、適切なタイミングを逃すことにつながる可能性があります。

即座に相談が必要な緊急サイン

以下の症状が見られる場合は、即座に専門医への相談が推奨されます。

これらの症状は施術の安全性や効果に直接関わるため、放置は避けるべきとされています。

様子見から相談に切り替える判断基準

軽度から中程度の浮きについては、以下の期間を目安に専門医への相談を検討しましょう。

新しいマウスピース交換直後の浮きは、3日程度の様子見が可能とされています。

ただし、この期間を過ぎても改善が見られない場合は、積極的な対応が必要です。

1週間以上継続する浮きは、施術計画の見直しや追加的な対応を要する可能性が高いとされています。

チューイーの使用や装着時間の見直しを行っても改善が見られない場合も、相談のタイミングと考えられるでしょう。

定期診察での相談事項の整理

予定された定期診察においては、日々の装着状況について詳細に報告することが重要です。

装着時間、チューイーの使用状況、感じている症状や変化、日常生活における困りごとなどを整理して相談しましょう。

これらの情報は、専門医が適切な診断を下し、個々の状況に合った対応策を提案するために大切な要素です。

疑問や不安がある場合は、遠慮なく積極的に相談することがスムーズな施術につながるでしょう。

アタッチメントの役割と浮きへの影響

マウスピース矯正において、アタッチメントは装置の密着性向上と効率的な矯正力の伝達の役割を果たします。

これらの小さな装置が浮きの問題にどのように関わるかを理解することで、より実践的な対策につなげられるでしょう。

アタッチメントの基本的な機能と重要性

アタッチメントは歯の表面に接着される白いプラスチック素材の小さな突起物で、マウスピースとの接触面積を増加させる働きがあります。

米粒程度の大きさで白色の素材を使用するため、日常生活においてほとんど目立たないとされています。

特に歯の回転や傾斜移動など、複雑な動きが必要な症例において、アタッチメントは重要な要素となるでしょう。

マウスピースとの係合により、装着時のずれや滑りを防止し、計画された矯正力を正確に伝達することが期待できます。

アタッチメントの脱落が浮きに与える影響

アタッチメントの脱落や不具合は、マウスピースの浮きの原因の一つとなります。
これらの装置が適切に機能しない場合、マウスピースと歯の密着性が低下し、浮きが発生しやすくなるのです。

食事や歯磨きの際に強い力が加わることで、アタッチメントが部分的に剥がれる可能性があるでしょう。

定期的にアタッチメントの状態を確認し、違和感や脱落を感じた場合は速やかに専門医に相談することが大切です。

アタッチメント装着時の注意点

アタッチメントが装着されている期間中は、日常のケアに特別な注意が必要です。
硬い食べ物や粘着性の高い食品は、アタッチメントへの負荷を高める可能性があるため注意しましょう。

歯磨きの際は、アタッチメント周辺を丁寧にケアし、プラークの蓄積を防ぐことが重要です。

マウスピースの着脱時も、アタッチメントに過度な力がかからないよう、正しい方法で行うことが推奨されます。

マウスピース矯正ならAND美容外科へ

AND美容外科は、マウスピース矯正をはじめとした豊富な矯正メニューをご用意しています。

AND美容外科は、医療の力で「短期間で結果を出す」ことをコンセプトに、さまざまな施術を提供しています。

無料カウンセリングでは丁寧にお悩みや目標をうかがい、あなたに合った矯正メニューをご提案します。

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■マウスピース矯正（税込）

項目	金額
インビザラインGo（片顎）	572,000円
インビザラインGo（両顎）	748,000円
初診料（カウンセリング）	5,500円
クリンチェック	44,000円
リテーナー（片顎）	44,000円
リテーナー（両顎）	88,000円
毎回の診察料	5,500円／回

※自由診療（保険適用外）・税込価格
※副作用・リスク：歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数：2～24回、治療期間：3ヶ月～2年

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マウスピース矯正にまつわるよくある質問をまとめました。

それぞれ解説します。

【マウスピース矯正に関する法的記載事項】
施術内容：マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正治療です。短期間での改善を目指せる「インビザラインGo」は、前歯の軽度な乱れやすき間など、特定の症状に対応したプログラムです。
標準的な治療回数：2〜24回
標準的な治療期間：３か月～２年（治療回数、期間には個人差があります）
標準的な費用：572,000〜841,500円
おもなリスク：副作用：歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰

※マウスピース型矯正システム「インビザラインGO」は未承認機器です。
※入手経路等：アメリカのAlign Technology, Inc.が開発した製品を、正規の販売代理店を通じて入手しています。
輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無：国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法の承認を受けているものは複数存在します。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について：万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報：重大な副作用についての報告はありません。