マウスピース矯正で噛み合わせは改善できる？

マウスピース矯正は軽度から中等度の噛み合わせの問題について改善が期待できる施術法として知られています。

マウスピース矯正の基本原理は、透明なマウスピース型装置を用いて歯並びと噛み合わせの両方を段階的に改善していく方法です。

CAD/CAMシステムを用いて、あなたの歯列に合わせて精密に作製されたマウスピースが、計画に基づき歯を移動させるよう設計されています。

（参考）：https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfpcd/classification.cfm?id=NXC

3Dシミュレーションによる施術

現在のマウスピース矯正では、3Dシミュレーションシステムであらかじめ完成予想イメージを作成して施術します。

コンピュータによる3Dシミュレーションで咬合のバランスを細かく分析可能であり、透明な装置で審美的にも目立ちにくいというメリットがあります。

従来のワイヤー矯正と比較して、マウスピースによる力は弱いものの持続的に加わるため、歯を移動させる効果が期待できます。

顎関節への負担軽減と噛み合わせ

マウスピース矯正は顎関節の位置や機能は噛み合わせと密接に関連しています。

ただし、効果や改善については個人差があることを理解しておきましょう。

取り外し可能なため、比較的口腔内の清掃がしやすいと言われています。

治療にあたっては、担当医とよく相談し、ご自身の症状や状態に応じた適切な方法を選択することが大切です。

どんな噛み合わせの問題に効果が期待できる？

マウスピース矯正で改善が期待できる噛み合わせには複数の種類があります。
ただし、すべての症例に対応できるわけではなく、事前の診断で適応可能かどうかを判断することが大切です。

改善が期待できる主な症例

以下の症例については、マウスピース矯正での改善効果が期待できるとされています。

特に軽度から中等度の不正咬合や前歯のズレなどは、マウスピース矯正で適切に対応できるケースが多いです。
過蓋咬合については、小臼歯を引っ張り出し高く噛み合うようにする方法で対応されることがあります。

マウスピース矯正の施術が難しい症例もある

重度の症例では、期間や最終的な咬合の微調整においてマウスピース矯正よりもワイヤー矯正がより適していることがあります。

著しい開咬や大きな歯間空隙、45度以上の歯の回転が必要なケースでは、ワイヤー矯正でなければ対応できない場合があるかもしれません。

また、重度の歯周病がある方についてもマウスピース矯正は適用外とされています。

マウスピース矯正では歯を覆うため歯周病菌がマウスピース内に溜まりやすく、症状を悪化させるおそれがあることが理由です。

施術期間はどのくらいかかる？

マウスピース矯正の施術期間は一般的に6か月から3年程度が目安とされています。

ただし、これはあくまで平均的な目安であり、歯並びや矯正の目標、施術への協力度合いなどによって変わってきます。

症例別の期間の目安

前歯のわずかなズレを改善したい場合は数か月で施術が完了することもあります。
一方で、歯を大きく動かす必要がある場合は2年以上かかるケースもあるでしょう。

成人の方では加齢により骨の新陳代謝が緩やかになっているため、歯の動きが遅くなりやや長めの期間がかかるかもしれません。
逆に若年層では歯の動きがスムーズで、1年以内で完了することもあります。

施術期間に影響する要因

マウスピース矯正では装置の装着時間が短いと歯が思うように動かず施術が予定よりも長引くかもしれません。
施術には診断・準備期間、矯正期間、保定期間という3つの段階があります。
保定期間は歯が元の位置に戻らないように固定する期間で、1から2年程度が目安です。
矯正期間と保定期間を合わせた施術全体の期間は一般的に2年から5年程度と言われています。

マウスピース矯正にはどんな効果やメリットがある？

マウスピース矯正によって噛み合わせが改善されると、口元の見た目の改善が見られることがあるのはもちろん、その他にもさまざまな効果が期待できるかもしれません。
健康面での改善も含めて、マウスピース矯正の多角的なメリットをご紹介します。

機能面での改善効果

咀嚼機能の向上により、食べ物をしっかり噛み砕けるようになり、消化吸収の効率が上がって胃腸への負担も軽減される可能性があります。

噛み合わせが良くなることで、食べ物を正しく噛めるようになるだけでなく、一部の歯や歯茎だけに偏った力がかからなくなる効果が期待できるかもしれません。

審美的・身体的メリット

見た目のバランス改善においては、歯並びと噛み合わせは見た目のバランスに影響することがあるため、歯並びが整うことで口元だけでなく顔全体の印象が良くなる可能性があります。

その他、顎関節症や首の痛み、肩こりなどとの関係も指摘されており、歯並びとともにお口や身体の健康に関わっていると言えるでしょう。

マウスピース型矯正施術では、透明なマウスピース型装置が歯に力を加える役割を果たしてくれます。

施術を成功させるためには何が重要？

マウスピース矯正のスムーズな進行には、あなたの協力が重要です。
取り外しが可能な装置だからこそ、自己管理が施術結果に影響する要因となります。

装着時間の徹底管理

マウスピース矯正では、食事や歯磨きの時、お仕事でどうしても必要な時以外はマウスピースを外すことは推奨されていません。

装着時間が短いと歯が予定通り動かない可能性があるため、使用状況が悪いと施術期間が長くなるおそれがあります。

マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が推奨され、1〜2週間で形の違うマウスピースへ交換する施術法であるため、正しい装着法やメンテナンスを守る必要があります。

適切な管理と通院の継続

マウスピースの管理も重要な要素です。

マウスピースは毎日清潔に保つためのケアや、破損しないように保管することが大切で、マウスピースが変形したり破損してしまうと矯正に影響が出てしまうこともあります。

定期的な交換や調整のためにクリニックへのこまめな通院も必要です。

施術の進行には、痛みや違和感に対する耐性も必要な場合があるかもしれません。

マウスピース矯正は初期や交換時には痛みや違和感を感じることがあるため、ある程度の違和感を伴うことを理解しておくことが大切です。

費用はどのくらいかかる？

マウスピース矯正の費用は施術範囲や症例の複雑さによって変わります。
自由診療のため、クリニックによって価格設定に差があることも理解しておきましょう。

施術範囲別の費用相場

マウスピース矯正の費用は、部分矯正で10万から40万円、全体矯正で60万から120万円が目安とされています。

前歯だけの部分矯正の費用相場は10から45万円、全体矯正（奥歯まで）の費用相場は60から100万円となっています。

施術費は装置の種類によって異なり、一般的にワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が高くなる傾向があるでしょう。

適切なマウスピース矯正の選び方

マウスピース矯正は気軽に始められる反面、ブランドごとに内容や対応範囲が異なるため、自分に合ったものを選ぶには比較の視点が大切です。

施術実績・症例数の多さ、特にインビザラインのように症例数が多いブランドは、幅広い歯並びに対応できることが期待できるかもしれません。

自分に合ったマウスピース矯正の選び方としては、費用や時間をどのくらいかけられるのか、どこまで施術したいのかといった全体イメージを固めることが重要です。

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※自由診療（保険適用外）・税込価格
※副作用・リスク：歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数：2～24回、治療期間：3ヶ月～2年

マウスピース矯正についてよくある質問

マウスピース矯正にまつわるよくある質問をまとめました。

それぞれ解説します。