マウスピース矯正のアタッチメントとは

アタッチメントとは、マウスピース矯正の治療中に、歯の表面に接着される小さな突起のことです。

マウスピースと歯の間に配置することで、歯を動かす際の「支点」のような役割を担い、歯列の移動をサポートします。

従来のワイヤー矯正では、歯をしっかりつかむ金具が使われますが、マウスピース矯正ではアタッチメントが歯を動かすための「支点」や「力の伝達役」として、重要な役割を担うことがあるのです。

アタッチメントの素材や形状

アタッチメントは、歯の色に近い歯科用レジンという樹脂素材でできています。

施術の目的や動かしたい歯の状態に合わせて、四角形、楕円形、三角形など、さまざまな形状のものがあります。

サイズは数ミリメートルと小さく、歯の表面に直接接着して使用します。

従来のワイヤー矯正方法との違い

従来のワイヤー矯正は、歯に金属のブラケットを貼り付け、ワイヤーを通して歯を動かしていきます。

一方マウスピース矯正は、ポリウレタンなどの樹脂製マウスピースで歯を動かすため、複雑な矯正が難しい場合があります。

そこでアタッチメントを活用します。アタッチメントを歯に装着することで、マウスピースの力がより効果的に歯へ伝わり、回転や傾きといった、より精密で複雑な歯の移動が可能になるのです。

ほぼ透明なマウスピースと、歯の色に近いアタッチメントの組み合わせなら、見た目にも目立つことなく矯正を進められるメリットもあります。

アタッチメントの役割と必要性

アタッチメントは、マウスピース矯正で歯を効率的かつ正確に動かすために、重要な役割を果たします。

特に、歯を回転させたり、上下方向に動かすような複雑な動きが必要な場合に欠かせない存在といえるでしょう。

ここでは、アタッチメントの具体的な役割について詳しく解説します。

歯列移動における支点の機能

アタッチメントの役割の一つは、歯を動かす際の「支点」となることです。

歯の表面はツルツルしているため、マウスピースだけでは力がうまく伝わらないことがあります。

しかし、アタッチメントがあれば、マウスピースが歯をしっかりと捉え、その力を歯にしっかり伝えることが可能になります。

これにより、狙いどおりに歯を動かすことが期待できるのです。

複雑な歯の動きをサポート

マウスピース単体では難しい歯の動きをサポートするために、アタッチメントが活用されるケースがあります。

アタッチメントを活用するのは、おもに次のようなケースです。

これらの動きはマウスピース単体では難しいため、アタッチメントの補助によって、より効果的な矯正が期待できるでしょう。

計画通りに矯正を進めるサポート

アタッチメントを使用することで、歯科医師が立てた治療計画通りに、歯を動かせる可能性が高まります。

これによって治療期間を予定通り進められたり、治療後の歯が後戻りするリスクを軽減できるでしょう。

アタッチメントの見た目は？

マウスピース矯正を検討されている方は、アタッチメントの見た目も気になるでしょう。

ここでは、アタッチメントの見た目や審美性について解説します。

自身の歯に合わせた自然な仕上がり

アタッチメントに使われる歯科用レジンは、ご自身の歯の色に合わせて作られることが多いです。そのため、注意深く見なければわからないほど自然な仕上がりが期待できます。

ただし、コーヒーや赤ワインなど、色の濃い飲食物によって変色する可能性もあるため、注意が必要です。

治療中は、これらの飲食物の摂取には気をつけるとよいでしょう。

数ミリ単位の大きさで目立ちにくい

アタッチメントのサイズは数ミリ程度と小さく、治療効果と見た目のバランスを考えた位置につけられることが一般的です。

前歯につける場合でも、可能な限り目立ちにくい形状や配置が選ばれます。

日常生活ではほぼ目立たない

アタッチメントは、日常の会話や食事の際には、ほとんど目立ちません。ただし、口を大きく開けて笑ったり、至近距離で話したりする際には、気になる方もいるかもしれません。

多くの場合、装着して数週間もすると、口の中の違和感や見た目の気になり方も軽減されていく傾向があります。個人差はありますが、徐々に慣れていく方がほとんどです。

アタッチメントの装着期間とお手入れ方法

アタッチメントは、基本的にマウスピース矯正の治療が終わるまで、装着したままになります。ここでは、その装着期間や、日常のお手入れについて解説します。

装着期間の目安

アタッチメントの装着期間は、歯の状態や、治療計画によって異なります。一般的には、矯正が開始されてから終了するまで、装着したままとなります。

矯正の進み具合によっては、途中でアタッチメントの位置や形を調整するために、付け替えが必要になることもあります。

日常的な手入れ方法

アタッチメントを装着している間は、次のようにお手入れをしましょう。

適切なケアを怠ると、むし歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。

アタッチメントの周りは汚れがたまりやすいので、特に念入りなブラッシングが大切です。

デンタルフロスや歯間ブラシをうまく活用したり、歯科医院での定期的なクリーニングを受けるなどして、お口の中を清潔に保つように心がけましょう。

アタッチメントが脱落した場合の対応

強い衝撃を受けたり硬い食べ物を噛んだ際に、アタッチメントが取れてしまうことがあります。もし取れてしまったら、すぐにクリニックに連絡して再接着の相談をしてください。

自己判断でそのままにしておくと、矯正効果に影響が出てしまう可能性があるため注意しましょう。

アタッチメント使用時の注意点とデメリット

アタッチメントには多くのメリットがありますが、使用にあたって注意すべき点や、いくつかのデメリットも存在します。

装着初期は違和感がある

アタッチメントの装着直後は、口の中に異物感を感じることがあります。舌や唇が擦れて、軽度の痛みや口内炎ができることもありますが、多くの場合、1〜2週間程度で慣れるでしょう。

痛みや違和感が強い場合は、担当の歯科医師に相談してください。

避けるべき飲食物がある

アタッチメントを装着している間は、次のような飲食物を避けましょう。

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※自由診療（保険適用外）・税込価格
※副作用・リスク：歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数：2～24回、治療期間：3ヶ月～2年

マウスピース矯正のアタッチメントについてよくある質問

マウスピース矯正のアタッチメントについての、よくある質問と回答を紹介します。