インビザライン矯正中の食事はどうしてる?知っておくべき注意点
「インビザライン矯正は、食事のたびにマウスピースを外すの?」「外食の時どうすればいいか不安…」といった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
インビザラインは、取り外しができる便利な矯正装置。しかし食事の際の取り扱い方法を間違えると、装置の変形や着色、さらには計画通りに歯が動かないといった影響が出る可能性があります。
この記事では、インビザライン装着中の食事に関する基本ルールや避けるべき飲食物、そして食後の正しいケア方法についてわかりやすく解説します。
東京医科歯科大学歯学部付属病院にて臨床研修医
東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食機能構築学専攻生修了
医療法人社団世航会デンタルオフィス 分院長勤務
九段下スターデンタルクリニック 勤務
医療法人社団有心会クリア歯科モノリス院 勤務
南青山矯正歯科クリニック 院長
【資格】
インビザラインGo ディプロマ取得
スリーアイインプラント ディプロマ取得
Biotouch Japan dental lip course ディプロマ取得
terna japan ヒアルロン酸注入・ボツリヌス治療 ディプロマ取得
※本記事は2025年11月時点の情報をもとにまとめています。
※インビザライン矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※インビザラインに用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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インビザラインをつけたまま食事しても大丈夫?
結論から言うと、インビザラインのマウスピースをつけたままの食事は、おすすめできません。
インビザラインの開発メーカーや多くの歯科医師は、お食事の前にマウスピースを外すことを推奨しています。
ただし、水(常温)を飲むだけなら、基本的にはつけたままでも大丈夫とされています。
装着したままの飲食は破損のリスクも
インビザラインのマウスピースは精密に設計されており、わずかな変形でも施術効果に影響が出る可能性があります。
そのため装着したまま硬い食べ物を噛んだり、熱い飲料を飲んだりすると、装置が変形したり破損したりする可能性があるでしょう。
計画通りに施術を進めるためにも、飲食の際は必ず装置を外すようにしましょう。
糖分や色のついた飲み物は注意
マウスピースを装着したまま食事をすると、食べ物や飲み物がマウスピースと歯の間に入り込んだまま、長時間滞在してしまうことになります。
特に糖分を含む飲食物は、虫歯菌の増殖を促し、虫歯の原因となる恐れがあります。
また、コーヒーや紅茶、赤ワインなどの色のついた飲料は、透明なマウスピースに色素が沈着し、見た目が悪くなる原因となります。
常温の水は装着したまま飲んでもOK
マウスピースを装着したままでも問題ないとされているのは、常温の水を飲む場合です。水には糖分や着色成分が含まれておらず、温度による変形リスクも低いためです。
水以外のお茶、コーヒー、ジュース、炭酸水、フレーバーウォーターなどは、着色や虫歯、変形のリスクがあるため、必ず外してから飲むようにしてください。
マウスピースを外すのは短時間に
インビザライン矯正で効果を感じるには、マウスピースの装着時間を1日20〜22時間確保する必要があります。
このため、食事時間を含めてマウスピースを外している時間は、1日2〜4時間程度が目安とされています。
飲食はできるだけ短時間で済ませ、すぐにマウスピースを再装着するように心がけましょう。
装着時間が不足すると、計画通りに歯が動かず、施術期間が延びてしまう可能性があることを理解しておきましょう。
インビザライン矯正中に避けるべき食事は?
インビザライン矯正中は、マウスピースを外して食事ができるため、従来の固定式矯正装置に比べて食べ物の制限は少ないです。
しかし、歯や装置に負担をかける食品にはいくつか注意が必要です。
ここでは避けるべき、または注意が必要な飲食物について解説します。
キャンディやナッツなどの硬い食べ物
硬い食べ物は、インビザライン施術中に動いている歯に過度な力をかける可能性があります。
キャンディやナッツ類、氷、硬いせんべいなどを強く噛むと、強い衝撃が加わり、痛みを感じたり、歯の移動に影響が出る場合があります。
硬い食べ物を摂取する際は、小さく砕いたり、柔らかく調理したりするなどの工夫をしましょう。
キャラメルやガムなど粘着性の高い食べ物
キャラメル、ガム、餅などの粘着性の高い食品は、歯に長時間付着しやすく、虫歯のリスクを高める可能性があります。
これらの食品を食べた後は、歯に残りやすいため、念入りに歯磨きをしてから装置を再装着することを心がけましょう。
コーヒーやワインなど色のついた飲みもの
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、トマトソースなどは、歯の着色だけでなく、透明なマウスピースの変色も引き起こす可能性があります。
これらの飲食物を摂取する際は、マウスピースを外しましょう。そして飲食後はできるだけ速やかに歯磨きをするといいでしょう。
歯の表面に色素が残ったままマウスピースを装着すると、その部分の着色が濃くなる恐れがあるためです。
熱いものや酸性の飲食物
57℃以上の高温の飲み物は、マウスピースの物理的特性を変化させる可能性があります。熱いお茶やコーヒー、スープなどを飲む際は、装置を取り外してから摂取するようにしましょう。
また、柑橘類のジュースや炭酸飲料などの酸性の飲食物は、歯のエナメル質を一時的に柔らかくする可能性があります。
これら酸性の飲食物を摂取した後は、30分程度時間を置いてから歯磨きをすることが望ましいとされています。
インビザライン矯正中の食事時の正しいケア方法
インビザライン施術中の食後ケアは、施術のスムーズな進行と口腔内の健康を維持するために大切です。
適切なケアを行うことで、虫歯や歯周病のリスクを低減できます。
ここでは食後の歯磨きやマウスピースの洗浄、再装着までの手順を詳しく説明します。
食後の歯磨きの手順
食事の後は、次の手順で歯磨きをしてからマウスピースを再装着しましょう。
- 食べかすを軽くすすぐ:まず、食べかすを水で軽くすすぎます。
- 丁寧に歯を磨く:歯ブラシで、歯と歯茎の境目、歯間を丁寧に磨くことが大切です。
- フッ素入り歯磨き粉の活用:フッ素入りの歯磨き粉を使用すると、虫歯予防効果が期待できる場合があります。
- 歯間ブラシやデンタルフロスの併用:歯間ブラシやデンタルフロスを併用することで、より徹底的な清掃につながるでしょう。
外出先で歯磨きが難しい場合は、口をよくすすぎ、帰宅後などにできるだけ早く歯磨きをするように心がけましょう。
マウスピースの正しい洗浄方法
マウスピースは、食事のたびに洗浄することが推奨されています。
基本的な洗浄方法は、まず流水で汚れを洗い流し、柔らかい歯ブラシで優しくこすります。
専用のクリーニングクリスタルや、研磨剤の入っていないホワイトニング歯磨き粉の使用も、衛生的に保つ方法の一つです。
熱湯での洗浄は変形の原因となることがあるため避け、冷水またはぬるま湯を使用するようにしてください。
マウスピース交換タイミングと食事の関係
インビザラインのマウスピースは、通常1〜2週間ごとに新しいものに交換します。
交換直後は歯に新しい力がかかるため、少し痛みや違和感を感じることがあります。
交換当日や翌日は、柔らかい食べ物を選ぶことで不快感を軽減できるかもしれません。
交換前後には特別なケアをする必要はありませんが、日頃から丁寧な口腔ケアを心がけることが大切です。
必ず専用ケースで保管する
食事などでマウスピースを外した際は、紛失や破損を防ぎ、清潔に保つために必ず専用のケースに保管する習慣をつけましょう。
ティッシュペーパーやナプキンに包むと、誤って捨ててしまったり、破損したりするトラブルが起きやすくなります。
外出時は専用ケースを携帯するようにし、軽く水洗いをしてから保管する際ようにしましょう。
外食や仕事中の食事時はどうする?
外出時の食事の際には、自宅とは異なる対応が求められます。
人前でマウスピースを外すことに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、適切なマナーと準備があればスムーズに対応できます。
ここでは、外食時や職場における食事時のマウスピースの扱い方について解説します。
人前でマウスピースを外すときのマナー
外食や職場でマウスピースを外す際は、できるだけトイレなど他の人から見えない場所で行うことが望ましいでしょう。
取り外す際は、手で直接外すよりも、ティッシュやハンカチを使って外す方が衛生的です。
外したマウスピースは専用ケースにすぐに入れ、テーブルの上に置かないよう注意してください。
携帯用ケアグッズの活用
職場や学校では、デスクやロッカーに次のようなケアグッズを常備しておくと便利でしょう。
- 専用ケース
- 携帯用歯ブラシと歯磨き粉
- デンタルフロスまたは歯間ブラシ
- マウスウォッシュ
- (必要に応じて)予備のマウスピース
これらのアイテムを準備しておくことで、食事後も適切なケアができ、装着時間を確保することにつながります。
紛失・破損時の対応方法
万が一マウスピースを紛失した場合や破損した場合は、すぐに担当医に連絡してください。
担当医の指示に従い、一つ前のマウスピースを使用するか、次の段階のものを使用するかを判断してもらいます。
マウスピースなしで過ごす時間が長くなると、歯が元の位置に戻ろうとする可能性があるため、早めの対応が必要です。
旅行や出張の際は、現在使用中のものと前後のマウスピースを携帯することをおすすめします。
年齢やライフスタイルごとの注意点
年齢や生活スタイルによって、インビザライン施術中の食事には異なる配慮が必要な場合があります。
お子さんの場合は保護者のサポートが重要です。
またスポーツをする場合は、運動中の対応も考える必要があるでしょう。
ここでは、それぞれの状況に応じた注意点を説明します。
子どもの装着時のポイント
子どものインビザライン施術では、保護者が食事の管理や口腔ケアをサポートすることが大切です。
学校での昼食後にもケアができるよう、ケア用品を持たせて事前に指導しておきましょう。
また、間食が多いと装着時間が短くなりがちです。
おやつの回数や時間を調整し、1日20〜22時間の装着を維持できるようサポートすることも重要です。
スポーツ時の注意点
運動は、マウスピースを装着したままでも問題ない場合が多いです。
しかし激しい接触スポーツでは、マウスガードの併用も検討しましょう。
運動後の水分補給は常温の水を選べば問題ありませんが、スポーツドリンクなど糖分や酸を含む飲料は、マウスピースを外してから飲むことが望ましいでしょう。
汗をかいた後は口腔内が乾燥しやすいため、練習後の口腔ケアを徹底することも大切です。
妊婦や高齢者の食事の注意点
妊婦の方は、つわりなどで食事のタイミングが不規則になる可能性があります。体調に合わせて食事回数を調整し、無理のない範囲で装着時間を確保することが重要でしょう。
高齢の方は、口腔内の唾液分泌が減少している場合があり、マウスピース装着中に不快感を感じる可能性があります。
こまめな水分補給や口腔保湿剤の使用を検討し、担当医と相談しながら施術を進めていきましょう。
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インビザラインと食事についてよくある質問
インビザラインと食事に関する、よくある質問と回答を紹介します。
飲み会などで長時間飲食する場合はどうすればいい?
長時間の飲食が予想される場合は、一時的にマウスピースを外したまま参加することも選択肢の一つです。
ただし、1日の装着時間が20時間を下回ると、施術計画に影響が出る可能性があります。
そのため前後の日で装着時間を長めに確保するなど、週単位で装着時間を調整する工夫も検討しましょう。
装着時間を優先する場合は、飲食はいったん中断してケア後に再装着するなどの対応も考えられます。
タバコ(電子タバコ含む)は吸っても大丈夫?
喫煙(電子タバコ含む)の際は、マウスピースを外すことが推奨されています。
装着したまま喫煙すると、タバコのヤニや着色成分がマウスピースに付着し、変色や臭いの原因となる恐れがあります。
また、喫煙は歯茎の血流を悪化させ、歯周病のリスクを高める可能性も指摘されています。
矯正中の口腔衛生を保つためにも、禁煙または節煙を心がけることが望ましいでしょう。
アタッチメントは食事中に取れない?
アタッチメント(歯の表面につける突起)は、歯科用の接着剤で強固に固定されているため、通常の食事で簡単に取れることは考えにくいでしょう。
ただし、極端に硬いもの(氷や硬いナッツなど)を強く噛んだ場合、アタッチメントが欠けたり外れたりする可能性もあります。
万が一アタッチメントが外れてしまった場合は、マウスピースが浮く原因にもなるため、すぐに担当医に連絡して指示を仰いでください。
【マウスピース矯正に関する法的記載事項】
施術内容:マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正治療です。短期間での改善を目指せる「インビザラインGo」は、前歯の軽度な乱れやすき間など、特定の症状に対応したプログラムです。
標準的な治療回数:2〜24回
標準的な治療期間:3か月~2年(治療回数、期間には個人差があります)
標準的な費用:572,000〜841,500円
おもなリスク:副作用:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※マウスピース型矯正システム「インビザラインGO」は未承認機器です。
※入手経路等:アメリカのAlign Technology, Inc.が開発した製品を、正規の販売代理店を通じて入手しています。
輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法の承認を受けているものは複数存在します。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
