植毛の傷跡は本当に残る?目立ちにくくする術後ケアや注意点を解説
「植毛を考えているけれど、手術後に傷跡が残ってしまうのではないか」
「もし傷跡が目立ったらどうしよう」
こうした不安を感じる方も少なくありません。
植毛手術は外科的な処置であるため、術後に傷跡が残る可能性があります。
傷跡の見え方や回復の程度には、施術方法や体質、経過の違いによって個人差があります。
また、医師の指示に沿って適切に術後ケアを行うことで、傷跡の治癒をサポートすることが大切です。
この記事では、植毛後に想定される傷跡の特徴や、術後の過ごし方で意識したいポイントについてお伝えします。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※本記事は2025年9月時点の情報をもとにまとめています。
※自毛植毛は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※自毛植毛に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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植毛後の傷跡は手術方法によって違うの?
主に用いられる手術には「FUT法」と「FUE法」があり、それぞれに特徴があります。
術式ごとの違いを理解しておくことは、施術内容の検討や術後ケアを考えるうえで参考になります。
FUT法の傷跡の特徴
FUT法(Follicular Unit Transplantation)は、後頭部の皮膚を帯状に切り取って移植株を採取する方法です。
この場合、ドナー部位には縫合が必要となるため、線状の傷跡が残る可能性があります。
傷跡の幅は1〜2mm程度とされることが多く、周囲の髪で隠れるケースもみられますが、体質や施術条件などによって差が生じることがあります。
抜糸は通常10〜14日後に行われ、その後時間をかけて変化していくと説明されることがあります。
FUE法の傷跡の特徴
FUE法(Follicular Unit Extraction)は、毛包を一つずつ採取する方法です。
この場合、直径1mm前後の小さな点状の傷跡が複数残ることになります。
縫合が不要であるため、抜糸の必要はありません。
ただし、採取範囲が広い場合には点状の傷跡が多数残ることもあり、体質や採取数によって状態は異なります。
移植部位の傷跡の特徴
移植部位(レシピエント部位)は、FUT法・FUE法ともに共通しています。
移植の際に作られる小さな穴は、通常数日から1週間程度で塞がるとされます。
採取部位と比べると小さい傷ではありますが、頭皮の状態や毛髪の密度によって経過には違いが生じます。
植毛後の傷跡に配慮するための術後ケアとは?
植毛手術後の過ごし方は、傷跡の経過を左右する要素の一つとされています。
ここでは一般的なケアのポイントを整理します。
洗髪は医師の指示に従い、段階的に行う
植毛手術後の洗髪は、頭皮に負担をかけないよう段階的に行うことが求められます。
通常は翌日から洗髪が可能とされる場合がありますが、最初の数日は特に慎重さが必要です。
シャンプーは泡立ててから頭皮に優しくかけ、こすらずに泡で包むように洗う方法が案内されることがあります。
シャワーは水圧を弱めにし、直接強く当てすぎないように注意しましょう。
ドナー部位の清潔保持
毛髪を採取したドナー部位は、清潔に保つことが基本とされています。
FUT法では縫合部分、FUE法では複数の小さな採取部位に注意が必要です。
医師から処方された薬がある場合は、必ず指示通りに使用しましょう。
ケアを行う際は、必ず手を洗って清潔な状態で触れることが勧められています。
赤みや腫れなど気になる症状が続く場合は、早めに医師へ相談してください。
かさぶたは自然に剥がれるまで待つ
術後には、移植部位や採取部位にかさぶたができることがあります。
これは自然な治癒の一環であり、無理に剥がすことは避けるようにしましょう。
通常は1〜2週間ほどで自然に取れていくとされます。
気になる場合やケア方法に迷った場合は、自己判断せず医師に相談することが安心です。
植毛後に注意したい生活習慣とは?
植毛手術後の回復期間は、頭皮がデリケートな状態になっています。
一時的に不便に感じることもありますが、良好な経過のためには大切な期間といえるでしょう。
過度な飲酒と喫煙は控える
アルコールの摂取は血流に影響し、回復に時間がかかる要因となる場合があります。
特に手術直後の1週間程度は、飲酒を避けるように案内されることが多いです。
喫煙についても血流に悪影響を与えるとされており、頭皮の治癒過程に配慮するため控えることが望ましいでしょう。
手術前後の一定期間は禁煙を心がけるよう、医師から指示が出る場合もあります。
回復期間中は激しい運動やサウナを避ける
激しい運動は血圧や体温の上昇につながり、腫れや出血などにつながる恐れがあります。
そのため、手術後1〜2週間はジョギングやウェイトトレーニングなどを控えるよう指導されることがあります。
また、サウナや温泉も体温変化や発汗で頭皮に負担をかける可能性があるため注意が必要です。
軽いウォーキングなどは、医師の確認を経てから開始すると安心です。
直射日光と紫外線対策に配慮する
術後の頭皮は紫外線の刺激に敏感になっています。
直射日光を長時間浴びると色素沈着などが生じる場合があるため、外出時には帽子や日傘で保護すると安心です。
日焼け止めの使用については、傷口の回復状態を見て医師に相談したうえで行うようにしましょう。
特に手術後1か月程度は、屋外での活動を控えめにすることが望ましいとされます。
植毛後の回復過程でみられる変化と対応
植毛手術後は、回復の途中で赤みやかゆみ、かさぶたなどがみられることがあります。
これらの多くは自然な経過の一部とされますが、中には注意が必要な症状もあります。
不安を感じた場合や症状が長引く場合は、自己判断せず医師に相談することが大切です。
一時的な脱毛現象
植毛手術の数日〜数週間後に、移植した毛髪が一時的に抜け落ちることがあります。
これは「ショックロス」と呼ばれる現象で、術後の経過として案内されることのあるものです。
毛根は頭皮内に残っているため、その後の回復過程で再び毛が伸びてくる場合があります。
ただし気になる症状がある場合は、自己判断せず医師に確認することが大切です。
感染症の兆候
植毛手術後には、感染症を起こすことがあります。
異常な痛みの増強、膿のような分泌物、発熱などが見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
植毛の傷跡を隠す方法と長期的なケア方法は?
植毛後の傷跡が目立ちにくくなるまでには、一定の期間を要するとされています。
その間は髪型や帽子などを工夫しつつ、長期的な視点で頭皮ケアを続けることが大切です。
髪型の工夫で傷跡をカバーする
植毛後の傷跡は、髪型の工夫によって目立ちにくくできる場合があります。
FUT法の線状の傷跡は、周囲の髪を長めに残すことで隠しやすくなることがあります。
FUE法の点状の傷跡も、全体の長さやボリュームを調整することで分散して見せられることがあります。
髪が十分に伸びるまでは、極端に短いスタイルは避けた方が安心でしょう。
SMP施術で傷跡を目立ちにくくする方法
SMP(頭皮マイクロピグメンテーション)は、頭皮に色素を注入して毛があるように見せる施術で、傷跡をカバーする選択肢の一つとされています。
特にFUT法による線状の傷跡に対して利用されるケースがあります。
ただし、施術のタイミングや適応は個人差があるため、植毛を行った医師やSMPを扱う専門クリニックに相談して判断することが望ましいです。
頭皮の健康維持と血流改善ケア
長期的に傷跡を整えるためには、頭皮全体の健康を保つことが重要とされています。
適度な頭皮マッサージは血流を促すと考えられており、頭皮環境を整える工夫の一つとなります。
また、ミノキシジル外用薬などの育毛剤は、医師の指導のもとで使用が検討されることがあります。
ただし、傷が完全に治っていない段階での使用は避け、必ず医師に確認してから行うことが大切です。
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■AGA治療
| 薬品名 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 |
|---|---|---|---|---|---|
| ミノキシジル5mg | ¥3,080 | ¥6,160 | ¥8,316 | ¥15,400 | ¥30,492 |
| フィナステリド1mg | ¥4,730 | ¥9,460 | ¥12,771 | ¥23,650 | ¥46,827 |
| ミノキシジル5mg フィナステリド1mg |
¥7,700 | ¥15,400 | ¥20,790 | ¥38,500 | ¥76,230 |
※処方:医薬品のため、処方には医師の診療が必要です。診療は無料ですのでお気軽にご来院下さい。
※服用方法:1日1回少量の水で服用します。
※リスク・副作用:食欲減退・全身倦怠感(肝機能障害)・性欲減退・勃起機能不全・乳房障害・抑うつ症状
※処方にあたっては、事前に血液検査にて肝機能や腎機能などの状態を確認させていただく場合があります。医師が服用を中止したほうがよいと判断した際は、その指示に従っていただくことになります。
※服用中は、献血することができません。服用中止から1ヵ月以上経過していれば、献血が可能です(妊娠または妊娠している可能性のある婦人および授乳中の婦人の体内にフィナステリド・ディタステリド成分が入るのを防ぐためとされています)。
■自然植毛(FUE法)
| シェーブン法 | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 990円 | |
| ノンシェーブン法 | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 1,650円 |
詳しい情報を見る
植毛についてよくある質問
植毛にまつわるよくある質問をまとめました。
- 植毛後に体毛移植を追加で行うことは可能ですか?
- 瘢痕性脱毛症でも植毛手術は受けられますか?
それぞれ解説していきます。
植毛後に体毛移植を追加で行うことは可能ですか?
頭部のドナー部位が不足している場合、胸毛や脚毛などの体毛を移植に利用することが検討されるケースがあります。
ただし、頭髪と体毛では成長サイクルや質感が異なるため、仕上がりには個人差が出やすいとされています。
そのため、実施の可否や適応については、事前に医師から十分な説明を受けることが大切です。
瘢痕性脱毛症でも植毛手術は受けられますか?
瘢痕性脱毛症の場合、頭皮の状態によっては植毛が難しいケースもあります。
血流や皮膚の柔軟性などを確認したうえで、移植が可能かどうかを判断する必要があります。
まずは専門医による詳しい診察を受け、リスクや注意点を含めて相談することをおすすめします。
【ミノキシジルに関する法的記載事項】
治療内容:主にAGA(男性型脱毛症)や薄毛治療において、頭皮や毛包への血流を増加させ栄養供給を改善し、毛髪の成長期を延長させることで発毛を促進します。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:5,000〜15,000円/月(処方量・製剤により変動)
主なリスク・副作用:動悸・頻脈、血圧低下・めまい、浮腫(むくみ)、体重増加、心不全の悪化、頭痛、倦怠感、吐き気、眠気
使用薬剤:Dongkwang MINOXIDIL Tab. 5mg(未承認薬)
※入手経路:Dongkwang Pharm. Co., Ltd.より医師が個人輸入しております。個人輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度について・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:現在、重大なリスクは報告されておりません。
【デュタステリドに関する法的記載事項】
治療内容:男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産生を抑制することで進行を遅らせます。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:6,000〜12,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、射精障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:デュタステリドは承認薬です。
【フィナステリドに関する法的記載事項】
治療内容:脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害し、薄毛の改善に効果が期待できます。
標準的治療期間・回数:3~6ヶ月
標準的な費用:5,000〜8,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:フィナステリドは承認薬です。
【植毛(シェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。シェーブン法では、ドナーとなる部分の毛髪を短く刈り上げて(シェービングして)から株を採取します。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:5~7回程度
標準的な費用:660,000〜1,980,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
【植毛(ノンシェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:6~8回程度
標準的な費用:935,000〜3,180,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
