植毛でM字ハゲは改善できる?施術方法の選び方や注意点を徹底解説
「生え際が後退してきて、M字ハゲが気になってきた」「薬や育毛剤を試してみても、なかなか効果を実感できない」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
M字ハゲは男性型脱毛症(AGA)の症状のひとつで、生え際の両端から薄毛が進行していくのが特徴です。
この記事では、M字ハゲに対して植毛がどのような効果を期待できるのか、施術方法の種類や選び方、注意すべきポイントについて詳しく解説していきます。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※本記事は2025年9月時点の情報をもとにまとめています。
※植毛は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※自主植毛に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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M字ハゲに植毛が有効である理由とは?
M字ハゲに植毛が有効とされるのは、薄毛になりにくい毛根を移植するというメカニズムがあるからです。
ここからは、M字ハゲが起こる仕組みや植毛で期待できる効果などについて、詳しく解説します。
M字ハゲが起こる仕組みと特徴
M字ハゲは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響で生え際の毛根が徐々に弱くなることで発生します。
生え際の両端から薄毛が進行し、アルファベットの「M」の形に似ていることからM字ハゲと呼ばれています。
特に前髪の生え際はDHTの影響を受けやすいとされ、薬や育毛剤では改善が難しいケースも少なくありません。
自毛植毛で期待できる効果と仕組み
自毛植毛では、DHTの影響を受けにくい後頭部の毛根を移植することで、長期的な毛髪の維持が見込まれるとされています。
移植された毛根は元々の性質を保つため、移植先でも継続的に毛髪を生産する可能性があります。
ただし、個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではない点にご注意ください。
他の薄毛施術法との違いとメリット
AGA向け内服薬は進行の抑制を目的としているのに対し、植毛は既に失った毛髪を補う施術方法です。
薬物による施術では効果を実感しにくいとされるM字ハゲの部分に、植毛は直接的なアプローチをする方法のひとつとされています。
また、植毛は一度の施術で長期的な効果が期待できるとされる点も特徴のひとつです。
継続的な薬の服用が不要になる可能性があるため、長期的な視点で考えると経済的なメリットも期待できるでしょう。
M字ハゲに適した施術方法の比較!植毛の種類はどう選ぶ?
植毛にはいくつかの施術方法があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
M字ハゲの状態や個人のライフスタイルに合わせて、適した方法を選ぶことが大切です。
FUT法の特徴とメリット・デメリット
FUT法は、後頭部の皮膚を帯状に切除して毛根を採取する方法です。
一度に多くの毛根を採取できるため、広範囲の薄毛に対応できるメリットがあります。
手術時間が短く、移植毛の品質も高いとされています。
一方で、後頭部に線状の傷跡が残る可能性があり、短髪のヘアスタイルには制限が生じるかもしれません。
ダウンタイムは約1〜2週間程度とされており、この期間は激しい運動や入浴に制限が生じます。
FUE法の特徴とメリット・デメリット
FUE法は、毛根をひとつずつ採取する方法で、メスを使わない施術として知られています。
後頭部に線状の傷跡が残らず、短髪のヘアスタイルも楽しめるケースも多いです。
施術後の痛みや腫れも軽微とされており、日常生活への復帰も早い傾向があるとされています。
ただし、手術時間が長くなりがちで、費用もFUT法と比較して高額になる場合があるでしょう。
また、一度に採取できる毛根数に限界があるため、大規模な植毛には向かない可能性があります。
M字ハゲに適した施術方法の選び方
M字ハゲの範囲や進行度合いによって、適した施術方法は変わってくることがあります。
軽度なM字ハゲの場合は、FUE法による部分的な植毛で改善が期待できるかもしれません。
広範囲にわたる薄毛や、将来的な進行も考慮したい場合は、FUT法による大規模な植毛が検討される場合があります。
カウンセリングでは、現在の薄毛の状態だけでなく、将来的な進行予測も含めて検討することが大切です。
また、職業柄短髪にする必要がある方や、傷跡を目立たせたくない方はFUE法が向いているでしょう。
植毛にかかる費用と期間
植毛を検討する際、費用や期間について事前に把握しておくことが重要です。
個人の薄毛の状態や選択する施術方法によって、費用や期間は大きく変わってきます。
植毛の費用相場と内訳
植毛の費用は、移植する毛根の数や施術方法によって決まることが一般的です。
一般的に、1グラフト(毛根単位)あたり800円〜2,000円程度が相場とされています。
M字ハゲの改善には、おおよそ500〜1,500グラフト程度が必要になる場合が多いでしょう。
基本料金として40万円〜150万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
この他に、カウンセリング料や麻酔代、術後のケア用品代などが別途必要になる場合があります。
施術から効果実感までの期間
植毛の効果を実感するまでには、一定の期間が必要になることがあります。
移植された毛根が定着するまでに約3〜4ヶ月程度かかり、その後徐々に新しい毛髪が成長し始めます。
自然な見た目になるまでには、一般的に6〜12ヶ月程度を要する場合もあるかもしれません。
施術直後から3ヶ月程度は移植毛が一度抜け落ちる「ショックロス」が起こることもありますが、これは正常な経過とされています。
効果を実感できるまでの期間には個人差があるため、焦らずに経過を観察することが大切でしょう。
費用を抑える方法と注意点
植毛の費用を抑えるために、いくつかの方法が考えられます。
複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用や施術内容を比較検討することが重要です。
モニター制度や分割払い制度を利用できる場合もあります。
ただし、費用の安さだけで選ぶのではなく、医師の経験や実績、アフターケアの充実度なども総合的に判断しましょう。
安価すぎるクリニックは、技術力や安全性に問題がある可能性も考えられるため注意が必要です。
事前に知るべき植毛のリスク
植毛は外科的な施術のため、リスクや副作用について事前に理解しておくことが重要です。
適切なクリニック選びと術後のケアによって、リスクを抑えることにつながります。
植毛で起こりうるリスクと副作用
植毛の施術においては、いくつかのリスクや副作用が考えられます。
以下の表で代表的なリスクとその概要をまとめました。
| リスク・副作用 | 説明 |
|---|---|
| 感染症 | 術後ケアが不十分だと感染リスクが高まる可能性があります。 |
| 出血 | 施術後や術後数日間にわたり、軽度の出血が見られることがあります。 |
| 腫れ | 特に額や目の周りに腫れが見られ、通常数日内に改善します。 |
| 不自然な仕上がり | 移植した毛が定着しない、または成長が不均等である場合があります。 |
| 感覚異常(ドナー部位) | 毛根採取部位で一時的に感覚が鈍くなる、またはしびれを感じることがあります。 |
これらの症状は一時的なものであることが一般的ですが、長期間続く場合もあるため、早めに医師に相談してください。
よくある失敗例と対策方法
植毛の失敗例として、生え際のラインが不自然になるケースがあります。
移植密度が低すぎて薄い仕上がりになったり、逆に密度が高すぎて不自然に見えたりする場合もあります。
毛髪の向きや角度が適切でないと、自然な仕上がりにならないかもしれません。
これらの失敗を避けるためには、経験豊富な医師による丁寧なデザインと技術力が重要です。
事前のカウンセリングで、希望する仕上がりについて十分に話し合うことも大切でしょう。
リスクを抑えるための対策
植毛手術後のリスクを抑えるためには、以下のような対策例があります。
- 術後ケアを正しく行い、移植部位を清潔に保つことで感染症を予防する。
- 医師の指示に従い、術後の注意点を守ることでトラブルを防ぎ、回復を早める。
- 痛みや腫れが気になる場合でも、移植部位を強く触ったりこすったりしないよう注意する。
- 定期的に医師の診察を受け、経過観察を行い、早期にリスクを発見する。
- 術後の運動制限を守り、過度な運動や重い物を持つことを避ける。
- 喫煙や過度な飲酒を避けることで血行を改善し、回復を促進する。
クリニック選びで失敗しないための確認ポイント
植毛の成功は、クリニック選びによって左右される可能性があります。
料金だけでなく、技術力やアフターケアなども含めて総合的に判断してください。
医師・クリニック選びのポイント
植毛を検討する際は、信頼できる医師とクリニックを選ぶことが重要です。
以下のポイントを確認しましょう。
- 医師の資格や経験年数を確認する(形成外科や美容外科の専門医資格を持つ医師を選ぶ)
- 過去の症例数や実際の症例写真を見せてもらい、自分の希望に近い結果が得られているかを確認する
- 学会での発表実績や論文発表なども、医師の技術力を判断する材料として有効
- カウンセリング時に、メリットだけでなくリスクについても正直に説明してくれる医師を選ぶ
信頼できる医師とクリニックを選ぶことで、自身の目指す結果が見込まれる可能性が高くなると考えられます。
カウンセリングで確認すべき内容
植毛施術を受ける前に、カウンセリングで以下の点を確認することが大切です。
- 自分の薄毛の状態に適した施術方法の提案を受ける
- 必要なグラフト数や費用の詳細について具体的に説明してもらう
- 術後の経過について理解を深める
- アフターケアの内容やトラブル時の対応について確認する
複数のクリニックでカウンセリングを受け、提案内容や費用を比較することをおすすめします。
プレッシャーをかける営業をしてくるクリニックは避け、じっくりと検討できる環境を提供してくれるところを選ぶと良いでしょう。
アフターケア体制の重要性
植毛は施術後のケアが重要な役割を果たすとされています。
以下の点を確認することをおすすめします。
- 定期的な経過観察や術後のトラブルに対する迅速な対応ができる体制
- 24時間相談できる体制や緊急時の対応方法
- 術後の洗髪方法や日常生活での注意点について、詳細な指導を受けられること
- 再施術の可否やその条件について事前に確認する
これらを確認し、術後のケアをしっかりとサポートしてくれるクリニックを選ぶことが大切です。
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■AGA治療
| 薬品名 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 |
|---|---|---|---|---|---|
| ミノキシジル5mg | ¥3,080 | ¥6,160 | ¥8,316 | ¥15,400 | ¥30,492 |
| フィナステリド1mg | ¥4,730 | ¥9,460 | ¥12,771 | ¥23,650 | ¥46,827 |
| ミノキシジル5mg フィナステリド1mg |
¥7,700 | ¥15,400 | ¥20,790 | ¥38,500 | ¥76,230 |
※処方:医薬品のため、処方には医師の診療が必要です。診療は無料ですのでお気軽にご来院下さい。
※服用方法:1日1回少量の水で服用します。
※リスク・副作用:食欲減退・全身倦怠感(肝機能障害)・性欲減退・勃起機能不全・乳房障害・抑うつ症状
※処方にあたっては、事前に血液検査にて肝機能や腎機能などの状態を確認させていただく場合があります。医師が服用を中止したほうがよいと判断した際は、その指示に従っていただくことになります。
※服用中は、献血することができません。服用中止から1ヵ月以上経過していれば、献血が可能です(妊娠または妊娠している可能性のある婦人および授乳中の婦人の体内にフィナステリド・ディタステリド成分が入るのを防ぐためとされています)。
■自然植毛(FUE法)
| シェーブン法 | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 990円 | |
| ノンシェーブン | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 1,650円 |
詳しい情報を見る
植毛についてよくある質問
植毛にまつわるよくある質問をまとめました。
- 植毛した部分の毛髪はカットできますか?
- 女性のM字ハゲにも植毛は有効ですか?
それぞれ解説していきます。
植毛した部分の毛髪はカットできますか?
植毛した毛髪は自分の毛髪と同じように成長するため、通常通りカットすることができます。
ただし、術後3〜6ヶ月程度は毛根が完全に定着していない場合があるため、強い力でのカットは避けることをおすすめします。
美容師に植毛を受けたことを伝えておくと、適切な配慮をしてもらえるでしょう。
女性のM字ハゲにも植毛は有効ですか?
女性のM字ハゲに対しても植毛は選択肢のひとつです。
ただし、女性の薄毛は男性とは原因が異なる場合が多く、まずは内科的な原因の検査が推奨される場合があります。
ホルモンバランスの変化や栄養不足が原因の場合、植毛以外の方法で改善が期待できる可能性もあります。
【ミノキシジルに関する法的記載事項】
治療内容:主にAGA(男性型脱毛症)や薄毛治療において、頭皮や毛包への血流を増加させ栄養供給を改善し、毛髪の成長期を延長させることで発毛を促進します。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:5,000〜15,000円/月(処方量・製剤により変動)
主なリスク・副作用:動悸・頻脈、血圧低下・めまい、浮腫(むくみ)、体重増加、心不全の悪化、頭痛、倦怠感、吐き気、眠気
使用薬剤:Dongkwang MINOXIDIL Tab. 5mg(未承認薬)
※入手経路:Dongkwang Pharm. Co., Ltd.より医師が個人輸入しております。個人輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度について・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:現在、重大なリスクは報告されておりません。
【デュタステリドに関する法的記載事項】
治療内容:男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産生を抑制することで進行を遅らせます。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:6,000〜12,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、射精障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:デュタステリドは承認薬です。
【フィナステリドに関する法的記載事項】
治療内容:脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害し、薄毛の改善に効果が期待できます。
標準的治療期間・回数:3~6ヶ月
標準的な費用:5,000〜8,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:フィナステリドは承認薬です。
【植毛(シェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。シェーブン法では、ドナーとなる部分の毛髪を短く刈り上げて(シェービングして)から株を採取します。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:5~7回程度
標準的な費用:660,000〜1,980,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
【植毛(ノンシェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:6~8回程度
標準的な費用:935,000〜3,180,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
