植毛で失敗が心配な方へ伝えたいポイント!原因とクリニック選びの必須知識
「植毛をしたいけれど失敗したらどうしよう」「不自然な仕上がりになったらと思うと踏み切れない」
植毛を検討している方の中には、このような不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに植毛は外科手術であり、技術的な問題や術後のケア不足により期待した結果が得られない場合があります。(※1)
だからこそ、失敗の原因を事前に理解し、信頼できるクリニック選びと適切な術後管理を行うことが大切です。
本記事では、植毛における代表的な失敗例とその原因を詳しく解説します。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※1参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10597701/
※本記事は2025年9月時点の情報をもとにまとめています。
※自毛植毛は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
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植毛の失敗って具体的にどのようなもの?
植毛を行って「失敗」と感じるのは、期待した結果が得られず、見た目や機能面で満足いかない場合ではないでしょうか?
多くの方が望んでいる植毛の結果は、自然な生え際と十分な密度、そして周囲に気づかれにくい仕上がりでしょう。
しかし実際には、さまざまな要因により思うような結果が得られないケースが存在しているのが現実です。
密度不足による薄毛感の残存
植毛における一般的な失敗例の一つが密度不足です。
移植した毛髪が少なすぎたり、元々あった毛髪が一時的に抜けてしまったりすることで、施術後も薄毛が改善されないケースがあります。
健康な成人男性の毛髪密度は一般的に1平方センチメートルあたり約150〜200本とされており、この基準を大きく下回ると不自然な印象を与える可能性があります。
密度不足のおもな原因は以下の3つです。
- ドナー部位からの採取量が不十分
- 移植範囲に対して必要本数の見積もりが少なかった
- 術後のショックロス(移植した毛髪が一時的に抜け落ちること)への対策が不十分
生え際デザインの不自然さ
自然な生え際は軽い凹凸があり、グラデーションをもった密度分布になっています。
しかし施術前のカウンセリングが不十分だったり、医師の技術的な問題により、直線的で人工的な生え際になってしまうことがあるのです。
特に前髪部分の生え際に太い毛を移植してしまうと、不自然な仕上がりになってしまうことがあります。
また、年齢や顔の輪郭に対して生え際を下げすぎてしまい、全体のバランスが崩れてしまうケースも少なくありません。
毛髪の生着率低下
植毛した毛髪がうまく定着せず、抜け落ちてしまうことを生着率の低下と呼びます。
さまざまな要因により、一般的な自毛植毛の生着率を下回ることがあります。
採取や移植の際の技術的な問題、術後の感染症、不適切なアフターケアなどが生着率低下の要因となるでしょう。
特に喫煙や過度の飲酒、術後の激しい運動などは血行を阻害し、移植した毛髪の定着を妨げる可能性があるため注意が必要です。
植毛失敗の根本原因はどこにある?
実際に植毛の失敗が起こってしまうことはありますが、これらの原因を理解することで、リスクを事前に回避することにつながるでしょう。
特に施術前の準備段階から術後のケアまで、各プロセスにおいて注意すべきポイントがあります。
医師の技術力と経験不足
植毛は高度な技術を要する外科手術であり、医師の経験と技術力が結果に影響することがあります。
毛髪の採取角度や深さ、移植時の毛流れや密度配分など、細かな技術的要素が仕上がりに影響するとされています。
症例数が少ない医師や植毛専門でない医師が施術を行った場合、期待した結果が得られない可能性もあるでしょう。
また、植毛技術や機器についての知識不足により、古い手法で施術が行われることも失敗要因の一つとなるでしょう。
カウンセリング時の認識のずれ
植毛失敗例において、施術前のカウンセリングでの認識のずれが原因となることがあります。
自身の希望する仕上がりイメージと医師の施術計画が一致していない場合、満足のいく結果を得ることは難しいかもしれません。
移植範囲、必要本数、複数回に分けた施術の必要性などについて、納得したうえで施術を受けるようにしましょう。
また、ドナー部位の状態や既存毛髪の将来的な脱毛リスクについても、事前に医師に確認してください。
術後ケアの軽視
植毛の結果には施術だけでなく、術後のケアも関わってくるとされています。
洗髪方法の間違い、移植部位への圧迫、早すぎる運動再開などにより生着率が低下することがあるのです。
特に術後1〜2週間は移植した毛髪の定着にとって重要な期間であり、医師の指示をしっかり守ることが大切です。
また、栄養バランスの偏りや睡眠不足なども、毛髪の成長に悪影響を与える可能性があるため注意したほうがいいでしょう。
植毛でのクリニック選びのポイントは?
植毛の成功率を高めるためには、信頼できるクリニックを選ぶことが何より重要です。
しかし「どのクリニックが良いのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、クリニック選びで確認すべき具体的なポイントをご紹介していきます。
医師の経験と専門性の確認
植毛施術を行う医師の経験年数と専門性は、施術結果に関わる可能性のある要素の一つです。
植毛専門医として何年の経験があるか、年間どの程度の症例を手がけているかを確認しましょう。
また、医師が日本植毛医学会などの専門学会に所属しているか、定期的な学会発表や論文発表を行っているかもみてみるといいかもしれません。
症例写真の質と透明性
クリニックのホームページやカウンセリング時に提示される症例写真の質は、技術力を判断する重要な指標です。
自然な仕上がりの症例が多数掲載されているか、さまざまな年代や薄毛パターンの症例があるかを確認してください。
たとえば、加工が疑われる写真や角度を工夫した写真ばかりでなく、正面からの自然な写真が多いクリニックは信頼できる可能性が高いといえるでしょう。
また、術前から術後まで経過を追った写真があれば、施術の透明性を感じられます。
カウンセリングのていねいさ
初回カウンセリングは、そのクリニックが自分に合うか、信頼できるかどうかを見極める重要な機会です。
あなたの希望をていねいに聞き、現実的な施術計画を提案してくれるかどうかをしっかり確認しましょう。
リスクや制限事項についても正直に説明し、無理な施術を勧めないクリニックが信頼できるクリニックといえるでしょう。
また、費用についても明確で、追加料金の可能性についても事前に説明があることが重要です。
アフターケア体制の充実
植毛は施術後のフォローが施術と同じくらい重要な要素となります。
定期的な経過観察、トラブル時の対応体制、再施術の保証制度などが整っているかを確認してください。
- 術後1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の定期検診
- 24時間対応の緊急連絡先
- 生着率が一定以下の場合の再施術保証
- 術後ケアに関する詳しい説明書の提供
これらの体制が整っているクリニックを選ぶことで、植毛の不安を軽減して施術を受けることができるでしょう。
自然な仕上がりを得るための具体策とは?
植毛で自然な仕上がりを目指すには、手術前の計画から、術後のケアまで、全てを通して正しい方法で進めることが大切です。
そのための具体的な対策をこれからご紹介します。
適切な移植範囲と本数の設定
自然な仕上がりを得るためには、一度に広範囲への移植を行うのではなく、段階的に植毛を進めていくことが重要です。
ドナー部位の毛髪には限りがあるため、移植する部位の優先順位を決めて効率的に配分する必要があります。
まずは最も目立つ生え際部分を重点的に行い、その後状況に応じて追加施術を検討してみるといいでしょう。
毛流れと角度を意識したデザイン
自然な毛髪は一定の流れと角度を持って生えています。
植毛においても既存の毛髪の流れに合わせて移植することで、自然な仕上がりを実現することにつながるでしょう。
特に生え際部分では前方に向かって15〜20度の角度で移植し、つむじ部分では放射状に配置することが重要です。
また、生え際には1本毛の髪の毛を、その後ろには少しずつ本数の多い髪の毛を植えることで、、自然なグラデーションを作ることができる場合があります。
AGA薬との併用による相乗作用
植毛の施術では、AGA薬との併用が推奨されることがあります。
フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬は、既存毛髪の脱毛を抑制し、移植毛髪の生着環境を改善する可能性があります。
術前から内服を開始することで、移植後の一時的な脱毛のリスクを軽減し、全体的な毛髪密度の向上が期待できるでしょう。
ただし、これらの薬剤には副作用の可能性もあるため、医師との十分な相談の上で使用を検討することが大切です。
術後ケアの徹底管理
移植した毛髪のフォローのためには、術後のケアが極めて重要です。
以下を意識的に行いケアをすることで植毛の成功へつなげましょう。
| 期間 | 注意事項 | 対処法 |
|---|---|---|
| 術後24時間 | 移植部位を濡らさない | 頭を高くして休息 |
| 2〜7日目 | 優しい洗髪のみ | 低水圧でのシャンプー |
| 1〜2週間 | 激しい運動を避ける | 軽いウォーキング程度 |
| 2〜4週間 | 帽子やヘルメットの着用注意 | 紫外線対策を重視 |
特に喫煙は血行を悪化させ生着率に悪影響を与える可能性があるため、最低でも術後1ヶ月間は禁煙することが望ましいでしょう。
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■AGA治療
| 薬品名 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 |
|---|---|---|---|---|---|
| ミノキシジル5mg | ¥3,080 | ¥6,160 | ¥8,316 | ¥15,400 | ¥30,492 |
| フィナステリド1mg | ¥4,730 | ¥9,460 | ¥12,771 | ¥23,650 | ¥46,827 |
| ミノキシジル5mg フィナステリド1mg |
¥7,700 | ¥15,400 | ¥20,790 | ¥38,500 | ¥76,230 |
※処方:医薬品のため、処方には医師の診療が必要です。診療は無料ですのでお気軽にご来院下さい。
※服用方法:1日1回少量の水で服用します。
※リスク・副作用:食欲減退・全身倦怠感(肝機能障害)・性欲減退・勃起機能不全・乳房障害・抑うつ症状
※処方にあたっては、事前に血液検査にて肝機能や腎機能などの状態を確認させていただく場合があります。医師が服用を中止したほうがよいと判断した際は、その指示に従っていただくことになります。
※服用中は、献血することができません。服用中止から1ヵ月以上経過していれば、献血が可能です(妊娠または妊娠している可能性のある婦人および授乳中の婦人の体内にフィナステリド・ディタステリド成分が入るのを防ぐためとされています)。
■自然植毛(FUE法)
| シェーブン法 | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 990円 | |
| ノンシェーブン法 | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 1,650円 |
詳しい情報を見る
植毛に関するよくある質問
植毛施術にはどのくらいの費用がかかりますか?
自毛植毛の費用は移植本数や施術方法によって大きく異なります。
一般的にFUE法は1グラフトあたり800〜1500円程度、FUT法では600〜1200円程度が相場とされています。
小規模な施術であれば60〜100万円、大規模な施術では150〜300万円程度になることが多いでしょう。
ただし費用はクリニックによって異なるので、施術を希望する際は費用について事前にしっかりと確認をしてください。
植毛施術はどのくらいの期間で効果を実感できますか?
効果を実感するまでの期間には個人差があります。
移植した毛髪は一時的に抜けるショックロスが起こる可能性があります。
その後、数ヶ月かけて徐々に生え始め定着していくと考えられます。
植毛で生えた毛髪はAGAで再度抜けることはありますか?
移植する毛髪は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部から採取します。
しかし、既存の毛髪はAGAの影響で薄毛が進行する可能性があるため、内服薬の併用が推奨される場合もあります。
【ミノキシジルに関する法的記載事項】
治療内容:主にAGA(男性型脱毛症)や薄毛治療において、頭皮や毛包への血流を増加させ栄養供給を改善し、毛髪の成長期を延長させることで発毛を促進します。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:5,000〜15,000円/月(処方量・製剤により変動)
主なリスク・副作用:動悸・頻脈、血圧低下・めまい、浮腫(むくみ)、体重増加、心不全の悪化、頭痛、倦怠感、吐き気、眠気
使用薬剤:Dongkwang MINOXIDIL Tab. 5mg(未承認薬)
※入手経路:Dongkwang Pharm. Co., Ltd.より医師が個人輸入しております。個人輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度について・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:現在、重大なリスクは報告されておりません。
【デュタステリドに関する法的記載事項】
治療内容:男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産生を抑制することで進行を遅らせます。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:6,000〜12,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、射精障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:デュタステリドは承認薬です。
【フィナステリドに関する法的記載事項】
治療内容:脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害し、薄毛の改善に効果が期待できます。
標準的治療期間・回数:3~6ヶ月
標準的な費用:5,000〜8,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:フィナステリドは承認薬です。
【植毛(シェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。シェーブン法では、ドナーとなる部分の毛髪を短く刈り上げて(シェービングして)から株を採取します。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:5~7回程度
標準的な費用:660,000〜1,980,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
【植毛(ノンシェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:6~8回程度
標準的な費用:935,000〜3,180,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
