植毛で前髪はどう変わる?施術手順と後悔しないための注意点
「前髪が薄くなって、額が広く見えるのが気になる」「生え際の後退をなんとかしたい」このような悩みを抱え、植毛を検討している方もいらっしゃるかもしれません。
前髪の植毛では、自分の毛髪を薄くなった部分に移植する自毛植毛などが検討され、自然な仕上がりが期待できる方法として知られています。
本記事では、前髪の植毛を検討している方に向けて、施術の具体的な手順から変化の過程、そして後悔しないために知っておくべき注意点まで詳しく解説します。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※本記事は2025年9月時点の情報をもとにまとめています。
※植毛は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
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前髪の植毛でどのような変化が期待できる?
前髪部分への植毛は、薄毛や生え際の後退が気になる方に選択されることが多い施術です。
施術により、額の広さが気にならなくなったり、前髪のスタイリングの幅が広がったりする変化を感じる方もいらっしゃいます。
自然なヘアラインの復活
前髪の植毛では、理想とする生え際のデザインに合わせてヘアラインを作り直すことを目指します。
医師とのカウンセリングで、顔の形やバランスを考慮しながら、ヘアラインのデザインを決定していきます。
適切なデザイン設計と自毛植毛の施術により、自然な仕上がりを目指すことができるのが植毛のメリットの一つです。
前髪のボリュームアップ効果
薄くなった前髪部分に毛髪を移植することで、全体的なボリュームの改善につながるとされています。
前髪植毛では基本的に自身の毛髪を植毛するため、成長とともに自然に増えていくように感じられる方もいるようです。
スタイリングの際も、これまでよりも思い通りの前髪を作りやすくなる可能性があります。
女性の前髪植毛における特徴
女性の前髪植毛では、一般的に、生え際を丸く、産毛を移植して自然なグラデーションを作ることで、柔らかく女性らしい印象を目指すことができます。
カウンセリングでは、普段のヘアスタイルや希望するイメージについて医師に詳しく相談することが重要です。
前髪植毛の施術手順は具体的にどのように進む?
前髪の植毛は、カウンセリングから術後のケアまで段階的に進みます。
事前に流れを知っておくと、安心して施術を受けられるでしょう。
カウンセリングとデザイン決定
最初のカウンセリングでは、あなたの悩みや希望について医師が詳しくヒアリングを行います。
その後、顔の形やバランス、カウンセリング時点の髪の状態を考慮して、ヘアラインのデザインを決定していきます。
このデザイン決定の段階で、仕上がりの印象が左右される可能性があるため、気になる点や不安があれば遠慮なく相談することが大切です。
術式の選択(FUE法・FUT法)
前髪の植毛には、おもにFUE法とFUT法という2つの術式があります。
FUE法は、後頭部から1つずつ毛根を採取する方法で、傷跡が小さく回復が早い傾向があるのが特徴です。(※1)
一方、FUT法は皮膚を帯状に切り取って毛根を採取する方法で、一度に大量の移植する毛髪を取得できるとされています。(※2)
| 術式 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| FUE法 | 毛根を1つずつ採取 | 傷跡が目立ちにくい・回復が早い傾向がある | 施術時間が長い・費用が高め |
| FUT法 | 皮膚を帯状に切り取り | 大量移植が可能・費用を抑えやすい | 線状の傷跡・回復期間が長め |
※1 参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16393599/
※2 参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6795649/
毛髪の採取と移植の実際
施術当日は、まず局所麻酔をかけ、後頭部から毛髪を採取します。採取した毛髪は細かく分けられ、移植用に準備されます。
その後、デザインに従って移植する前髪部位に小さな切開を作り、そこに毛髪を一本ずつていねいに移植していきます。
施術時間は移植する量で変わりますが、前髪の場合は3〜6時間程度が目安です。植毛後のダウンタイムと経過はどのように進む?
植毛後は、移植部位の腫れや赤みといったダウンタイムの症状が現れることがあります。
術後の経過を把握しておけば、回復期間に感じる不安を和らげることにつながるでしょう。
術直後から1週間の変化
施術直後は、移植部位に腫れや赤みが生じることがあります。
特に額の部分は腫れが目立ちやすいため、数日間は外出時に帽子を着用する方もいらっしゃいます。
術後48時間は移植部位を濡らさないよう注意し、洗髪は医師の指示に従って行うことが重要です。
腫れや赤みは徐々に改善していき、日常生活に支障が少なくなってきます。
1ヶ月から3ヶ月の経過
移植から1ヶ月程度経過すると、一時的に移植した髪が抜け落ちることがあります。
これは「ショックロス」と呼ばれる現象で、毛根は生きているため心配する必要はありません。(※)
3ヶ月頃から新しい髪が生え始め、徐々に前髪のボリュームを感じられるようになるでしょう。
※参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK547740/
6ヶ月から1年後の最終的な変化
移植から6ヶ月が経過すると、新しい髪が成長することも期待できます。そして1年後には移植したほとんどの髪が定着した状態になるといわれています。
この頃には、移植部位と既存の髪の境界も自然に馴染み、最終的な仕上がりを確認できる場合があります。
後悔しないために知っておくべき注意点とは?
前髪の植毛で満足のいく結果に近づくには、事前の準備とクリニック選びが大切です。
前髪植毛で後悔する原因を知り、適切な対策をとることで、満足できる結果に近づくことにつながるでしょう。
クリニック選びのポイント
植毛の技術は医師の経験と技術力に影響を受けるとされるため、実績豊富なクリニックを選ぶことが重要です。
カウンセリングの際は、過去の症例写真を見せてもらうなど、自身の目指す仕上がりに近い施術の経験があるかを確認するといいでしょう。
また医師がデザインについて詳しく説明し、あなたの希望をていねいに聞いてくれるかどうかも判断基準の一つになります。
そのほかにも、術後のアフターケアやフォロー体制についても事前に確認しておくことをおすすめします。
よくある失敗例と対策
前髪の植毛でよくある失敗として、不自然なヘアラインのデザインが挙げられます。
直線的すぎるヘアラインや、顔の形に合わないデザインは、人工的な印象を与える原因となることがあります。
- ヘアラインが不自然に直線的になってしまった
- 移植密度が不十分で薄い印象が残った
- 既存の髪との境界が目立ってしまった
- 思っていたよりもボリュームが少なかった
これらの失敗を避けるためには、カウンセリングで十分に時間をかけて相談し、納得できるまで質問することが大切です。
費用相場と適正価格の見極め
前髪の植毛費用は、移植する毛髪の量や術式によって異なります。
一般的に、前髪の部分的な植毛の場合、50万円から150万円程度の費用相場となることが多いようです。
また、FUE法はFUT法に比べて費用が高くなる傾向があるとされています。
複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用だけでなく技術力や信頼性を総合的に判断することをおすすめします。
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AND美容外科は、自毛植毛をはじめとした豊富な美容医療メニューをご用意しています。
AND美容外科は、医療の力で「短期間で結果を出す」ことをコンセプトに、さまざまな施術を提供しています。
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| 薬品名 | 1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 |
|---|---|---|---|---|---|
| ミノキシジル5mg | ¥3,080 | ¥6,160 | ¥8,316 | ¥15,400 | ¥30,492 |
| フィナステリド1mg | ¥4,730 | ¥9,460 | ¥12,771 | ¥23,650 | ¥46,827 |
| ミノキシジル5mg フィナステリド1mg |
¥7,700 | ¥15,400 | ¥20,790 | ¥38,500 | ¥76,230 |
※処方:医薬品のため、処方には医師の診療が必要です。診療は無料ですのでお気軽にご来院下さい。
※服用方法:1日1回少量の水で服用します。
※リスク・副作用:食欲減退・全身倦怠感(肝機能障害)・性欲減退・勃起機能不全・乳房障害・抑うつ症状
※処方にあたっては、事前に血液検査にて肝機能や腎機能などの状態を確認させていただく場合があります。医師が服用を中止したほうがよいと判断した際は、その指示に従っていただくことになります。
※服用中は、献血することができません。服用中止から1ヵ月以上経過していれば、献血が可能です(妊娠または妊娠している可能性のある婦人および授乳中の婦人の体内にフィナステリド・ディタステリド成分が入るのを防ぐためとされています)。
| シェーブン法 | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 990円 | |
| ノンシェーブン | 基本治療費用 | 220,000円 |
| グラフト費用 | 1,650円 |
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前髪植毛についてよくある質問
植毛後にヘアカラーやパーマはできますか?
移植した髪が十分に定着した後であれば、通常通りヘアカラーやパーマを楽しむことができるとされています。
ただし、施術後6ヶ月程度は頭皮が敏感になっている可能性があるため、医師に相談したうえで行うようにしましょう。
前髪の植毛に適した年齢層はありますか?
植毛は基本的に成人であれば施術可能とされていますが、薄毛の進行状況や原因によって適応年齢が異なる場合があります。
20代で施術を受ける方もいますが、将来的な薄毛の進行を考慮したデザイン設計が重要です。
前髪の植毛は何回で完了しますか?
1回の施術で満足される方もいれば、密度やデザインをより理想に近づけるために、2回目以降の施術を検討する方もいらっしゃいます。
医師と相談しながら、中長期的な視点で施術計画を立てたほうがいいでしょう。
【ミノキシジルに関する法的記載事項】
治療内容:主にAGA(男性型脱毛症)や薄毛治療において、頭皮や毛包への血流を増加させ栄養供給を改善し、毛髪の成長期を延長させることで発毛を促進します。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:5,000〜15,000円/月(処方量・製剤により変動)
主なリスク・副作用:動悸・頻脈、血圧低下・めまい、浮腫(むくみ)、体重増加、心不全の悪化、頭痛、倦怠感、吐き気、眠気
使用薬剤:Dongkwang MINOXIDIL Tab. 5mg(未承認薬)
※入手経路:Dongkwang Pharm. Co., Ltd.より医師が個人輸入しております。個人輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度について・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:現在、重大なリスクは報告されておりません。
【デュタステリドに関する法的記載事項】
治療内容:男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産生を抑制することで進行を遅らせます。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:6,000〜12,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、射精障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:デュタステリドは承認薬です。
【フィナステリドに関する法的記載事項】
治療内容:脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害し、薄毛の改善に効果が期待できます。
標準的治療期間・回数:3~6ヶ月
標準的な費用:5,000〜8,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:フィナステリドは承認薬です。
【植毛(シェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。シェーブン法では、ドナーとなる部分の毛髪を短く刈り上げて(シェービングして)から株を採取します。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:5~7回程度
標準的な費用:660,000〜1,980,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
【植毛(ノンシェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:6~8回程度
標準的な費用:935,000〜3,180,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
