にんにく鼻は美容整形などで変わる?施術前に知っておきたいポイントを解説
「鼻先が丸く横に広がった『にんにく鼻』が気になる」と悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
にんにく鼻は、一般的に鼻先が丸く小鼻が横に大きく膨れた形を指し、日本人の鼻の悩みの一つとされています。
この記事では、にんにく鼻の定義や原因から、美容整形によって変化を目指す方法、セルフケアで期待できることと限界まで、施術前に知っておくべき情報をまとめて解説します。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※本記事は2025年12月時点の情報をもとにまとめています。
※鼻の美容施術は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※鼻の美容施術に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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にんにく鼻って何?
にんにく鼻は鼻先が横に広がり丸みが強い形状を指します。
この名称は鼻の形状がにんにくに似ていることに由来し、多くの方が抱える鼻の形に関するお悩みの一つです。
にんにく鼻の定義や似た形との違いを知ることで、ご自身の鼻の状態をより正確に把握することにつながるでしょう。
にんにく鼻の特徴
にんにく鼻は、鼻先が丸く小鼻が横に大きく膨れて目立つことが主な特徴です。
鼻の高さが低めで皮膚や皮下脂肪が厚めである傾向があり、結果として鼻全体がぼてっとした存在感のある印象を与えてしまうケースがあるようです。
鼻を指で軽く押したときに皮膚に厚みを感じる場合も、にんにく鼻に現れやすい特性の一つといえるでしょう。
にんにく鼻とだんご鼻の違い
にんにく鼻とだんご鼻は、主な原因とされる構造に違いがあります。
- にんにく鼻:皮膚の厚みや鼻先の土台となる軟骨(鼻翼軟骨)が横方向に広がっていることが原因と考えられている。
- だんご鼻:脂肪や軟骨全体のボリュームが大きいことが原因と考えられている。
このような細かな違いを理解することが、施術の方法を選ぶ際の参考になるかもしれません。
美容施術で変化が期待できる部位と限界
にんにく鼻は美容施術によって変化が見られる場合がありますが、施術で対応できる部位と限界を把握しておくことが推奨されます。
施術で変化が期待できることのある主な部位は以下の通りです。
- 鼻先の丸み
- 小鼻の横幅
- 鼻先の高さや向き
しかし、鼻先の皮膚の厚みや基本的な骨格構造を大きく変えることには限界があります。
全てのお悩みを望み通りに変えられるわけではないことを知っておくと良いでしょう。
にんにく鼻の形になる原因は何?
にんにく鼻の形になるのは、複数の要因が組み合わさって作用していると考えられます。
原因を理解することで、ご自身に合った方法を選ぶ際のヒントになるでしょう。
ここでは、生まれつきの要因と生活習慣などの影響について解説します。
生まれつきの骨や軟骨の要因
にんにく鼻の主な原因の一つは、鼻翼軟骨と呼ばれる鼻先の土台となる軟骨組織が横方向に過度に発達していることです。
この軟骨部分は鼻の形状を形作る構造であり、その横方向への広がりがにんにく鼻の典型的な形状を生み出します。
鼻中隔(左右の鼻の穴を隔てる仕切り)が短い場合や鼻の全体的な構造が低い場合も、相対的に鼻先が丸く大きく見える原因となることがあります。
遺伝的要素や民族的特性も関係しており、日本人を含む東アジア人種でこのような鼻の形が多く見られるのは、このような生まれつきの背景があると考えられています。
脂肪やむくみなどの後から加わる要因
にんにく鼻の人は、鼻先の皮膚が厚い傾向があり、この皮膚の厚さが鼻全体に柔らかくぼてっとした印象を与える場合があります。
皮下脂肪が過剰に発達することも、特に鼻先部分に脂肪が溜まりやすくなる要因の一つです。
また、むくみが続く状態が慢性化すると、脂肪組織が硬くなることがあるため、生活習慣を見直すことが一定の役割を果たす場合があるかもしれません。
ただし、後から加わる要因だけでにんにく鼻が形成されるわけではなく、生まれつきの要因と組み合わさって現れることが多いでしょう。
生活習慣やクセによる影響
生活習慣やクセが直接的ににんにく鼻の形を作り出すわけではありませんが、生まれ持った状態を際立たせてしまうことはあり得ます。
例えば、以下のような習慣は皮膚や軟骨に刺激を与える可能性があります。
- 鼻を頻繁に触るクセ
- 強く鼻をかむ習慣
また塩分を摂りすぎる生活や睡眠不足は、顔全体のむくみを引き起こし、鼻の見た目に影響を与える場合があります。
ただし、これらの生活習慣を見直しても軟骨の構造的な問題は解決しないため、形そのものの変化を望む場合には、医療機関での相談も選択肢となるでしょう。
にんにく鼻の美容整形ではどのような方法があるの?
にんにく鼻の形を変えるための美容整形には、鼻のどの部分に変化を望むかによって、いくつかの方法があります。
それぞれの施術は、異なる鼻の構造的な問題に対応しているため、ご自身の状態や希望に応じて方法を選ぶことになるでしょう。
ここでは、にんにく鼻の形を整えるための主な施術方法を、アプローチの種類ごとに解説します。
鼻先を丸い印象から細く整える「鼻尖形成術」
「鼻尖形成術(びせんけいせいじゅつ)」は、丸い鼻先を細く整った形に近づけるための施術の一つです。
これは、鼻の土台である「鼻翼軟骨(びよくなんこつ)」を処理して、鼻先をシャープにする方法です。
鼻の穴の中を切開する「クローズ法」や、鼻の穴と鼻柱を切開する「オープン法」など、切開方法が複数あります。
どの方法が適しているかは、現在の鼻の状態や希望する変化の度合いによって異なるでしょう。
横に広がった小鼻を小さく見せる「小鼻縮小術」
「小鼻縮小術(こばなしゅくしょうじゅつ)」は、横に広がって見える小鼻の形を整えるための施術の一つです。
これは、にんにく鼻に見られる「小鼻の横幅が大きい」という悩みを持つ方の選択肢の一つと言えるでしょう。
小鼻の組織の一部を取り除き縫い合わせることで、鼻の横幅を小さく見せられる場合があります。
鼻先に高さと長さを加える「鼻中隔延長術・軟骨移植」
鼻先が低く、横に広がって見える場合に、鼻先に高さや長さを加えるアプローチが検討されることがあります。
「鼻中隔延長術(びちゅうかくえんちょうじゅつ)」は、鼻中隔(鼻の仕切り)に耳の軟骨などを移植し、鼻先を前や下に伸ばす施術の一つです。
これにより鼻先に高さが出ることで、相対的に横広がりを目立たなくなる可能性があります。
施術を受ける前の注意点
どの施術にも、一時的な体調の変化や望まない結果となるリスクがあるため、事前に十分に理解することが大切です。
施術後に起こる可能性がある主な変化には、以下のようなものが挙げられます。
- 一時的な腫れや赤み、内出血
- 切開を伴う施術では、感染症や傷跡が残る可能性
また、望んでいた結果と異なる形になる可能性も考えられます。
もし再施術が必要になった場合の費用や期間、医師との対応の範囲などを事前に確認しておくことが大切でしょう。
セルフケアはどこまで通用する?
にんにく鼻の形を整えたいと望む方の多くが、最初に自分でできる方法を検討されるかもしれません。
しかし、にんにく鼻の形は皮膚の厚みや軟骨の広がりといった生まれつきの構造的な問題による部分が大きいとされるため、自力だけで根本的に形を変えることは難しいでしょう。
セルフケアで期待できるとされる範囲を知っておくことが大切です。
小鼻のマッサージの進め方と注意点
セルフマッサージは、鼻周辺の血流を良くしたり、一時的にむくみを軽減させたりする効果は期待できます。
ただし、鼻先の形を決める基本的な軟骨の構造や皮膚の厚みそのものを変えることは、難しいと考えられるでしょう。
マッサージを行う際は、皮膚に負担をかけないように優しく行い、強い力で圧迫することは避けるよう注意が必要です。
強すぎるマッサージは皮膚や軟骨を傷つけることになり、かえって好ましくない影響を与える可能性も考えられます。
むくみ対策と生活習慣の見直し
塩分の過剰な摂取を控えたり、十分な睡眠をとったりすることで、顔全体のむくみを和らげることが期待できます。
また、適度な運動や水分摂取も血流を良くする助けになり、鼻のむくみを軽減する作用が期待できます。
ただし、これらの生活習慣の改善は、軟骨の構造的な問題の解決にはつながりにくいでしょう。
形そのものの根本的な変化を望む場合には、医療機関で相談してみることも一つの選択肢です。
メイクや影で目立たなくする工夫
メイクの技術を使うことで、鼻の見た目を一時的に調整できるかもしれません。
ハイライトを鼻筋に入れることで鼻を高く見せたり、シェーディング(影の色)で小鼻の横幅を狭く見せたりする方法があります。
ただし、当然ながらこれは視覚効果を利用したものに過ぎず、鼻の形そのものが変わるわけではないことを理解しておきましょう。
市販の補助グッズやサプリの限界
市販で販売されている鼻の形を整えるグッズやサプリメントの中には、その作用が科学的に裏付けられていないものもあります。
鼻の軟骨は、外部からの強い力や刺激だけで大幅に形を変えることが難しいため、これらのグッズに過度な期待を持つことは避けた方が良いかもしれません。
本格的に形を変えることを希望する場合は、医療機関での施術や整形を検討する必要があるでしょう。
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| 施術 | 金額 |
|---|---|
| 鼻プロテーゼ | 370,000円 |
| 小鼻縮小術(鼻翼縮小術) | 500,000円 |
| 鼻のヒアルロン酸注入 | 77,000円 |
| 鼻尖縮小術 | 320,000円 |
| 鼻中隔延長術 | 500,000円 |
| 耳介軟骨移植(鼻尖形成術) | 500,000円 |
※保険適用外の自由診療となります。
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※鼻プロテーゼ、小鼻縮小術(鼻翼縮小術)、鼻尖縮小術の価格は局所麻酔込みです。ご希望の際は、静脈麻酔(33,000円)もございます。
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にんにく鼻の美容施術についてよくある質問
施術後にメイクや仕事復帰はいつから可能になりますか?
施術の種類や、ご自身の体質によって復帰のタイミングは異なります。
多くの場合、腫れや内出血が落ち着くまでの数日間は、仕事や外出を控える方が多いようです。
メイクについては、施術部位を避けて行う分には翌日から可能な場合もありますが、患部に直接メイクができるようになるまでには、1週間程度かかることも考えられます。
具体的なスケジュールについては、施術を担当するクリニックに事前に確認しておくことをおすすめします。
美容整形にかかる費用とダウンタイムはどれくらいですか?
鼻の美容整形にかかる費用は、クリニックや施術の種類によって異なります。あくまでも目安としては、数十万円から、場合によっては百万円以上かかる場合もあるでしょう。
ダウンタイム(施術後の回復期間)は、施術の種類や個人の体質によって差がありますが、一般的には1週間から1ヶ月程度が目安となることがあります。
完全に自然な状態に落ち着くまでに3ヶ月から半年程度かかる場合もあるため、ゆとりを持った予定を組むことが大切です。
未成年や妊娠中でも施術は受けられますか?
未成年の方が施術を受ける場合は、保護者の方の同意が必要となるクリニックが多いでしょう。
妊娠中や授乳中の方は、ホルモンバランスの変化や麻酔の影響を考慮し、施術を控えることが推奨される場合が多いです。
ご自身の現在の健康状態について医師に正確に伝え、施術を受けるのに適切な時期を相談することが大切です。
【鼻プロテーゼに関する法的記載事項】
治療内容:鼻プロテーゼは、シリコンなどの人工物を鼻筋に入れ、鼻を高く通った形に整える手術です。
※オープン法・クローズ法を提供
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:370,000円
標準的な治療期間:1〜2週間程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
使用機器:SA・UN・SI は未承認機器です。
※入手経路等:韓国SUN MEDICAL社のものを医師が個人輸入しています。
個人購入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:韓国KFDA中国CFDA、ベトナムVFA、台湾TFDA、タイTFDA、インドネシアBPOMの認証を取得しています。
【鼻尖縮小術に関する法的記載事項】
治療内容:鼻尖縮小術は、丸みを帯びて広がった鼻先の軟骨や脂肪にアプローチして形を整える施術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:320,000円
標準的な治療期間:1〜3ヶ月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
【鼻翼縮小術に関する法的記載事項】
治療内容:鼻翼縮小術は、小鼻の広がりや鼻の穴の大きさをバランスよく整える施術です。
※オープン法・クローズ法を提供
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:500,000円
標準的な治療期間:1〜2週間程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
【鼻のヒアルロン酸注入に関する法的記載事項】
治療内容:ヒアルロン酸注入によって、鼻筋を自然に高く見せたり、鼻根や鼻先の形を整える施術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:77,000円
標準的な治療期間:数日程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
使用薬剤:ジュビダームビスタ ボラックスXC(承認薬)
【鼻中隔延長術に関する法的記載事項】
治療内容:鼻中隔延長術は、鼻の中心にある鼻中隔軟骨を延ばして、鼻先の高さ・角度・形を整える施術です。
※オープン法のみ提供
標準的な治療回数:2回(1週間後のタイミングで抜糸をします)
標準的な費用:500,000円
標準的な治療期間:3〜6ヶ月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
【耳介軟骨移植(鼻尖形成術)に関する法的記載事項】
治療内容:耳介軟骨移植は、耳の軟骨を採取し、鼻先へ移植させる手術です。鼻先を高くしたり、前に出すことで鼻の形を整える施術です。
※オープン法・クローズ法を提供
標準的な治療回数:2回(1週間後のタイミングで抜糸をします)
標準的な費用:500,000円
標準的な治療期間:3〜6ヶ月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・痛み・内出血・異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛
