薄毛に女性ホルモン投与は効果的?育毛の仕組みと注意すべきリスクを解説
「髪のボリュームが減ってきた気がする…」「分け目が前より目立つかも?」そんな髪の悩み、抱えていませんか?
女性の薄毛はデリケートな問題ですが、適切な知識を持つことが改善への第一歩です。
薄毛の改善方法として女性ホルモン投与がありますが、どのような変化が期待できるのか、どのようなリスクがあるのかを正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、薄毛と女性ホルモンの関係と施術の仕組み、知っておきたい副作用、そして女性ホルモン投与以外の選択肢について、詳しくご紹介します。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※本記事は2026年1月時点の情報をもとにまとめています。
※女性ホルモン投与や植毛は保険診療が適用されない自由診療です。
※記事内の金額は税込です。
※女性ホルモン投与や植毛に用いられる機器や薬の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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薄毛の原因と女性ホルモン投与の関係
薄毛の背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。そして、女性ホルモンも髪の成長に深く関わる要素の一つです。
ここでは、薄毛が起こる主な仕組みと、女性ホルモンがどのように髪の成長に影響を与える可能性があるのかを整理していきましょう。
薄毛が進行する主な原因
女性の薄毛は、一つの原因ではなく複数の要因が重なって起こることが多いとされています。
主な要因は、次のようなことが考えられます。
- 遺伝的な体質
- ホルモンバランスの変化
- 加齢
- 栄養不足
- ストレスや生活習慣の乱れ
特に、ホルモンバランスの変化は、若い世代から更年期にかけて髪の状態に影響を与える可能性があります。
女性の薄毛は、男性型脱毛症(AGA)とは異なる特徴があり「女性型脱毛症(FAGA)」と呼ばれることもあります。
FAGAは、頭皮全体や分け目が中心に薄くなることが多く、男性ホルモンの影響以外に、栄養状態やストレス、生活習慣など複数の要因が重なっているケースも少なくありません。
男性型脱毛症(AGA)と女性型脱毛症(FAGA)の違い
AGAとFAGAは、薄くなる部位や進行の仕方に違いがあるとされています。
| 前頭部、頭頂部(生え際の後退や地肌の露出) | 頭頂部全体(分け目の広がりや密度低下) | |
| 局所的に進行しやすい | 全体的にボリュームダウンしやすい | |
| 関与が強いとされる | 関与が明確でないケースも多い |
女性型脱毛症では男性ホルモンの関与が明確でないケースも多く、栄養状態や生活習慣、ストレスなど複数の要因が重なっている場合があります。
このため、女性ホルモン投与だけで改善が期待できるかは個人差があり、他の要因も含めた総合的に考えたほうがいいでしょう。
女性ホルモンの種類と髪への働き
女性の体には、主に「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2種類の女性ホルモンがあります。
このうち、薄毛との関連で注目されるのがエストロゲンです。
エストロゲンは、次のように毛髪の成長期を長く保つ方向に作用する可能性があると考えられています。
- 毛根の細胞に働きかけ、髪が太く、長く育つ期間(成長期)をサポート
- 男性ホルモンの作用を抑制し、毛根が縮小するのを防ぐ
エストロゲンは、髪を育てる上で心強い味方になってくれるといえるのです。
女性ホルモン投与は薄毛に効果がある?
女性ホルモン投与が薄毛に対してどの程度の変化が期待できるのか、整理していきます。
なお効果の現れ方には個人差があり、すべての方に同じ結果が期待できるわけではありません。
期待できる変化
女性ホルモン投与で期待できる主な変化は、「毛髪が細くなる過程の抑制」です。
投与によって体内のエストロゲン濃度が上がると、毛根の細胞が男性ホルモンの影響を受けにくくなる可能性があります。
この仕組みにより、髪が細く短くなるサイクルが抑えられ、髪のボリュームが維持されることが期待できるのです。
また毛髪の成長期が延びることで、全体的な髪の密度が改善される可能性も指摘されています。
しかし女性ホルモン投与による変化は限定的であるとされ、劇的な発毛は期待しづらい点を理解しておくことが大切です。
効果が現れるまでの期間の目安
施術を始めてから変化が見られるまでには、数ヶ月から半年程度かかる傾向があります。
髪には成長サイクル(休止期、成長期、退行期)があり、新しい毛髪が育つまでに時間がかかるためです。
焦らず、気長に経過を見守る姿勢が必要となります。
その他の施術との違い
女性の薄毛改善で用いられる主な施術法と、女性ホルモン投与の違いを表にまとめました。
| 毛髪の成長期を延ばす/男性ホルモンの影響抑制 | 更年期などホルモンバランスの乱れがある方 | |
| 血行促進、毛根への栄養供給サポート | 女性型脱毛症の方 |
これらの薬剤は、頭皮の状態に応じて単独で使用されたり、組み合わせて併用が検討されたりします。
主な副作用と注意点
女性ホルモン投与には、注意が必要なリスクも存在します。
特に指摘されている主なリスクは、次の通りです。
- 血栓症のリスク
- 乳がんや子宮内膜がんの発症リスクの上昇
- 心血管系への影響
特に、50歳以上の方や喫煙習慣がある方、過去に血栓症になったことがある方は、より注意が必要とされています。
また投与を中止すると、維持されていた髪のボリュームが再び減少する可能性があるため、継続的な投与が必要になるでしょう。
投与を開始する前には、血液検査やホルモン検査を行い、ご自身の体質やリスク要因を医師とともに確認することが大切です。
女性ホルモンで育毛が期待できない場合の対処法
女性ホルモン投与だけで十分な変化が得られない場合でも、諦める必要はありません。
他の方法を組み合わせることで、改善の可能性を探ることができます。
ここでは薬剤の変更や併用や頭皮への直接的な施術、生活習慣の見直しといった複数の選択肢をご紹介します。
薬剤の変更や併用
女性ホルモン投与で満足いく変化が得られない場合、「スピロノラクトン」の追加も検討されるでしょう。
これは男性ホルモンの働きを抑える作用があり、女性型脱毛症に対して使用されるケースがある薬です。
また頭皮に塗布するミノキシジル(外用薬)を併用することで、頭皮の血流を促進し、毛根への栄養供給をサポートする働きが期待できるでしょう。
これらの薬剤を組み合わせることで、単独使用よりも変化が現れる可能性はありますが、副作用のリスクも考慮し、医師とよく相談しましょう。
生活習慣の見直し
薬剤や施術だけでなく、日常生活の中でできる次のような対策も髪の健康をサポートする上で重要です。
- バランスの取れた食事:タンパク質、ビタミン、ミネラルを十分に摂取し、毛髪の成長に必要な栄養を届ける
- 適度な運動と十分な睡眠:ホルモンバランスの維持や血行促進に役立つ可能性がある
- ストレス管理:ストレスを溜め込まない工夫や、喫煙を控えることも頭皮環境を整えるのに役立つ
植毛という選択肢
薬剤や頭皮施術でも十分な変化が得られない場合は、植毛という選択肢も検討してみましょう。
植毛は、ご自身の健康な髪を薄毛が気になる部位に移植する方法で、長期的な変化が期待できます。
特に、広範囲にわたる薄毛や、他の施術の効果が限定的であった方に検討されることがあります。
ただし、植毛には費用や施術後のケアが必要となるため、メリットとデメリットを十分に理解した上で、慎重に判断することが大切です。
植毛はどんな方に向いている?
植毛は、薬剤や頭皮への施術では十分な変化が得られなかった場合に検討される選択肢です。
ここでは、植毛の主な方法とメリット・デメリット、どのような方に向いているのかを整理していきます。
植毛の主な方法と特徴
植毛には主に「FUE法」と「FUT法」の二つの方法があります。
- FUE法:後頭部や側頭部から毛根を一つずつ採取し、薄毛が気になる部位に移植する方法です。
この方法では広範囲の皮膚を切り取る必要がなく、施術後の傷跡が目立ちにくい傾向があります。 - FUT法:後頭部の皮膚を帯状に切り取り、そこから毛根を分離して移植する方法です。
FUT法では一度に多くの毛根を採取できるため、広範囲の薄毛に対応できる一方、施術後に線状の傷跡が残る可能性があります。
植毛のメリット・デメリット
植毛のメリットとしては、次のような点です。
- ご自身の髪を使用する
- 移植した毛根が定着すれば長期的に髪が生え続ける可能性がある
- 薬剤の継続的な使用が不要なので長期的なコストを抑えられる
一方デメリットとしては、次のような点があげられます。
- 施術に伴う費用が高額になる場合がある
- 施術後に一時的な腫れや痛みが生じる可能性がある
- 移植した毛根がすべて定着するとは限らない
- 施術後数ヶ月間は移植した髪が一度抜け落ちてから再び生えてくる過程があるため、変化が現れるまでに時間がかかる
植毛が向いている人・向かない人
植毛が向いているのは、次のような方です。
- 薬剤や頭皮施術で十分な変化が得られなかった方
- 広範囲にわたる薄毛に対応したい方
- 長期的な変化を望んでいる方
後頭部や側頭部に十分な毛根が残っている方は、移植に必要な毛根を確保できるため、植毛に適しているといえます。
一方、植毛が向かないのは次のような方です。
- 薄毛の進行が急速で安定していない方
- 全身的な健康状態が良好でない方
- 施術に伴う費用や時間を確保できない方
後頭部や側頭部の毛根が少ない方では、移植に必要な毛根を十分に採取できない可能性があるため、事前の診察で適応を慎重に判断することになります。
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※処方:医薬品のため、処方には医師の診療が必要です。診療は無料ですのでお気軽にご来院下さい。
※服用方法:1日1回少量の水で服用します。
※リスク・副作用:食欲減退・全身倦怠感(肝機能障害)・性欲減退・勃起機能不全・乳房障害・抑うつ症状
※処方にあたっては、事前に血液検査にて肝機能や腎機能などの状態を確認させていただく場合があります。医師が服用を中止したほうがよいと判断した際は、その指示に従っていただくことになります。
※服用中は、献血することができません。服用中止から1ヵ月以上経過していれば、献血が可能です(妊娠または妊娠している可能性のある婦人および授乳中の婦人の体内にフィナステリド・ディタステリド成分が入るのを防ぐためとされています)。
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薄毛改善の施術と女性ホルモン投与についてよくある質問
女性ホルモン投与について、よくある質問と回答を紹介します。
女性ホルモン投与は更年期以外の若い世代でも受けられる?
女性ホルモン投与は、主に更年期以降のホルモンバランスの変化による薄毛(FAGA)に対して検討される施術です。
ただし年齢に関わらず、ホルモン検査の結果などで体内のホルモンバランスの乱れが確認された場合には、医師の判断で適用されることがあります。
若い世代で薄毛が気になる場合は、まずは他の施術を優先して検討することが多いでしょう。
女性ホルモン投与の費用はどのくらいかかる?
女性ホルモン投与による薄毛改善は保険適用外の自由診療となるため、費用は全額自己負担となります。
施術内容や使用する薬剤の種類、投与量、通院頻度によって異なりますが、月数千円から数万円程度かかる場合があります。
初診時の検査費用や、併用する他の薬剤の費用が別途必要となるため、具体的な費用については、診察時に医療機関に確認するようにしましょう。
副作用として指摘されている血栓症はどのような症状で気づける?
血栓症は、女性ホルモン投与の重篤な副作用の一つとされています。
早期発見のためには以下の症状に注意が必要です。
- 片方の足のふくらはぎの急激な痛みや腫れ
- 突然の息切れや胸の痛み
- 激しい頭痛やめまい
- 見えにくいなどの視覚の異常
これらの症状が現れた場合はすぐに投与を中止し、医療機関を受診するようにしてください。
投与開始後の定期的な検査も、リスク管理のために大切です。
【ミノキシジルに関する法的記載事項】
治療内容:主にAGA(男性型脱毛症)や薄毛治療において、頭皮や毛包への血流を増加させ栄養供給を改善し、毛髪の成長期を延長させることで発毛を促進します。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:5,000〜15,000円/月(処方量・製剤により変動)
主なリスク・副作用:動悸・頻脈、血圧低下・めまい、浮腫(むくみ)、体重増加、心不全の悪化、頭痛、倦怠感、吐き気、眠気
使用薬剤:Dongkwang MINOXIDIL Tab. 5mg(未承認薬)
※入手経路:Dongkwang Pharm. Co., Ltd.より医師が個人輸入しております。個人輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度について・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:現在、重大なリスクは報告されておりません。
【デュタステリドに関する法的記載事項】
治療内容:男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産生を抑制することで進行を遅らせます。
標準的治療期間・回数:3~12ヶ月
標準的な費用:6,000〜12,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、射精障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:デュタステリドは承認薬です。
【フィナステリドに関する法的記載事項】
治療内容:脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害し、薄毛の改善に効果が期待できます。
標準的治療期間・回数:3~6ヶ月
標準的な費用:5,000〜8,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:フィナステリドは承認薬です。
【植毛(シェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。シェーブン法では、ドナーとなる部分の毛髪を短く刈り上げて(シェービングして)から株を採取します。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:5~7回程度
標準的な費用:660,000〜1,980,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
【植毛(ノンシェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:6~8回程度
標準的な費用:935,000〜3,180,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
