豊胸手術は授乳に影響する?施術方法別のリスクと注意点を解説
「豊胸手術を受けたいけれど、将来の授乳に影響が出ないか心配」「手術方法によって授乳へのリスクは変わるの?」このような不安を抱えている女性は多いのではないでしょうか。
この記事では、施術方法別の授乳への影響、リスクと対策、施術のタイミングなど、豊胸手術を検討する上で知っておきたい重要な情報をご紹介します。
※本記事は2025年10月時点の情報をもとにまとめています。
※豊胸手術は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※豊胸手術に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
九州大学附属病院 頭頸部外科 入局
久留米大学附属病院 形成外科 入局
済生会二日市病院 形成外科部長
リッツ美容外科 副院長
城本クリニック新宿院 院長
城本クリニック新宿院 非常勤勤務
Clean Beauty Clinic 東京院 院長 勤務
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豊胸手術は母乳育児に影響するって本当?
豊胸手術が授乳に与える影響は、手術の方法や個人の体質によって異なります。
手術の方法や体質によっては、いくつかのリスクがあることも事実ですが、適切な手術方法を選べば、授乳への影響は少ないと考えられます。
母乳と豊胸手術の関係性
適切な技術で豊胸手術が行われた場合、授乳に必要な乳腺や乳管の機能は基本的に保たれると考えられています。
母乳は乳腺組織で作られ、乳管を通って乳頭まで送られますが、現在の豊胸手術では乳腺や乳管に直接触れることなく施術できるため、授乳機能が維持される可能性が高いとされています。
ただし、施術方法や術者の技術、個人の解剖学的特徴によって結果は異なる場合もあります。そのため、「必ず授乳に支障が出ない」と断定できるわけではなく、授乳への影響を最小限に抑えるには、事前に医師と十分に相談することが推奨されます。
施術方法による影響度の違い
豊胸手術にはさまざまな方法があり、それぞれ授乳への影響度が異なります。
以下に主な施術方法とその特徴をまとめました。
| 施術法 | 授乳への影響・留意点 |
|---|---|
| 脂肪注入豊胸 | 授乳への影響は少ないとされ、乳腺を避けて注入する運用が案内されることがある |
| シリコンバッグ豊胸 | 授乳機能が保たれる例が報告されており、妊娠期の圧迫等への配慮が必要と案内される場合がある |
| ヒアルロン酸豊胸 | 影響は少ないとされる一方、注入層や手技により差が生じる可能性がある |
個人差と術前カウンセリングの重要性
豊胸手術の結果は個人差があり、同じ術式でも人により異なる経過をたどることがあります。
年齢、乳房の形状、皮膚の状態、将来の妊娠予定など、多くの要因が影響するためです。
医師との十分なカウンセリングにより、自身に合った施術方法を選択することが重要です。
また術前に将来の授乳計画について相談し、リスクとメリットを十分に検討するといいでしょう。
脂肪注入豊胸なら授乳への心配は不要?
脂肪注入による豊胸手術は、自身の脂肪を使うため、授乳機能への影響が少ないと考えられています。
脂肪注入豊胸の特徴
脂肪注入豊胸は、乳腺組織を避けて皮下脂肪層や乳腺下脂肪層に細かく脂肪を注入する方法です。
このため、母乳の産生や分泌に関わる乳管や乳頭への直接的な影響は少ないとされています。
自身の組織を使用するため、異物反応や拒絶反応のリスクも少なく、長期的なリスクの軽減が期待できるのが特徴です。
また、妊娠や出産による乳房の自然な変化にも順応しやすいでしょう。
妊娠・授乳期における脂肪注入部位の変化
注入した脂肪は、定着すると安定した状態を保ちます。
授乳で乳房のサイズが変わるのは、主に乳腺組織が大きくなるためなので、注入した脂肪への影響はありません。
そのため、授乳後に乳房が元のサイズに戻っても、注入した脂肪による効果は維持されることが多いです。
授乳期間中も、注入された脂肪が母乳の質や量に悪い影響を与えることは少ないと考えられています。
脂肪注入豊胸の注意点
脂肪注入豊胸には、いくつかの注意点があります。
注入技術が不適切な場合、しこりや石灰化が生じるリスクがあり、乳腺炎との判別が必要になるかもしれません。(※)
また、一度に大量の脂肪を注入することは難しく、目標とする形状を得るには複数回の施術が必要な場合があります。
熟練した医師による適切な手技と、術後の経過観察が重要です。
※参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37166041/
シリコンバッグ豊胸後の授乳で気をつけることは?
シリコンバッグ豊胸は一般的な豊胸手術の方法ですが、授乳時にはいくつかの注意点があります。
適切な管理により、授乳は可能とされていますが、リスクを理解しておくことが大切です。
バッグ挿入位置と授乳への影響
シリコンバッグを挿入する位置によって、授乳への影響が変わることがあります。
大胸筋の下にバッグを入れる場合は、乳腺から離れているため、授乳への影響は少ないと考えられています。
最近のシリコンバッグは体になじみやすいように工夫されていますが、母乳への影響については施術前に医師に確認するといいでしょう。
妊娠時の圧迫リスクと対策
シリコンバッグで豊胸手術を受けた後に妊娠すると、乳腺が大きくなることでバッグが圧迫される心配があります。
妊娠中は女性ホルモンの影響で乳腺組織が発達するため、すでに挿入されているバッグとの間で圧迫が生じる可能性があるのです。
特に大きなサイズのバッグを入れている場合、妊娠による乳腺の拡大とバッグの圧迫が重なり、痛みを感じることがあるでしょう。
この圧迫によって乳腺炎のリスクが高まることもあるため、注意深く経過を見ていくことが大切です。
授乳期の管理ポイント
シリコンバッグ豊胸後の授乳では、以下の点に注意が必要です。
| 管理項目 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 母乳の排出 | 頻回の授乳や搾乳で完全に排乳し、母乳のつまりを防ぐ |
| 授乳姿勢 | バッグの位置を考慮した快適なポジションを見つける |
| 症状の監視 | 発熱、発赤、腫脹などの乳腺炎症状を注意深く観察 |
| 医療連携 | 母乳外来や助産師などのサポートを受ける |
症状が現れた場合には速やかに医療機関を受診し、豊胸手術歴を正確に伝えることが重要です。
ヒアルロン酸豊胸は授乳に影響が少ないの?
ヒアルロン酸豊胸の授乳への影響について正しく理解しましょう。
適切な施術により影響を抑えることは可能とされていますが、注意点もあります。
ヒアルロン酸の生体適合性と授乳への影響
ヒアルロン酸はもともと体の中にある成分なので、体になじみやすいと考えられています。
乳腺や乳管を避けて適切に注入すれば、母乳の作られ方や質に直接影響することは少ないでしょう。
ヒアルロン酸は時間とともにに体内で分解・吸収される性質があるため、長期間の異物残存リスクも限定的とされています。(※)
しかし、注入する場所や量によっては、乳管を圧迫したり詰まらせたりする可能性も考慮しておく必要があります。
※参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7804523/
妊娠・授乳期のヒアルロン酸への影響
妊娠中や授乳中はホルモンが変化するため、ヒアルロン酸が分解されやすくなることがあります。
エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンは、ヒアルロン酸の代謝に影響を与えると考えられています。
そのため、妊娠中に予想よりも早くヒアルロン酸が吸収されることもあるかもしれません。
授乳後には効果が薄れたり、左右の差が出たりすることもあるため、必要に応じてヒアルロン酸を再度注入を検討することもあります。
注入技術と医師選択の重要性
ヒアルロン酸による豊胸手術のリスクは、注入する医師の技術によって変わると考えられます。
経験豊富な医師が適切な量を設定し、乳管を避けて注入する場所を選ぶことが大切です。
もし技術が不十分だと、思わぬ場所にヒアルロン酸が移動したり、乳管に影響が出ることもあるかもしれません。
豊胸手術はいつ受けるのがベストタイミング?
豊胸手術のタイミングは、将来の妊娠・授乳計画に影響する可能性があります。
それぞれの状況に応じた適切な時期の選択が大切になってきます。
妊娠前に豊胸手術を受ける場合のメリットと注意点
妊娠前の豊胸手術には、以下のような特徴があります。
メリットとしては、早い時期から理想のバストラインを目指せることや、若い年齢での手術は術後の回復がしやすい傾向にあることです。
一方で、妊娠して乳腺が大きくなったときに圧迫を感じるリスクや、授乳中に乳腺炎になるリスクが高まることには注意が必要です。
将来の妊娠計画を十分に考えて、自身に合った手術方法とサイズを選ぶことが大切です。
授乳後に豊胸手術を受けるメリット
授乳後の豊胸手術には、以下のような特徴があります。
授乳が終わってから3〜6ヶ月経ち、乳房の状態が落ち着いた時期に手術を受けると、妊娠や授乳による乳房の垂れ下がりやしぼみを同時に改善できることもあります。
また、授乳への影響を心配することなく、理想のバストラインを目指せるのもメリットといえるでしょう。
個別化された施術計画の必要性
手術を受けるのに最適なタイミングは、人それぞれ異なります。
年齢や妊娠・出産の経験、将来の妊娠希望、現在の乳房の形、そして普段の生活スタイルなど、さまざまな点を考慮する必要があります。
医師と十分に話し合い、自分自身の考えや優先順位に合わせた手術計画を立ててもらうことが大切です
また、手術後の長期的なサポート体制についても含めて、総合的に検討するようにしましょう。
授乳期のトラブル対策はどのように行えばよい?
豊胸手術後に授乳する際は、きちんと管理し、予防策をとることで、トラブルを避けることができるでしょう。
何かあった時にすぐに対応し、医療機関へ相談することが、リスクを減らすことにつながります。
乳腺炎の予防と早期発見
豊胸手術後に授乳する際、乳腺炎には特に注意が必要です。
乳腺炎を防ぐためには、授乳や搾乳によって、母乳をしっかり出し切ることが大切です。
また、正しい授乳姿勢を身につけ、定期的に乳房をマッサージすることも予防につながります。
もし、乳房に痛みや赤み、腫れ、発熱などがある場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
母乳外来との連携体制
豊胸手術後に授乳をする際は、母乳外来の受診も検討しておくといいでしょう。
経験豊富な助産師から専門的な授乳指導を受けることで、豊胸後特有の授乳に関する悩みに対応しやすくなります。
例えば授乳姿勢の工夫や効果的な搾乳方法、乳房マッサージの仕方などを教えてもらうことで、トラブルを防げる可能性があります。
豊胸手術の詳しい情報を母乳外来のスタッフと共有し、より適切なケアを受けられるように準備しておくといいかもしれません。
緊急時の対応準備
授乳中にトラブルが起きた場合に備えて、事前に準備しておくことが大切です。
豊胸手術を受けた医療機関との連絡方法を確認し、緊急時の対応について聞いておきましょう。
また、豊胸手術に詳しい医師を紹介してもらえるかどうかも、前もって相談しておくとリスクを減らせます。
症状を記録する方法や、経過を見る上でのポイントについても、医療従事者からアドバイスをもらっておくと安心です。
豊胸手術についてよくある質問
豊胸手術後の妊娠で乳房サイズはどう変化しますか?
妊娠すると、乳腺が自然に発達して乳房全体が大きくなり、豊胸手術を受けた部分も含めてボリュームが増えることがあります。
授乳が終わると乳腺は元の状態に戻るため、乳房のサイズも妊娠前とほぼ同じに戻ることが一般的です。
ただし、皮膚が伸びたり、乳房の形が変わったりすることで、手術前とは見た目が異なる可能性もあります。
授乳中に乳房にしこりを感じた場合の対処法は?
授乳中にしこりを感じる場合、多くは母乳の滞りや乳腺炎が原因ですが、豊胸手術の経験がある方は慎重に判断する必要があります。
発熱や痛みを伴ったりする場合は、すぐに医療機関を受診し、豊胸手術の詳細を医師に伝えることが大切です。
自身で判断せず、専門の医師による適切な診察と検査を受けましょう。
豊胸手術から何年経過すれば授乳への影響は考えなくてよいですか?
授乳への影響という点では、豊胸手術後の経過年数よりも、手術に使用した材料や施術方法のほうが重要でしょう。
脂肪注入の場合は、脂肪が定着した後の影響は少ないとされていますが、シリコンバッグなどの場合は、何年経っても授乳時には注意が必要です。
手術を受けた医療機関で定期的に診察を受け、授乳の計画について相談しておくことが大切です。
授乳後に豊胸効果が減少した場合の対処法は?
授乳後に乳房の形が変わって豊胸効果が薄れたと感じる場合、再度手術を受けるという選択肢があります。
一般的には、授乳が終わってから3〜6ヶ月経ち、乳房の状態が落ち着いてから検討するのが良いでしょう。
初回の豊胸手術の手術方法や現在の乳房の状態を考慮して、自身に合った手術方法について医師と相談してみてください。
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▪️豊胸の料金(1回あたり)
| 施術 | 金額 |
|---|---|
| 脂肪注入豊胸 (100ccあたり) |
275,000円 |
| ヒアルロン酸豊胸 | 440,000~715,000円 |
| シリコンバッグ豊胸 | 1,265,000円 |
※保険適用外の自由診療となります。
※税込価格での記載です。
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【脂肪注入豊胸に関する法的記載事項】
治療内容:自分の脂肪を採取して胸に注入し、バストアップや形の改善を行う豊胸術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:275,000円(100ccあたり)
標準的な治療期間:数日〜1週間程度(ダウンタイムを含む)
主なリスク:腫れ・内出血・脂肪壊死・脂肪塞栓・左右差・知覚変化
【ヒアルロン酸豊胸に関する法的記載事項】
治療内容:ヒアルロン酸を胸に直接注入して、バストのボリュームや形を整える豊胸術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:440,000~715,000円
標準的な治療期間:約1〜3か月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・内出血・脂肪壊死・脂肪塞栓・左右差・吸引部の凹凸・知覚変化
【シリコンバッグ豊胸に関する法的記載事項】
治療内容:シリコン製のインプラント(バッグ)を胸の中に挿入して、バストのサイズアップや形の改善を行う豊胸術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:1,265,000円
標準的な治療期間:約2週間〜3か月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・内出血・痛み・被膜拘縮・左右差・知覚変化
