豊胸のシリコンは一生もつの?交換時期と知っておくべきリスク
「豊胸手術を受けたいけど、シリコンって本当に一生持つの?」
「将来的に交換が必要になったらどうしよう」
そんな不安を感じている女性は多いのではないでしょうか。
豊胸手術におけるシリコンバッグについて、FDA(米国食品医薬品局)によると平均寿命は10年とされています。
しかし、必ずしも10年ごとに交換が必要というわけではなく、個人差や使用状況によって大きく異なります。
この記事では、豊胸シリコンの実際の寿命や交換が必要になるケース、知っておくべきリスクについて詳しく解説していきます。
正確な情報を知ることで、将来への不安を軽減し、適切な判断ができるようになるでしょう。
九州大学附属病院 頭頸部外科 入局
久留米大学附属病院 形成外科 入局
済生会二日市病院 形成外科部長
リッツ美容外科 副院長
城本クリニック新宿院 院長
城本クリニック新宿院 非常勤勤務
Clean Beauty Clinic 東京院 院長 勤務
※本記事は2025年10月時点の情報をもとにまとめています。
※豊胸手術は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※豊胸施術に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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豊胸のシリコンバッグは本当に一生もつの?
豊胸手術を検討している方の多くが気になるのが、シリコンバッグの寿命についてでしょう。
結論から申し上げると、シリコンバッグが一生持つことは難しいとされています。
FDA(米国食品医薬品局)のデータによると、豊胸インプラントの平均寿命は約10年とされており、11年以内には少なくとも片方が破損するリスクが高まるとの報告があります(※)。
※参考:https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/what-know-about-breast-implants
シリコンバッグの実際の耐用年数
一般的に、シリコンバッグの耐用年数の目安は10年、15年とも言われています。ただし、厚生労働省や日本医師会、日本整形外科学会からは、具体的な見解は発表されていません。
また、この数字は平均値であり、実際には個人差が生じます。
現代の高凝集シリコンジェルは従来の製品と比較して耐久性が向上しており、10年以上経過しても問題なく使用できるケースもあるとされています。
破損や劣化がない限りは必ずしも交換の必要がないというのが現在の見解です。
豊胸シリコン検診を定期的に受けることで、適切なタイミングでの判断が期待できるでしょう。
「10年で必ず交換」は誤解?
「豊胸シリコンは10年ごとに交換しなければならない」という情報を耳にしたことはありませんか。
しかし、これは必ずしも正確ではありません。
FDAも後に「10年毎の再手術は必須ではない」とアップデートを発表しており、定期的な検査によって状態を確認することの方が重要とされています(※)。
シリコンバッグの寿命は使用環境や個人の体質によって異なるため、画一的な交換時期を設定することは適切ではないようです。
※参考:https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/what-know-about-breast-implants
現在のシリコンバッグの技術向上
豊胸手術で使用されるシリコンバッグは、技術の進歩により改良されています。
万が一、シリコンバッグが破損しても内容物のシリコンジェルが周囲に流れ出さない高凝集シリコンが開発されたことにより、バッグ破損や合併症のリスクは軽減されたと言えるのではないでしょうか。
また、カプセル拘縮のリスクが少しでも軽減できるよう、表面の質感や形状の改良も進んでいます。
豊胸シリコンの安全性は、これらの技術向上に支えられていると言えるでしょう。
シリコンバッグの交換が必要になるのはどんなとき?
シリコンバッグの交換が必要になるケースは、おもに破損や合併症が発生した場合です。
すべてのケースで交換が必要になるわけではありませんが、以下のような症状や問題が生じた際には専門医への相談が必要になります。
シリコンバッグ破損の症状と対処法
シリコンバッグ破損は、豊胸シリコン交換時期を決める重要な要因のひとつです。
破損の兆候には以下のような症状があります。
- 急な乳房の皮膚のくぼみ
- 皮膚の一部の赤み
- しこりの出現
- 乳房の柔らかさの変化
- 乳房が小さくなった感覚
- 形の歪みや非対称性
特に注意が必要なのは、サイレント破損と呼ばれる自覚症状のない破損です。
米国の研究では約10%の女性で無症状のシリコンバッグ破裂が発生しているという報告もあり、エコー検査でのみ発見可能な場合があります(※)。
※:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8687613/
カプセル拘縮による交換の必要性
カプセル拘縮は豊胸シリコントラブルの中でも発生しやすい合併症とされています(※)。
体がシリコンバッグを異物として認識し、周囲に厚い被膜(カプセル)を形成することで起こります。
軽度の場合は経過観察ですむこともありますが、以下の症状が現れた場合は交換を検討する必要があるでしょう。
- 乳房の硬化と痛み
- 見た目の不自然さ
- 左右の非対称性
- 触感の違和感
適切なマッサージによりカプセル拘縮などの豊胸シリコンリスクを軽減できる場合もありますが、程度によっては豊胸シリコンの再手術が必要になることもあります。
※参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11842228/
その他の合併症と豊胸シリコン抜去が必要なケース
豊胸シリコン感染や豊胸シリコン石灰化など、その他の合併症が発生することもあります。
感染が起こった場合、抗生物質での対応が困難な場合にはシリコンバッグの一時的な抜去が必要になることもあります。
また、長期間の使用により豊胸シリコンの劣化や変形が起こる可能性もあるでしょう。
これらの症状は個人差が見られ、定期的な専門医による診察が早期発見の鍵となります。
豊胸シリコンのメンテナンスはどのように行う?
豊胸手術後の適切なメンテナンスは、シリコンバッグを長く安全に維持するために大切になってきます。
定期的な検査と日常的なケアを組み合わせることで、多くの豊胸シリコントラブルを予防することが期待できます。
定期検診の重要性と頻度
豊胸シリコンの定期検診は、手術後の長期的な不安軽減のために大切です。
一般的な検診スケジュールは以下の通りです。
- 手術後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月
- その後は年1回の定期検診
- 1年目以降の定期検診ではエコー検査やCTを含む詳細な検査が必須
- 異常を感じた場合はいつでも受診
エコー検査やCTによる定期的なチェックにより、シリコンバッグの変形や破損の早期発見が期待できます。特にサイレント破損の発見には、専門的な画像診断が重要な役割を果たすでしょう。
マンモグラフィー(乳がんX線検査)は断られる場合があるので、検査前にバッグが入っていることを伝えましょう。
日常的なセルフチェックの方法
定期検診に加えて、日常的なセルフチェックも豊胸手術のメンテナンスには重要です。
月に1回程度、以下の点を確認することをおすすめします。
- 両胸の大きさや形の変化
- 触感や硬さの変化
- 皮膚の色や質感の変化
- 痛みや違和感の有無
異常を感じた場合は、豊胸シリコン検査を早めに受けることをおすすめします。
自己判断せず、専門医に相談することで適切な対応につながるでしょう。
適切なマッサージとアフターケア
医師の指導のもとで行う適切なマッサージやアフターケアは、豊胸シリコンのメンテナンスにおいて重要です。特に、カプセル拘縮の予防に役立つでしょう。
ただし、間違った方法でのマッサージはかえってリスクを高める場合もあるため、必ず専門医の指導を受けましょう。
また、激しい運動や外傷を避けることも、シリコンバッグの保護には重要な要素となります。
日常生活での注意点についても、手術を受けたクリニックで詳しい説明を受けるようにしましょう。
豊胸シリコンの交換にかかる費用はどのくらい?
豊胸シリコンの交換や抜去を検討する際、多くの方が気になるのが豊胸シリコン費用です。
手術の内容や使用するシリコンバッグの種類、クリニックによって費用は異なります。
シリコンバッグ交換の費用相場
シリコンバッグの交換手術の費用は、一般的に以下の範囲となっています。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| シリコンバッグ交換 | 30万円〜80万円 |
| カプセル拘縮の修正を含む場合 | 40万円〜100万円 ※他院での豊胸手術で難しい症例の場合は加算費用が生じる場合もあり |
| 豊胸シリコン抜去のみ | 20万円〜50万円 |
これらの費用には、手術費用、麻酔費用、術後の検診費用などが含まれることが一般的です。
ただし、クリニックによって費用体系が異なるため、事前に詳細な見積もりを確認することが重要です。
保険適用の可能性と条件
豊胸手術は基本的に自由診療となりますが、一部のケースでは保険適用の可能性があります。
保険適用が認められる可能性があるケースには以下があります。
- 感染や炎症により医学的に抜去が必要な場合
- 破損による健康への影響が認められる場合
- カプセル拘縮による日常生活への支障が著しい場合
ただし、保険適用の判断は医師の診断と保険者の判断によるため、事前に確認が必要です。
長期的な費用計画の考え方
豊胸手術を検討する際は、初回の手術費用だけではなく、長期的な維持費用も考慮することが重要です。
定期検診費用や将来的な交換費用を含めて、老後まで見据えた費用計画を立てることをおすすめします。
また、万が一のトラブルに備えて、ある程度の予備費用を準備しておくことも必要となるでしょう。
費用面での不安がある場合は、医療ローンやクリニックの分割支払制度の利用も検討できます。
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▪️豊胸の料金(1回あたり)
| 施術 | 金額 |
|---|---|
| 脂肪注入豊胸 (100ccあたり) |
275,000円 |
| ヒアルロン酸豊胸 | 440,000~715,000円 |
| シリコンバッグ豊胸 | 1,265,000円 |
※保険適用外の自由診療となります。
※税込価格での記載です。
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シリコン豊胸についてよくある質問
シリコン豊胸についてよくある質問にお答えします。
豊胸シリコンは何歳まで入れたままでいられる?
豊胸シリコンに明確な年齢制限はありませんが、加齢による体の変化を考慮する必要があります。
年齢を重ねることで皮膚の弾力が低下し、シリコンバッグの位置が変化する可能性があります。
また、将来的に必要となる可能性のある医療検査(MRIなど)への影響も考慮すべき要因となります。
妊娠・授乳への影響はある?
豊胸シリコンは、基本的に妊娠や授乳に直接的な影響を与えることは少ないとされています。ただし、全くトラブルがないわけではありません(※)。
妊娠による乳房の変化により、シリコンバッグの位置や見た目に変化が生じる可能性もあります。
妊娠を計画している場合は、事前に専門医に相談することをおすすめします。
※参考:https://www.midwife.or.jp/user/media/midwife/page/guilde-line/tab01/nyusenen_guideline_2020_2.pdf
MRI検査は受けられる?
豊胸シリコンが入っていてもMRI検査は受けることができるとされています。
むしろ、シリコンバッグの状態確認のためにMRI検査が推奨される場合もあります。
検査前には必ず豊胸手術の履歴を医師に伝え、適切な撮像方法で検査を受けるようにしましょう。
古いタイプのシリコンバッグの交換は必要ですか?
古いタイプのシリコンバッグを使用している場合、現在の高凝集シリコンへの交換が必須ではありませんが、検討の余地はあるでしょう。
特に生理食塩水バッグや古いタイプのシリコンジェルバッグを使用している場合は、専門医との相談をおすすめします。
ただし、現在問題が生じていない場合は、緊急的な交換が必要というわけではないでしょう。
【脂肪注入豊胸に関する法的記載事項】
治療内容:自分の脂肪を採取して胸に注入し、バストアップや形の改善を行う豊胸術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:275,000円(100ccあたり)
標準的な治療期間:治療期間:数日〜1週間程度(ダウンタイムを含む)
主なリスク:腫れ・内出血・脂肪壊死・脂肪塞栓・左右差・知覚変化
【ヒアルロン酸豊胸に関する法的記載事項】
治療内容:ヒアルロン酸を胸に直接注入して、バストのボリュームや形を整える豊胸術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:440,000~715,000円
標準的な治療期間:約1〜3か月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・内出血・脂肪壊死・脂肪塞栓・左右差・吸引部の凹凸・知覚変化
【シリコンバッグ豊胸に関する法的記載事項】
治療内容:シリコン製のインプラント(バッグ)を胸の中に挿入して、バストのサイズアップや形の改善を行う豊胸術です。
標準的な治療回数:1回
標準的な費用:1,265,000円
標準的な治療期間:約2週間〜3か月程度(ダウンタイムを含みます)
主なリスク:腫れ・内出血・痛み・被膜拘縮・左右差・知覚変化
