AGA治療の副作用は本当に危険?知っておきたい症状と対策法
「AGA治療を始めたいけど、副作用が怖くて踏み出せない…」そんな不安を抱えていませんか?
AGA治療では確かに副作用が報告されることがありますが、正確な情報を知れば不安を軽減して施術を検討できるでしょう。
本記事では、AGA治療を検討中の方に向けて、各施術薬の具体的な副作用の種類や適切な対処法まで、施術を継続するために知っておきたい知識をお伝えします。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※本記事は2025年11月時点の情報をもとにまとめています。
※AGA治療は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※AGA治療に用いられる機器や医薬品の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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AGA治療で起こり得る主な副作用にはどのようなものがある?
AGA治療を検討する際、どのような副作用が報告されているかを知っておくことは大切です。
ここでは主要な副作用について、種類ごとに詳しくご紹介しましょう。
性機能関連の副作用
フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬では、性機能に関する副作用が報告されています。
具体的には以下の症状が挙げられます。
- 性欲の減退
- 勃起機能の低下
- 射精障害
フィナステリドの臨床試験では、副作用の発生率が約4%であったことが確認されています。
初期脱毛(薬開始後の一時的な抜け毛)
服薬開始後、一時的に抜け毛が増える初期脱毛という現象が起こることがあります。
これは副作用ではなく、服薬の影響によって一時的に見られる現象と考えられています。
多毛症・体毛増加
ミノキシジル、特に内服タイプを使用した場合、全身の体毛が濃くなる多毛症が現れることがあるとされています。
ミノキシジルは血流を通じて全身の毛包に作用するため、頭髪だけでなく体毛の成長も促進する可能性があるのです。
頭皮・皮膚症状
外用ミノキシジルでは、適用部位の皮膚トラブルが報告されており、以下の症状が約8%の使用者に認められているという報告があります。
- そう痒感
- 発疹
- 発赤
- 乾燥
これらの症状は、ミノキシジル自体による刺激と製剤に含まれる溶剤に対するアレルギー反応の両方が原因となり得るとされています。
肝機能・腎機能への影響
フィナステリドやデュタステリドの使用により、ごく稀に肝機能障害が報告されていますが、薬剤との直接的な因果関係は明確ではありません。
症状としては以下が挙げられます。
- 倦怠感
- 食欲不振
- 黄疸
定期的な血液検査によって肝機能を確認することで、早期発見につながる可能性があります。
心血管系の症状
ミノキシジルは元来高血圧治療薬として開発されたため、血管拡張作用による循環器系への影響が現れることがあります。
以下の症状が報告されており、特に内服タイプでは注意が必要です。
- 頭痛
- めまい
- 動悸
- 血圧変動
外用薬の場合は全身への吸収が限定的とされますが、広範囲への塗布や損傷した皮膚への使用では吸収が増える可能性があります。
精神・神経症状
精神・神経に関連する副作用として、気分変化などが報告されています。
具体的には、フィナステリドの使用により稀に以下の抑うつ症状が報告されています。
- 気分の落ち込み
- 無気力
- 集中力の低下
ホルモンバランスの変化が気分に影響を与えることがあると考えられていますが、はっきりした原因はまだわかっていません。
既存の精神的ストレスやAGAによる心理的負担も影響する場合があります。
稀に見られる全身的な副作用
上記以外にも、まれに以下のような全身的な副作用が見られることがあります。
- アレルギー反応(蕁麻疹や呼吸困難)
- ホルモンバランス変化による乳房の圧痛や肥大
- 一時的な集中力の低下
症状は通常軽微で、使用を中止すれば改善すると言われています。
副作用の発症時期・可逆性はどうなっている?
副作用がいつ現れるのか、どの程度の頻度で起こるのか、そして改善する可能性はあるのかを知ることは施術継続の判断に役立ちます。
ここではこれらの重要なポイントについてご説明します。
発症のタイミング
多くの副作用は施術開始初期に現れる傾向があります。
性機能に関する症状や皮膚トラブルは、使用開始から数週間から数か月以内に認められることが多いとされています。
初期脱毛は通常、施術開始から1〜2か月後に始まり、3か月程度で自然に改善する傾向があります。
一方、肝機能への影響は長期使用により徐々に現れる場合もあるため、継続的な観察が推奨されます。
可逆性と長期的な影響の可能性
多くの副作用は使用を中止すれば改善する「可逆性(元に戻ること)を持つとされています。
特に性機能障害や皮膚症状は、中止後に回復する場合がほとんどと言われています。
ただし、デュタステリドは体内での半減期が長いため、中止後も一定期間症状が継続する可能性があるでしょう。
副作用が出たときの対応と施術方針はどうすればよい?
副作用が現れた場合、適切な対応を取ることで症状の悪化を防ぎ、施術を継続できる可能性があります。
ここでは具体的な対応方法についてご説明します。
まず取るべき初期対応
軽微な副作用が現れた場合、まずは症状の程度と生活への影響を考えることが大切です。
症状が軽度で日常生活に大きな支障がない場合は、経過を観察しながら使用を継続できる場合もあります。
ただし、症状が持続する場合や悪化する場合は、速やかに医師へ相談することが推奨されます。
自己判断で使用を中止せず、必ず医療機関へ連絡して指示を仰ぐことが重要です。
医師と相談する際の具体的対応
医師との相談の際は、まず副作用の具体的な症状、いつから始まったか、そして生活にどのような影響が出ているかを詳しく伝えることが大切です。
あなたの状況を正確に把握した上で、医師は今後の選択肢を検討します。
主な選択肢には、薬の量を調整(減量)したり、別の種類の薬に変更したり、治療を一時的に中断したりといった方法があります。
ご自身の治療への期待値や副作用への許容度も正直に伝え、代替治療や治療を中止した場合の見通しについても確認しておくとよいでしょう。
最終的に、施術の継続可能性とリスクを総合的に評価し、あなたの希望も考慮しながらより適切な方針が検討されることになるでしょう。
症状に応じた対処法と専門医との連携
副作用の症状が出た場合、まずは処方を受けたクリニックで対処を行いますが、症状によっては各分野の専門医と連携して、よりリスクに配慮した治療を目指します。
主治医と専門医が連携することで、万が一の場合も多角的な視点からあなたをサポートできる体制があることが重要です。
AGA治療ができない人、注意すべき特殊な状況とは?
AGA治療薬には使用できない方や、特別な配慮が必要とされる場合がある方がいます。
ここでは施術を受ける前に確認すべき重要な注意事項をご説明します。
女性・妊婦・授乳中の注意事項と禁止事項
フィナステリドとデュタステリドは、男性胎児の生殖器発育に影響を与える可能性があるため、妊娠中または妊娠の可能性がある女性には使用できないと言われています。
授乳中の安全性も確立されていないため、授乳中の女性への使用も推奨されていません。
女性がこれらの薬剤を服用する場合、施術期間中は確実な避妊が必要とされています。
ミノキシジル外用薬は女性でも使用可能とされますが、妊娠中の安全性は確立されていないため、使用前に医師へ相談することが重要です。
未成年・高齢者・既往症のある人への配慮
フィナステリドとデュタステリドは20歳未満の方への安全性が確認されていないため、使用は推奨されていません。
高齢の方では、肝機能や腎機能の低下により薬剤の体内蓄積が起こりやすく、より低用量からの開始が検討されます。
肝疾患、心疾患、糖尿病などの既往症がある方では、副作用のリスクが高まる可能性があります。
これらの方は、主治医と十分に相談した上で施術方針を決定することが推奨されます。
薬の相互作用と併用禁忌薬
AGA治療薬と他の薬剤との相互作用については、個別の薬剤により異なるとされています。
特に肝臓で代謝される薬剤を複数併用する場合、肝機能への負担が増える可能性があります。
また降圧薬を服用している方がミノキシジルを使用する場合、血圧が過度に低下する可能性があるため注意が必要です。
他の薬剤を服用している場合は、必ず医師に申告し、併用の可否について確認することが大切です。
副作用を避けて治療を続けるための日常での管理方法とは?
適切な日常管理により、副作用のリスクを軽減できる可能性があります。
ここでは、施術を継続するための実践的な方法をご紹介します。
服薬管理と生活習慣の見直しポイント
薬剤は決められた用量と用法を守って使用することが大切です。
効果を早く得たいからといって用量を増やすと、副作用のリスクが高まることがあるので避けましょう。
また、規則正しい生活習慣、バランスの取れた食事、適度な運動は、全身の健康状態を維持し副作用のリスクを軽減できる可能性があります。
飲酒は肝臓に負担をかけるため、過度な飲酒は控えることが推奨されます。
副作用を早期に発見する自己観察の方法
施術開始後は、自身の体調変化に注意を払うことが大切です。
性機能、気分、体調などの変化を日記に記録することで、微細な変化も見逃さずに対応できる可能性があります。
定期的に自己検診を行い、乳房の変化や皮膚症状などの異常を早期に発見することが推奨されます。
異常を感じた場合は、次回の診察を待たずに速やかに医療機関へ連絡することが重要です。
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AGA治療の副作用についてよくある質問
女性もAGAになることはありますか?
女性も男性ホルモンの影響による脱毛症を発症することがあり、これはFAGA(女性型脱毛症)と呼ばれています。
女性の場合は男性とは異なり、頭頂部を中心に全体的に髪が薄くなるびまん性の脱毛パターンを示すことが多い傾向があります。
更年期のホルモンバランスの変化が発症に関与することもあるため、気になる症状がある場合は専門医に相談することが望ましいでしょう。
飲酒・サウナ・筋トレは治療に影響しますか?
適度な運動は推奨されることがありますが、サウナや激しい運動の直後は一時的に血圧が変動しやすいです。
ミノキシジル内服中は立ちくらみや動悸が生じやすくなることがありますので、無理はなさらないでください。
大量の飲酒は肝機能への負担や睡眠の質の低下を通じて悪影響となり得ますので、控えめにしていただくことをおすすめします。
サプリや他の薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
一般的なビタミンやプロテインは、多くの場合で併用可能とされることがあります。
一方で、降圧薬とミノキシジル内服の併用は過度な血圧低下のリスクにご注意ください。
肝代謝に関わる薬剤を多剤併用されている場合は、フィナステリドやデュタステリドの影響評価が必要になるとされています。
ED治療薬は併用可能なケースが多いものの、動悸や血圧変動の自覚が強いときは服用タイミングをずらすなど調整が必要な場合があります。
いずれも必ず医師に併用状況をお伝えのうえでご判断ください。
