AGAが完治した人はいる?治療の現実と知るべき改善方法を解説
「AGAが完治した人っているの?」
AGAの施術で完治した人がいるのか、検討している方なら気になりますよね。
実は、現在の医学ではAGAを完全に治すことは難しいとされていますが、適切な施術で進行を止めたり見た目を改善したりすることは可能な場合があります。
この記事では、AGAの完治の現実と改善が期待できる方法を、医学的根拠とともにわかりやすく解説します。
早期の施術開始がどれほど重要なのか、どのような施術法が効果を期待できるのか、科学的根拠に基づいた情報をお届けします。
大阪大学皮膚科・形成外科
大阪警察病院形成外科勤務
愛媛大学医学部非常勤講師
インディアナ大学医学部解剖学講座講師
※本記事は2025年11月時点の情報をもとにまとめています。
※AGA治療は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※AGA治療に用いられる医薬品の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
AGAの基本知識
まずは、AGAの仕組みや進行の流れを正しく理解することが、適切な対応を選ぶ第一歩です。
ここではAGAの定義から発症のメカニズム、進行パターンまで基本的な知識を整理します。
そもそもAGAとは何か
AGA(Androgenetic Alopecia)は男性型脱毛症を指す医学用語です。
思春期以降に発症し、徐々に進行する脱毛症として日本皮膚科学会のガイドラインに位置づけられています。
AGAは遺伝的要因とホルモンの影響により発症する進行性の疾患とされ、完治は難しいとされる特性を持っています。
AGAになる原因
AGAは、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンが原因で起こるとされています。
このDHTが髪の毛の根元にくっつくと、髪の毛が成長するサイクルにブレーキがかかってしまうことがあります。
その結果、髪の毛が十分に育つ前に抜けてしまい、まだ細く短い状態のまま、通常より早く抜け落ちてしまうのです。
この過程が繰り返されると、髪の毛が作られる器官の毛包が縮小し、細く短い毛髪しか生えなくなるという変化が起こります。
AGAは「家族の体質」が関係することも多く、遺伝によってこの現象が起こりやすくなる傾向があります。
「完治した人」は実際にいるの?
多くの方が気になるのが、AGAが完治した例が実際に存在するのかという点です。
医学的見地からこの疑問に答えるとともに、完治が難しい理由について解説します。
完治の定義
まず「完治」という言葉の定義を明確にしていきましょう。
医学的には、疾患の原因が完全に取り除かれ、施術を中止しても症状が再び元の状態に戻らない場合を完治と呼びます。
しかし複数の医療機関から一致して示されている見解では、現時点で完全に治った例は確認されていないとされています。
AGAは進行性の脱毛症であり、薬や施術によって症状をコントロールすることは可能とされますが、遺伝的な原因そのものを取り除くことはできないためです。
そのため、施術の目的は「完治」ではなく、次のような状態を目指すことにあります。
- 現状の毛髪量を維持する
- 髪が細く柔らかくなってきた
- 進行を遅らせる
- 年齢相応の毛髪量に近づける
完治が難しい理由
AGAの完治が困難な理由は、AGAが引き起こされる原因と深く関係しています。
第一に、AGAの根本原因は遺伝にあり、遺伝子を後天的に変更することはできません。
第二に、年齢とともにAGAを引き起こすDHTが増加する生理的変化は避けられず、治療薬の使用を中断するとDHTの影響が再び現れます。
第三に、一度髪の毛を生成する器官である毛包が完全に消失すると、現在の医学では再生が難しいとされています。
治療薬の効果は継続使用している期間中のみ発揮されるため、施術を中断すると短期間で抜け毛が目立つようになる傾向があります。
施術で期待できる効果と限界は?
完治は難しくても、適切な施術により改善を報告するケースが多く見られます。
ここでは施術で期待できる現実的な効果と、その限界について詳しく見ていきます。
施術で得られる効果の種類
AGA治療で期待される主な変化には3つのタイプがあります。
- 進行を抑える効果: 現在の毛髪量を保ち、これ以上の薄毛を防ぐことを目的としています。AGAの進行を止めることが、まず最初の大切なステップです。
- 発毛を促す効果: 休止している毛包(もう生えていないように見える毛根)を刺激し、新たな髪の成長を促します。薬の作用によって、産毛のような細い毛が少しずつ太くなる場合もあります。
- 見た目を整える効果: 細く短くなった髪が太く長く育つことで、全体のボリューム感や密度が改善され、見た目の印象が変わることがあります。
ただし完全に失われた毛包を再生させることや、若い頃と全く同じ毛量・毛質に戻すことは現在の医学では困難とされています。
効果が出るまでの期間と評価方法
AGA治療の効果がわかるまでには一定の期間を要するとされています。
フィナステリドを服用開始してから変化を感じるまで、大半の方は6ヶ月から1年の継続服用が必要です。
施術効果は、治療期間の経過とともに徐々に向上する傾向にあり、長期にわたり継続することで、多くの方が変化を感じるという報告があります。
この段階的な改善パターンは、ヘアサイクルの正常化に時間を要することと関連しています。
効果の評価は、頭部写真の比較、抜け毛の本数確認、毛髪の太さ測定などの客観的指標で行われます。
施術中止後の経過
内服薬の服用を停止すると数ヶ月以内に元の状態に戻るケースが多いと報告されており、場合によっては施術開始前よりも薄毛が悪化して見えることもあります。
施術を中断している間も、髪の自然な抜け替わり(生え変わり)は続きます。
毛包に負荷がかかりすぎると、回復力が落ちた毛根は寿命を迎えやすくなり、後に施術を再開しても以前の毛量を取り戻せない可能性があるでしょう。
また、毛根には一定の生成回数(再生可能な回数に限界があるとする見方)があるという理論もあり、その観点からも、継続した施術を前提とすることが望ましいとする意見もあります。
主要なAGA治療法と特徴
現在のAGA治療には医学的根拠に基づいたさまざまな選択肢が存在します。
それぞれの施術法の特徴と、期待できる効果について詳しく解説します。
内服薬:フィナステリドの特徴と注意点
フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるDHTの生成を抑える内服薬です。
DHTは薄毛を進行させる原因の一つとされており、その働きを抑えることで抜け毛を防ぎます。
1日1回の服用で効果が期待できますが、服用をやめると再び薄毛が進行する可能性があり、継続的な服用が推奨される場合があります。
内服薬:デュタステリドの特徴と注意点
デュタステリドは、フィナステリドより広い範囲でDHTの生成を抑えることが期待される薬です。
フィナステリドで十分な効果が得られなかった方が検討するケースもあります。
ただし副作用や費用面を考慮して、医師と相談のうえ選ぶことが大切です。
外用薬:ミノキシジル(フォーム・液剤)の使い方
ミノキシジルは、頭皮の血流を促し、毛根を活性化して発毛を促す効果が期待される外用薬です。
市販品では1〜5%が一般的で、クリニックではより高濃度の製剤も使われることがあります。
1日2回、薄毛が気になる部分に塗布するのが一般的です。
注入療法の種類と効果
メソセラピーやHARG療法などは、発毛を促す成分を頭皮に直接注入する施術です。
薬だけでは改善しにくい部分にもアプローチできるとされています。
ただし複数回の施術が必要で、変化の現れ方には個人差があります。
自毛植毛
自毛植毛は、後頭部などから自分の毛を採取し、薄毛部分に移植する外科的な方法です。
移植した毛は再び生え続けるため、長期的な改善が期待できることがあります。
一方で費用は高額となる可能性があり、移植できる毛の数にも限りがあるとされるため、医師との十分な相談が必要です。
低出力レーザー・機器療法と市販育毛剤・サプリの位置づけ
低出力レーザーを使った施術は、自宅でも使える機器が増えているようです。
毛髪の密度が高まったという報告もありますが、効果には個人差があります。
市販の育毛剤やサプリメントは、医薬品ほどの効果は確認されていないものが多く、基本的には補助的に使うのがおすすめです。
生活習慣と予防対策
施術と並行して生活習慣を見直すことで、より良い結果につながる可能性があります。
日常生活でできる予防対策について具体的に解説します。
食事・運動・睡眠・ストレス管理の基本
バランスの取れた食事は、健康な毛髪の成長に必要な栄養素を供給することが期待されます。
タンパク質、ビタミン、ミネラル(特に亜鉛や鉄)を適切に摂取することが推奨されます。
適度な運動は血行を促進し、頭皮への栄養供給を改善する可能性があるでしょう。
十分な睡眠時間の確保は、成長ホルモンの分泌を促し、毛髪の健康維持に役立つ場合があります。
過度なストレスは休止期脱毛を引き起こす可能性があるため、適切なストレス管理も重要です。
日常のヘアケア(シャンプー・整髪・頭皮ケア)
頭皮を清潔に保つことは基本的なケアとして大切ですが、過度な洗髪は逆効果になる場合があります。
1日1回、適切な水温で優しく洗髪することが推奨されます。
シャンプーは頭皮に優しい成分のものを選び、すすぎ残しがないよう十分に洗い流すことが重要です。
ドライヤーの熱風を長時間当てすぎると頭皮や毛髪にダメージを与える可能性があるため、適度な距離と時間で使用します。
早期受診の重要性とセルフチェック方法
AGAの進行に早く気づくために、定期的なセルフチェックが役立つでしょう。
洗髪時の抜け毛の本数、枕についた抜け毛の量、生え際や頭頂部の状態などを観察します。
以前と比較して明らかに抜け毛が増えた、髪質が細く柔らかくなった、地肌が透けて見えるようになったなどの変化があれば、早めの相談が推奨されます。
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※処方:医薬品のため、処方には医師の診療が必要です。診療は無料ですのでお気軽にご来院下さい。
※服用方法:1日1回少量の水で服用します。
※リスク・副作用:食欲減退・全身倦怠感(肝機能障害)・性欲減退・勃起機能不全・乳房障害・抑うつ症状
※処方にあたっては、事前に血液検査にて肝機能や腎機能などの状態を確認させていただく場合があります。医師が服用を中止したほうがよいと判断した際は、その指示に従っていただくことになります。
※服用中は、献血することができません。服用中止から1ヵ月以上経過していれば、献血が可能です(妊娠または妊娠している可能性のある婦人および授乳中の婦人の体内にフィナステリド・ディタステリド成分が入るのを防ぐためとされています)。
詳しい情報を見る
AGAについてよくある質問
AGA治療中にパーマやカラーリングをしても問題ありませんか?
基本的には問題ないとされますが、外用薬(ミノキシジルなど)を使用している場合は、施術前後の使用を一時的に控える必要がある場合があるでしょう。
また、頭皮が敏感になっている可能性もあるため、美容師には治療中であることを伝え、パッチテストを行うことが推奨されます。
化学薬品による刺激が心配な場合は、担当医に事前相談してみましょう。
女性もAGAになることはありますか?
女性にもAGA(FAGA:Female AGA)が発症することがあります。
男性とは異なり、生え際の後退よりも頭頂部全体が薄くなるタイプの脱毛パターンを示すことが多い傾向があります。
女性の場合、男性とは施術法が異なる場合があるため、専門医による適切な診断と施術選択が重要です。
AGA治療の費用を抑える方法はありますか?
費用を抑えるためには、いくつかの方法が考えられます。
まず、ジェネリック医薬品(フィナステリドなど)を選択することで薬剤費を抑えられることがあります。
また、複数のクリニックで料金比較を行い、定期購入割引やまとめ買い割引を活用することも考えられるでしょう。
ただし、極端に安価な場合は品質に問題がある可能性もあるため、信頼できる医療機関での治療を前提に費用を検討することが重要です。
【ミノキシジルに関する法的記載事項】
治療内容:主にAGA(男性型脱毛症)や薄毛治療において、頭皮や毛包への血流を増加させ栄養供給を改善し、毛髪の成長期を延長させることで発毛を促進します。
標準的な治療期間・回数:効果実感まで 3〜6か月、明らかな改善には 6〜12か月以上の継続が必要です。
標準的な費用:5,000〜15,000円/月(処方量・製剤により変動)
主なリスク・副作用:動悸・頻脈、血圧低下・めまい、浮腫(むくみ)、体重増加、心不全の悪化、頭痛、倦怠感、吐き気、眠気
使用薬剤:Dongkwang MINOXIDIL Tab. 5mg(未承認薬)
※入手経路:Dongkwang Pharm. Co., Ltd.より医師が個人輸入しております。個人輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度について・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:現在、重大なリスクは報告されておりません。
【デュタステリドに関する法的記載事項】
治療内容:男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産生を抑制することで進行を遅らせます。
標準的な治療期間・回数:効果実感まで 6か月程度、改善のためには 12か月以上の継続が望ましいです。
標準的な費用:6,000〜12,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、射精障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:デュタステリドは承認薬です。
【フィナステリドに関する法的記載事項】
治療内容:脱毛を引き起こすジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害し、薄毛の改善に効果が期待できます。
標準的な治療期間・回数:効果実感まで:3〜6か月
標準的な費用:5,000〜8,000円/月
主なリスク・副作用:性欲減退、勃起機能障害、精子数減少(妊活中は注意)、乳房の張り・女性化乳房、肝機能障害、抑うつ気分、倦怠感、妊婦は薬剤への接触禁止(胎児への影響リスクあり)
使用薬剤:フィナステリドは承認薬です。
【植毛(シェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。シェーブン法では、ドナーとなる部分の毛髪を短く刈り上げて(シェービングして)から株を採取します。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:5~7回程度
標準的な費用:660,000〜1,980,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
【植毛(ノンシェーブン法)に関する法的記載事項】
治療内容:後頭部や側頭部の髪の毛を採取し、うす毛や抜け毛が気になる箇所に移植する手術です。
標準的な治療期間:12ヶ月程度
標準的な治療回数:6~8回程度
標準的な費用:935,000〜3,180,000円(税込)
主なリスク・副作用:腫れ・内出血、赤み・かさぶた、痛み・違和感、ショックロス(移植毛や周囲の毛の一時脱毛)、感染、瘢痕
※当院で使用するFUE SYSTEMは未承認機器です。
※入手経路等:当院で取り扱うFUE SYSTEMは国内販売代理店経由で入手しています。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。
