医療ダイエット

部分痩せはありえない?不可能とされる理由と医学的な解決策を解説

部分痩せはありえない?不可能?

「ぽっこりお腹を解消したい」「二の腕だけ細くしたい」と、思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

食事制限や運動によるダイエットでは、体全体の脂肪が減少していくため、特定の部位だけ痩せることはほぼ不可能とされています。

しかし、医学の分野では、部分痩せを可能とする治療方法も存在します。

この記事では、なぜ一般的なダイエットで部分痩せが不可能とされているのか、その理由を詳しく解説するとともに、部分痩せを実現するための解決策を探ります。

※本記事は2025年5月時点の情報をもとにまとめています。
※脂肪溶解注射は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※脂肪溶解注射に用いられる医薬品には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。

食事制限・運動によるダイエットで部分痩せは不可能

部分痩せができない理由

「部分痩せ」とは、ある部位の脂肪だけを選択的に減少させる、またはサイズダウンさせることを言います。

しかし、通常のダイエットによって、特定の部位だけ痩せることはできないと考えられています。

全身に蓄積された脂肪のうち、どの部位の脂肪を優先的に燃焼させるかを、人間がコントロールすることは困難だからです。

ダイエットで部分痩せできない主な理由として以下が挙げられます。

皮下脂肪は内臓脂肪よりも落ちにくい

皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の違い

脂肪には、内臓の周りに付く内臓脂肪と、皮膚の下に付く皮下脂肪の2種類があります。

ダイエットを始めると、まず減っていくのは燃焼されやすい内臓脂肪です。

一方、気になる部位に多い皮下脂肪は、体を衝撃や寒さから守る役割もあり、内臓脂肪に比べて落としにくい性質があります。

筋トレで筋肉量は増えるが直接的に脂肪を減らす効果はない

筋トレは、筋肉量を増やし基礎代謝を向上させることで、長期的に脂肪燃焼を促進する効果があります。

特定の部位の筋肉を鍛えることで、引き締まった見た目になり、部分痩せしたように感じることもあるでしょう。

しかし、筋トレで特定の部位の脂肪だけを選択的に減らすことはできません

2015年に医学誌に掲載されたランダム化比較実験では、太り過ぎまたは肥満の女性40人を2つのグループに分け、1つのグループには食事制限のみ、もう1つのグループには食事制限に加え腹筋トレーニングも行わせました。

12週間のテスト終了時には、どちらのグループも体重だけでなく、腹部皮下脂肪やウエスト・ヒップのサイズにも減少が見られましたが、グループ間に統計上明らかな差は見られませんでした。

さらに、1,158人の男女を対象とした13件の研究結果のメタアナリシスでも、局所的な筋トレで部分的な脂肪減少は見られなかったと結論づけられています。

筋トレによる部分的な脂肪減少を示唆する論文も存在しますが、サンプルサイズが小さいことから医学的根拠としては不十分だと判断されているのが現状です。

有酸素運動で燃焼できる脂肪の部位は選べない

有酸素運動には脂肪を燃焼させる効果があり、1日20分以上の有酸素運動が推奨されています。

しかし、全身の脂肪がエネルギーとして利用されるため、気になる部位の脂肪だけをピンポイントで減らすことはできません

体脂肪にはエネルギー貯蔵庫の役割があり、運動によってエネルギー消費が増加すると、血流に乗って全身の脂肪酸が利用されます。

先に解説したとおり皮下脂肪よりも内臓脂肪のほうが燃焼しやすい傾向はありますが、どの部位の皮下脂肪から燃焼されるかをコントロールすることは困難と言えるでしょう。

脂肪がつきやすい場所や落としやすさは人により異なる

脂肪がつきやすい部位は、人によって異なります。これは、遺伝的要因や年齢、ホルモンバランスの影響を受けるためです。

例えば、皮下脂肪は全身に存在していますが、特に蓄積されやすい部位には個人差があります。上半身に脂肪がつきやすい人もいれば、下半身に脂肪がつきやすい人もいます。

さらに、脂肪が落ちる順番も人それぞれです。お腹や太もも、お尻の脂肪は落ちにくいといわれていますが、これはあくまで一般論であり、そうでない人もいます。

このように、脂肪がつきやすい場所や落ちやすさには個人差があるため、一般的なダイエットで特定の部位の脂肪だけを狙って落とすことは難しいのです。

マッサージで取れるのはむくみだけ

マッサージは、血液やリンパの流れを促進し、むくみを解消する効果が期待できます。

これにより、一時的に体がすっきりとし、部分的に細くなったように感じることがあります。

しかし、マッサージによって脂肪細胞そのものが減少するわけではないため、根本的な部分痩せにはつながりません

美容クリニックの医療痩身は部分痩せも可能な方法

部分痩せにおすすめの施術

一方、美容クリニックで行われる医療痩身施術では、特定の部位の脂肪細胞に直接アプローチできるため、部分痩せも可能です。

部分痩せに適した主な医療痩身施術は以下のとおりです。

脂肪冷却

脂肪冷却とは、脂肪が他の細胞に比べ高い温度(4℃)で凍る性質を利用し、脂肪だけを凍らせて体外への排出を促す施術です。

クールスカルプティング(アラガン社/米国)など「冷却による脂肪減少装置」としてFDA(米国食品医薬品局)や厚生労働省から承認を受けた機器もあります。

1回の施術でその部位の脂肪を平均20%減少できるとされ、施術後は日常生活に制限のないすぐに日常生活に戻れる手軽さが魅力です※。

しっかりと痩身効果を感じたい場合は、2〜3回施術を受けることをおすすめします。

※Chase D. Derrick, Sachin M. Shridharani, Justin M. Broyles.The Safety and Efficacy of Cryolipolysis: A Systematic Review of Available Literature, Aesthetic Surgery Journal, Volume 35, Issue 7, September/October 2015, 830–836. https://doi.org/10.1093/asj/sjv039

▼脂肪冷却の症例

脂肪冷却の症例写真
施術名:脂肪冷却
治療内容:脂肪細胞を冷却して破壊し、体外に排出することで部分痩せを目指す美容治療です。
標準的な費用:1部位(10cm×10cm)1回14,800円(税込)
施術箇所:太もも・腹
治療期間:4ヶ月
治療回数:3回
リスク・副作用:発赤、内出血、凍傷、痛み、感覚鈍麻、神経損傷が起こる可能性があります。
施術院:AND美容外科
※脂肪冷却は健康保険が適用されない自由診療です。
※効果には個人差があります。

脂肪溶解注射

脂肪溶解注射とは、脂肪細胞を溶かす薬剤を気になる部位に注射することで、その部位の脂肪を減少させる施術です。

薬剤に含まれるデオキシコール酸などの成分が脂肪細胞の細胞壁を溶解し、壊死した脂肪細胞は老廃物として1〜2週間程度かけて体外へ排出されます。

顔や二の腕といった小さな部位に適しており、施術時間も5〜10分程度と短時間で済むことがメリットです。

よりはっきりとした効果を目指す場合は、3〜5回程度の施術が必要となります。

脂肪吸引

脂肪吸引とは、皮膚を3〜5mm切開してカニューレと呼ばれる細い管を挿入し、皮下脂肪を直接吸引して物理的に除去する施術です。

お腹やお尻、太ももなど気になる部位の脂肪をピンポイントで吸引でき、一般的なダイエットに比べてリバウンドしにくい点が魅力です。

ただし、通常1〜3ヶ月程度のダウンタイムがあり、特に術後1週間程度は痛みや腫れ、内出血、むくみといった症状が見られます。

また、手術には麻酔による合併症や感染、出血、脂肪塞栓症、血栓症、臓器の損傷などのリスクを伴うため、経験豊富で技術力の高い医師を選ぶことが重要です。

部分痩せに関するよくある疑問

体の部位で一番痩せやすいのはどこ?

一般的には「肝臓から遠い部位ほど痩せやすい」とされ、ふくらはぎや腕、肩から痩せていく傾向があるといわれています。

しかし、実際は性別や年齢、遺伝的要因の影響も大きく、内臓脂肪が多い男性はお腹周りから、皮下脂肪が多い女性は全身の脂肪が緩やかに減っていくようです。

例えば、女子大学生142人を対象とした研究では、体幹部、腕部、脚部の順に体脂肪率が減少しやすかったことがわかっています。

ダイエットで一番痩せにくい部位はどこ?

ダイエットで痩せにくい部位は、太ももやお腹、お尻です。

お腹の場合、内臓脂肪は比較的落としやすいものの、皮下脂肪は一度ついたらなかなか落ちません。

また、女性はホルモンの影響で下半身に皮下脂肪がつきやすく、体重の増加とともに脂肪がたまりやすい部位でもあります。

これらの部位の脂肪をダイエットで落とすためには、継続的な食事制限や運動が不可欠です。

部分痩せならAND美容外科

一般的なダイエットでは難しいとされる部分痩せですが、美容クリニックの医療痩身施術では特定の部位の脂肪細胞に直接アプローチし、部分的なサイズダウンを目指すことが可能です。

AND美容外科は、医療の力で短期間で結果を出すことをコンセプトとして、脂肪冷却や脂肪溶解注射などの医療痩身施術を提供しています。

  • 脂肪冷却
  • 脂肪冷却の腿の施術シーン

    効率的に脂肪細胞を破壊できる脂肪冷却機器を採用し、無理なく部分痩せを目指せます。

    施術中の痛みにも配慮されており、麻酔の必要はありません。

    メスや麻酔を使用しないため、施術後はそのままお帰りいただけます。

    脂肪冷却は1部位1回1万4,800円です。

    通常、2ヶ月ごとに計2〜3回の施術をおすすめしています。

  • 脂肪溶解注射
  • デオキシコール酸を主成分とした「カベリン」と「Vライトソリューション)の2種類の脂肪溶解注射を提供しています。

    どちらの薬剤も脂肪を溶解する有効成分としてデオキシコール酸が0.5〜1.0%配合されているため、これまで脂肪溶解注射であまり効果を感じられなかった人にもおすすめです。

    脂肪溶解注射は1部位1回1万4,800円です。

    通常、1週間に1回のペースで、3〜5回の施術をおすすめしています。


カベリン Vライトソリューション
主成分 デオキシコール酸 デオキシコール酸
チロシン
アデノシンリン酸2ナトリウム
デオキシコール酸濃度 0.5% 1%
治療周期 1週間に1回 1週間〜10日間に1回

AND美容外科では、お悩みや目的を丁寧にヒアリングし、1人ひとりに合った部分痩せプランをご提案いたします。

カウンセリングは無料ですので、お気軽にご相談ください。

【脂肪冷却に関する法的記載事項】

治療内容:脂肪細胞を冷却して破壊し、体外に排出することで部分痩せを目指す美容治療です。
治療回数:1回(1部位10cm×10cm)
費用:14,800円(税込)
主なリスク・副作用:発赤、内出血、凍傷、痛み、感覚鈍麻、神経損傷が起こる可能性があります。

【脂肪溶解注射に関する法的記載事項】

治療内容:脂肪溶解注射とは、脂肪細胞を溶解し排出する効果が期待できる薬剤を注射する痩身施術です。
治療回数:1回
費用:14,800円(税込)
主なリスク・副作用:内出血、腫れ、色素沈着、しこりなどが一時的に起こることがあります。また、アレルギー反応や神経損傷などが起こる可能性があります。


<V Light Solution >

※使用機器:V Light Solutionは未承認機器・医薬品です。
※入手経路等:韓国KB Med社が製造したものを当院で個人輸入しています。
個人購入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は一般社団法人 偽造医薬品等情報センターのURLをご確認ください。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:以下の国で化粧品としての認証を取得しております。
・韓国(MFDS)、ヨーロッパ(CPNP)、ドバイ(UAE)、インドネシア(BPOM)


<カベリン>

※使用機器:カベリンは未承認機器・医薬品です。
※入手経路等:NEW FACE Laboratories社(韓国)が製造したものを当院で個人輸入しています。
個人購入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は一般社団法人 偽造医薬品等情報センターのURLをご確認ください。
※国内の承認医薬品等の有無:同一の成分や性能を有する国内承認医薬品等はありません。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。
当治療に用いる医薬品の主成分デオキシコール酸は、米国・FDA(アメリカ食品医薬品局)認証医薬品です。

【脂肪吸引に関する法的記載事項】

治療内容:カニューレと呼ばれる細い管を皮下に挿入し、余分な皮下脂肪を直接吸引・除去する美容医療の施術です。運動や食事制限では落としにくい部分の脂肪を物理的に除去できるため、即効性のある部分痩せ・ボディラインの引き締めが可能です。
治療回数:1回(1部位10cm×10cm)
費用:14,800円(税込)
主なリスク・副作用:内出血・腫れ・むくみ、皮膚のたるみ・凹凸、感染症、しこり・硬結、神経損傷・感覚異常、血腫・脂肪塞栓症、麻酔による合併症が起こる場合があります。

参考文献・URL

Kordi R, Dehghani S, Noormohammadpour P, Rostami M, Mansournia MA. Effect of abdominal resistance exercise on abdominal subcutaneous fat of obese women: a randomized controlled trial using ultrasound imaging assessments. J Manipulative Physiol Ther. 2015 Mar-Apr;38(3):203-9. doi: 10.1016/j.jmpt.2014.12.004. Epub 2015 Mar 10. PMID: 25766455.

Ramirez-Campillo, Rodrigo & Andrade, David & Clemente, Filipe & Afonso, José & Pérez Castilla, Alejandro & Gentil, Paulo. (2022). A proposed model to test the hypothesis of exercise-induced localized fat reduction (spot reduction), including a systematic review with meta-analysis. Human Movement. 23. 1-14. 10.5114/hm.2022.110373.

Paoli, A.; Casolo, A.; Saoncella, M.; Bertaggia, C.; Fantin, M.; Bianco, A.; Marcolin, G.; Moro, T. Effect of an Endurance and Strength Mixed Circuit Training on Regional Fat Thickness: The Quest for the “Spot Reduction”. Int. J. Environ. Res. Public Health 2021, 18, 3845. https://doi.org/10.3390/ijerph18073845

※1 Chase D. Derrick, Sachin M. Shridharani, Justin M. Broyles.The Safety and Efficacy of Cryolipolysis: A Systematic Review of Available Literature, Aesthetic Surgery Journal, Volume 35, Issue 7, September/October 2015, 830–836. https://doi.org/10.1093/asj/sjv039

参考:『脂肪吸引(リポサクション)』(日本形成外科学会)

参考:『脂肪吸引法|美容外科の手術』(日本美容外科学会 JSAPS)

弓桁亮介,角田直也,堀川浩之.日本人若年女性における体脂肪の増減の部位差.民族衛生,2015;81(3):75-81

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