矯正歯科・審美治療

マウスピース矯正は妊娠中でも大丈夫?始める前に押さえたい注意点

「妊娠がわかったけど、マウスピース矯正を続けても大丈夫かな?」
「赤ちゃんに影響はないの?」

マウスピース矯正中に妊娠した女性の多くが、このような不安を抱えています。

一般的に、妊娠中でもマウスピース矯正を継続することは可能とされています。

ただし、妊娠中特有の体調変化やホルモンバランスの影響を考慮した対応が必要となる場合があります。

この記事では、妊娠中のマウスピース矯正に関する注意点、実際の対処法について詳しく解説します。

監修者
AND美容外科 医師
根本 敦子
【経歴】
東京医科歯科大学歯学部付属病院にて臨床研修医
東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食機能構築学専攻生修了
医療法人社団世航会デンタルオフィス 分院長勤務
九段下スターデンタルクリニック 勤務
医療法人社団有心会クリア歯科モノリス院 勤務
南青山矯正歯科クリニック 院長

【資格】
インビザラインGo ディプロマ取得
スリーアイインプラント ディプロマ取得
Biotouch Japan dental lip course ディプロマ取得
terna japan ヒアルロン酸注入・ボツリヌス治療 ディプロマ取得

※本記事は2025年8月時点の情報をもとにまとめています。
※マウスピース矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※マウスピース矯正に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。

妊娠中でもマウスピース矯正は続けられるの?

妊娠中のマウスピース矯正について多く寄せられる質問が、継続の可否についてです。

医学的な観点から見ると、マウスピース矯正は妊娠中でも継続できる矯正方法とされています。

マウスピース矯正の装置自体は、母体や胎児に直接的な悪影響を与えることはないと考えられています。

マウスピース矯正が妊娠中も継続できる理由

マウスピース矯正が妊娠中でも可能とされるおもな理由は、装置の特性にあります。

従来のワイヤー矯正と違い、マウスピース矯正は取り外し可能な矯正装置であるという点はメリットとなるでしょう。

つわりなどで体調がすぐれない時期には、一時的にマウスピースを外すことができるため、妊婦さんの体調に合わせた柔軟な対応ができます。

また、マウスピース矯正装置の素材は医療用プラスチック製のため金属アレルギーの心配がありません。妊娠中のホルモンバランス変化で敏感になった口腔内に合った治療法の一つといえるでしょう。

医学的根拠に基づく安全性

マウスピース矯正は薬剤を使用せず、通院回数も少ないことから、妊娠中でも取り入れやすい施術法とされています。

また、マウスピース自体は、医療分野での使用実績があるプラスチックを使用しています。

ただし、個人の体調や妊娠の経過によって配慮すべき点があるため、必ず主治医との相談が必要です。

妊娠発覚後の対応方法

施術中に妊娠が発覚した場合でも、多くのケースでそのまま継続が可能といわれています。

まずは担当の歯科医師に妊娠の報告を行い、今後の施術計画について相談することが大切です。

歯科医師は妊娠の週数や体調を考慮して、装着時間の調整や通院スケジュールの見直しを提案してくれるでしょう。

必要に応じて産婦人科医との連携も取りながら、施術継続をサポートしてもらえます。

妊娠中にマウスピース矯正を始めるリスクはある?

妊娠中、新たにマウスピース矯正を開始する場合は、いくつか理解しておくべき注意点があります。

特に妊娠時期や体調を慎重に考慮した判断が求められるでしょう。

一般的に、マウスピース矯正を始めるなら安定期以降の開始が推奨されることが多く、妊娠初期の開始はリスクを伴う場合があります。

妊娠初期にマウスピース矯正を開始するリスク

妊娠初期(妊娠16週未満)は、胎児の重要な器官が形成される大切な時期です。

この時期はつわりなどの体調不良も起こりやすく、マウスピース矯正に限らず新しい歯科施術を開始するには向いていない時期と考えられています。

その大きな理由として、以下の2つが挙げられます。

  • レントゲン撮影のリスク
  • 抜歯する際の麻酔薬・痛み止めのリスク

マウスピース矯正の施術計画を立てる際には、これらの検査や処置が必要になるため、妊娠初期の開始は控えることが賢明でしょう。

レントゲン撮影のリスクと対策

マウスピース矯正を開始する前には、現在の歯並びや顎の状態を把握するためのレントゲン撮影が必要です。

妊娠中のレントゲン撮影は、胎児への放射線被曝のリスクが懸念されます。

特に妊娠初期の器官形成期には、放射線の影響を受けやすいとされているため、緊急性のない歯科施術でのレントゲン撮影は原則として控えるべきです。

どうしても撮影が必要な場合は、防護エプロンの使用や撮影部位の限定など、被曝量を抑える配慮が行われるのが一般的です。

抜歯で麻酔薬・痛み止めを使用するリスクと対応

マウスピース矯正では、歯列を整えるスペースを確保するために抜歯が必要になる場合があります。

妊娠中の抜歯は、麻酔薬や痛み止めの使用制限、感染リスクなどを考慮すると、緊急性がないケースではあまり推奨されません。特に、妊娠初期は避けるべきでしょう。

抜歯を伴うマウスピース矯正を希望する場合は、妊娠前に施術を開始するか、産後まで待つことが一般的でしょう。

非抜歯での施術が可能かどうかは、歯並びの状態によって判断されるため、事前の相談が重要になります。

つわり時期にマウスピース矯正を継続するコツは?

つわりの症状がある時期は、マウスピース矯正を継続するうえで困難な期間といえるでしょう。

しかし、対処法を知っていれば、つわり時期でも施術を続けることが可能な場合があります。

マウスピース矯正の取り外し可能という特性を活かした、柔軟な対応方法をご紹介します。

装着時間を一時的に短縮するなど調整

通常のマウスピース矯正では、1日20〜22時間の装着が推奨されています。

しかし、つわりで気分が悪い時期には、装着時間を一時的に短縮することが可能です。

吐き気が強い日は装着時間を15〜18時間程度に短縮し、体調の良い日は長めに装着するなど、つわりの症状に合わせて装着時間を調整する対応も可能です。

ただし、装着時間の大幅な短縮は施術の進行に影響するため、自分だけで判断せず必ず担当医師と相談のうえで調整することが大切です。

つわり症状を改善する口腔ケア

つわりがある時期でもマウスピース矯正を続けるために、日常でできる工夫や口腔ケアがあります。

  • 食事の前後にマウスピースを一時的に外す
  • 小さめの歯ブラシでていねいに清掃する
  • 歯磨き粉の量を減らして刺激を軽減する
  • 洗口液やデンタルフロスを活用し清潔を維持しつつにおい対策
  • 夜間装着が難しい場合は日中の装着時間を延ばす

その日の体調に応じて柔軟に調整し、1日トータルでの装着時間を意識しましょう。

口腔トラブルの予防にも、無理なくできる範囲で取り入れることが大切です。

妊娠中特有の口腔トラブルと対策法は?

妊娠中はホルモンバランスの変化により、口腔内にさまざまなトラブルが起こりやすくなります。

これらのトラブルは、マウスピース矯正の継続にも影響を与えるため対策が必要です。

妊娠中特有の口腔問題を理解し、予防と対処法を身につけることで、スムーズな施術が可能となるでしょう。

ホルモンバランス変動による歯茎の腫れ

妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンの分泌量が大きく変化します。

これらホルモンの影響で、歯茎が腫れやすくなったり出血しやすくなったりする場合があり、妊娠性歯肉炎と呼びます。

マウスピース装着時に歯茎の腫れがあると、装置が当たって痛みを感じることも。

このような症状が現れた場合は、無理に装着を続けず担当医師に相談しましょう。

妊娠性歯肉炎や虫歯の予防と対処

妊娠性歯肉炎は、おもに妊娠中期(16〜27週頃)に発症しやすく、歯磨き時の出血・腫れ・痛みなどの症状が見られます。

また、妊娠性歯肉炎と同じくホルモンバランスの乱れやつわりによる食生活の変化、口腔ケア不足で妊娠中は虫歯になりやすい傾向もあります。

妊娠性歯肉炎や虫歯は、以下の習慣を意識した日々のケアで予防できるでしょう。

  • ていねいな歯磨きを毎日欠かさず行う
  • デンタルフロスを使って歯間の清掃をする
  • マウスピースの装着前後に口腔清掃を徹底する
  • 装置自体も清潔に保つ
  • 必要に応じ、歯肉炎に効果のある洗口液や歯磨き粉を歯科医師の許可を得て使用する

予防と早期対処が歯や歯茎の健康維持につながるでしょう。

参考:『https://www.jacp.net/pdf/leaflet/leaflet_04.pdf

妊娠中の通院スケジュールはどう調整する?

妊娠中のマウスピース矯正では、通院スケジュールの調整が大切です。妊娠が進むにつれ体調や生活リズムが変化するため、柔軟な通院計画や施術の際の配慮、産科との連携がマウスピース矯正を継続可能にする鍵となるでしょう。

母体と胎児のことを考えた通院スケジュールや施術時の対策を担当医師と相談しながら組み立てましょう。

妊娠週数に応じた通院頻度

妊娠初期(〜15週)、妊娠中期(16〜27週)、妊娠後期(28週〜)に分け、体調に合わせた通院頻度の目安をまとめました。

  • 初期(〜15週)
    つわりなどの体調不良が起こりやすく体調が不安定な時期。通院は控える。
  • 中期(16〜27週)
    いわゆる安定期と呼ばれる時期で、初期の体調不良が改善し、通常通りの通院が可能。
  • 後期(28週〜)
    おなかが大きくなり移動の負担が大きくなるため、通院回数を減らし自宅ケア中心に。

妊娠期の通院は、週数や体調によって調整することが大切になります。無理のないスケジュールで進めることが、継続につながります。

妊娠後期の仰向け寝は要注意?仰臥位低血圧症候群への配慮

患者は仰向けとなり歯科施術を受けますが、おなかが大きくなった妊娠後期の妊婦には仰臥位低血圧症候群への配慮が必要となります。

仰臥位低血圧症候群とは、妊娠後期に仰向けで寝ることで大きくなった子宮が血管を圧迫し、血圧が急に下がって気分が悪くなる状態のことです。

マウスピース矯正の施術中に行うべき対策は以下の通りです。

  • 治療時間を短縮して負担を減らす
  • 診療中に体位をこまめに変える
  • 気分が悪いときは遠慮なく申し出る

不安を感じた場合は、無理をせず早めに医師に伝えましょう。

参考:『https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8164943/

歯科と産婦人科の担当医同士の連携が重要

妊娠中のマウスピース矯正では、歯科医師と産婦人科医の連携が重要な役割を果たします。

例えば、必要に応じて産婦人科医から施術許可が必要であったり、体調に関する情報を共有したりする場合があるからです。

特に妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症がある妊婦の場合は、より慎重な対応が求められます。

定期的な産婦人科検診の結果を歯科医師にも報告し、逆にマウスピース矯正の進行状況を産婦人科医にも伝えるなど、総合的な健康管理の一環として矯正施術を位置づけることが大切となるでしょう。

産後の施術再開はいつから可能?

妊娠中に施術を一時休止した場合や、出産後に新たに施術を始めたい場合、施術再開のタイミングはいつにしたらいいのでしょうか。

産後の体調回復や授乳の状況、育児との両立など、さまざまな要素を考慮して再開時期を決める必要があります。

無理をせず施術を再開することで、体への負担を抑えながら矯正を続けやすくなります。

再開時期は産後の体調回復を待ってから

一般的に、産後1〜2ヶ月程度は母体の回復期間と考えられています。

この期間中は、無理に施術を再開せず、体調が十分に回復してから開始するのがおすすめです。

帝王切開で出産の場合は、通常分娩よりも回復に時間がかかるため、さらに慎重な判断が求められます。

産後検診で母体の回復が確認された後に、マウスピース矯正の再開について歯科医師と相談するのが望ましいでしょう。

授乳期間中でも施術継続は可能?

マウスピース自体は母乳に影響を与えることはないので、授乳中のマウスピース矯正は基本的に継続できます。

ただし、授乳による睡眠不足や疲労で口腔ケアがおろそかになりがちなたため、出産後も継続してよりていねいなケアを心がけましょう。

また、授乳によって母体はカルシウム不足となり、骨密度の減少を抑える女性ホルモンの分泌も減少しているので、栄養バランスにも配慮しながら施術を進めることが大切です。

育児とマウスピース矯正を両立するための工夫

忙しい育児中でもマウスピース矯正を続けるためには、以下のような工夫が役立ちます。

  • 清掃やケアは短時間で効率的に行う
  • 複数のマウスピースをまとめて受け取る
  • オンライン相談を活用して通院負担を減らす
  • 家族の協力や自治体のサポートをフル活用し進める

いずれも担当の歯科医に相談することで取り入れられる工夫なので、忙しい育児中でも無理のない範囲で継続できるでしょう。

マウスピース矯正と妊娠中についてよくある質問

妊娠中のマウスピース矯正に関するよくある質問をまとめました。

妊娠中にマウスピースの痛み止めは使えますか?

妊娠中の痛み止めの使用は、制限されることがあります。

マウスピース矯正による軽度の痛みであれば、冷たいものを口に含んだり、一時的にマウスピースを外すなどの対処をおすすめします。

強い痛みが続く場合は、担当医師に相談し、妊娠中でもできる対応をお願いしましょう。

妊娠中にマウスピース矯正の費用は変わりますか?

一般的に、妊娠自体で追加費用が発生することはありません。

ただし、口内環境の悪化やスケジュール通りに矯正が進まないことによるマウスピースの再作製や検査、薬の処方が必要になった場合は、追加費用が発生する可能性があります。

施術開始前に、妊娠中の対応や費用に関するクリニックの方針を詳しく確認しておくことをおすすめします。

妊娠がわかったら、矯正歯科と産婦人科のどちらに先に相談すべきですか?

妊娠がわかったら、まず産婦人科医に妊娠の経過や体調について相談し、歯科治療に関する許可を得ることが重要です。

その後、その情報を担当の矯正歯科医に伝え、今後の矯正治療計画について話し合う流れがスムーズです。

両方の医師と密に連携を取ることで、安心して治療を進められるでしょう。

マウスピース矯正ならAND美容外科へ

AND美容外科は、マウスピース矯正をはじめとした豊富な歯列矯正メニューをご用意しています。

AND美容外科は、医療の力で「短期間で結果を出す」ことをコンセプトに、さまざまな施術を提供しています。

無料カウンセリングではていねいにお悩みや目標をうかがい、あなたに合ったマウスピース矯正メニューをご提案します。

カウンセリングのご予約は公式LINEにて24時間・365日受け付けています。

まずはお気軽にご相談ください。

■マウスピース矯正(税込)

項目 金額
インビザラインGo(片顎) 572,000円
インビザラインGo(両顎) 748,000円
初診料(カウンセリング) 5,500円
クリンチェック 44,000円
リテーナー(片顎) 44,000円
リテーナー(両顎) 88,000円
毎回の診察料 5,500円/回

※自由診療(保険適用外)・税込価格
※副作用・リスク:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数:2〜24回、治療期間:3ヶ月〜2年

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【マウスピース矯正に関する法的記載事項】

施術内容:マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正治療です。短期間での改善を目指せる「インビザラインGo」は、前歯の軽度な乱れやすき間など、特定の症状に対応したプログラムです。

標準的な治療回数:2〜24回
標準的な治療期間:3か月~2年(治療回数、期間には個人差があります)
標準的な費用:572,000〜841,500円
おもなリスク:副作用:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰

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