マウスピース矯正で保険適用できる例は?自由診療との違いも解説
「マウスピース矯正を始めたいけれど、高額になるのが心配…」「保険適用できるケースがあるって聞いたけど、本当なのかな?」
マウスピース矯正は一般的に自由診療となり、費用負担が大きくなりがちです。
しかし、特定の条件を満たす場合には保険適用となる可能性があります。
この記事では、マウスピース矯正で保険適用となる具体的な症例と条件、注意点について解説します。
東京医科歯科大学歯学部付属病院にて臨床研修医
東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食機能構築学専攻生修了
医療法人社団世航会デンタルオフィス 分院長勤務
九段下スターデンタルクリニック 勤務
医療法人社団有心会クリア歯科モノリス院 勤務
南青山矯正歯科クリニック 院長
【資格】
インビザラインGo ディプロマ取得
スリーアイインプラント ディプロマ取得
Biotouch Japan dental lip course ディプロマ取得
terna japan ヒアルロン酸注入・ボツリヌス治療 ディプロマ取得
※本記事は2025年8月時点の情報をもとにまとめています。
※マウスピース矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※マウスピースに用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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マウスピース矯正で保険適用されるケースは限定的?
マウスピース矯正が保険の対象になるのは、かなり限定されたケースです。
例えば、見た目を整えるための矯正や、軽度の歯並びの改善だけを目的とする場合は、基本的に自由診療となります。
ですが、特定の疾患や機能的な問題が原因で咬み合わせに異常があると診断された場合には、保険が適用される可能性があります。
※参考文献:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/dl/shidou_kansa_01.pdf
厚生労働省が定める保険適用条件とは
厚生労働省では、矯正施術において保険適用となる条件を明確に定めています。
これらの条件は主に先天性疾患や、生活に支障があるほどの問題が対象となっています。
「前歯のガタつきが気になる」「口元をきれいに整えたい」といった見た目・美容目的の矯正は、保険適用の対象外となることが基本です。
実際に保険が使えるかどうかは、専門の医師による詳しい診断や検査が必要になります。
※参考文献:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000922373.pdf
指定医療機関での診断が必要な理由
保険適用の矯正治療を受けるためには、どこの歯科医院でもよいというわけではありません。
保険適用のマウスピース矯正を受けるためには、厚生労働省が指定した医療機関での診断が必要です。
これらの医療機関は、特定の設備や専門医がいる必要があります。
指定医療機関のリストは、厚生労働省のウェブサイトで確認することが可能です。
59疾患リストの確認方法
厚生労働省では、矯正で保険適用となる59種類の疾患リストを公開しています。
このリストには、唇顎口蓋裂をはじめとする先天性疾患などが含まれていますが、自分の症状がリストに該当するかどうかは、専門医による診断で確認することがおすすめです。
見た目だけでは判断できない疾患も多いため、気になる症状がある場合は早めに相談することが重要です。
どのような症例なら保険適用が可能?
ここからは、保険適用が検討されやすい具体的な症例をいくつかご紹介します。
自己判断で保険適用を判断するのは難しいため、必ず専門医による診断を受けましょう。
顎変形症による外科手術前後の矯正
顎変形症は、顎の骨格に異常がある疾患です。この疾患による咬合異常に対して、外科手術が必要となることがあります。
外科手術を前提とした矯正施術では、マウスピース矯正でも保険適用が認められる場合もあります。
ただし、手術適応の判定には厳格な基準があり、美容目的では適用されません。
生まれつきの疾患に起因する場合
先天的に顎や口の構造に異常がある疾患では、咬み合わせに大きな影響を与えることがあります。
このような場合、矯正治療が機能的な改善を目的として行われるため、マウスピース矯正でも保険が適用されることがあります。
厚生労働省では全部で59種類の疾患リストを作成しており、これらに該当する場合は保険適用の対象となる可能性があるので、該当しそうな症状がある場合は、専門医に相談してみてください。
永久歯がうまくはえてこない場合
永久歯が正常に生えない「萌出不全(ほうしゅつふぜん)」も、保険が適用される可能性がある症例です。
たとえば、歯が骨の中に埋まっている「埋伏歯(まいふくし)」の場合、その歯を表に出すための外科処置(開窓術など)を行ったうえで、矯正治療を進めることがあります。
これらの症例では、単純な歯並びの問題ではなく、歯の萌出という生理的な機能に異常があることが判断基準の一つです。
自由診療との違いは何?
マウスピース矯正における保険適用と自由診療の違いについて理解しておきましょう。
費用や治療の進め方に違いがあるので、自分にとって適した選択肢は何かを見つけることができます。
費用負担の大きな違い
保険適用の場合、自己負担額は通常の医療費と同様に3割負担です。
一方、自由診療では施術費用の全額が自己負担となり、数十万円から百万円を超える場合もあります。
費用負担の違いは非常に大きく、保険適用の可否は経済的な影響が大きいポイントとなるでしょう。
ただし、保険適用の場合でも、検査費用や装置代などで一定の負担は発生する場合があります。
施術方法と装置の制限
保険適用の矯正では、使用できる装置や施術方法に制限がある場合があるので注意してください。
医学的な必要性が優先されるため、審美的な配慮は二の次になるケースも考えられます。
施術期間についても、保険適用の場合は医学的な基準に基づいて決定されることが多いです。
施術期間と通院頻度の違い
保険適用の矯正では、施術期間が医学的な必要性に基づき決定されます。
自由診療のように、お客様の希望に応じて期間を調整することは基本的には難しいです。
通院頻度についても、保険診療の基準に従って決められるため、自由度は限定的となるでしょう。
急いで施術を完了したい場合や、通院回数を減らしたい場合は、自由診療を選択することが推奨されます。
マウスピース矯正の注意点
マウスピース矯正をおこなう際にはいくつかの重要な注意点があります。
保険適用の可否を含めて、総合的に判断すること、そして事前の情報収集と医療機関選びが大切です。
専門医による診断の重要性
マウスピース矯正を検討する際は、必ず専門医による診断を受けることがおすすめです。
自己判断で保険適用の可否を決めることは難しいでしょう。
専門医による詳細な検査と診断により、より良い施術方法を選択できる可能性が高まります。
複数の医療機関で相談し、セカンドオピニオンを求めることも有効です。
医療機関選びのポイント
マウスピース矯正を受ける医療機関を選ぶ際は、以下のポイントを意識することが大切です。
- 厚生労働省指定の医療機関かどうか
- 施術実績や専門医の在籍状況
- 設備や院内環境の充実度
- 事前カウンセリングの内容
費用対効果を考慮した選択
マウスピース矯正では、費用対効果を総合的に考慮することが重要です。
保険適用の場合でも、制約があることを理解しておきましょう。
自由診療では費用は高額になりますが、選択肢が広がり、希望に応じた治療を受けられることもあります。
長期的な視点で、自分に合った選択肢を検討することが大切です。
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■マウスピース矯正(税込)
項目 | 金額 |
---|---|
インビザラインGo(片顎) | 572,000円 |
インビザラインGo(両顎) | 748,000円 |
初診料(カウンセリング) | 5,500円 |
クリンチェック | 44,000円 |
リテーナー(片顎) | 44,000円 |
リテーナー(両顎) | 88,000円 |
毎回の診察料 | 5,500円/回 |
※自由診療(保険適用外)・税込価格
※副作用・リスク:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数:2~24回、治療期間:3ヶ月~2年
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マウスピース矯正の保険適用についてよくある質問
保険適用の判定は、どこの歯科医院でも受けられますか?
厚生労働省が指定する「自立支援医療(育成医療・更生医療)指定医療機関」でのみ診断・施術が可能です。
一般の歯科医院では、保険適用の診断や施術は受けられないケースもあるため、事前に指定医療機関のリストを確認しておきましょう。
保険適用が認められた場合、自己負担額以外に追加費用は発生しますか?
矯正以外の施術や治療(虫歯治療など)が行われる際には、別途費用が発生する可能性があります。
また、交通費なども自己負担となりますので、事前に歯科医院で総額の概算などを事前に確認しておくと安心です。
マウスピース矯正で保険適用を希望する場合、どのような手続きが必要ですか?
まず指定医療機関で詳細な検査と診断を受け、ご自身の症例が厚生労働省の定める59疾患リストに該当するかどうかを確認します。
診断の結果、保険適用と判断された場合は、医療機関が発行する証明書などを添えて、自治体への申請手続きが必要となる場合があります。
詳細に関しては受診する医療機関で確認しましょう。
小児のマウスピース矯正は保険適用されやすいですか?
小児の場合でも、保険適用の条件は成人と同じです。厚生労働省が定める先天性疾患や機能的な問題がある場合に限られます。
成長期における顎の成長を考慮した施術が必要なケースでは、保険適用が検討されることもあります。
保険適用外の場合、費用を抑える方法はありますか?
保険適用外の自由診療となる場合でも、デンタルローンや分割払いを利用するなど、いくつかの費用を抑える方法が考えられます。
また、確定申告で医療費控除などを利用することで負担を軽減できるケースもあります。
複数のクリニックで提示される費用やプランを比較検討することも大切です。
【マウスピース矯正に関する法的記載事項】
施術内容:マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正治療です。短期間での改善を目指せる「インビザラインGo」は、前歯の軽度な乱れやすき間など、特定の症状に対応したプログラムです。
標準的な治療回数:2〜24回
標準的な治療期間:3か月~2年(治療回数、期間には個人差があります)
標準的な費用:572,000〜841,500円
主なリスク・副作用:歯肉の退縮や歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰