矯正歯科・審美治療

マウスピース矯正ができない例とは?こんな歯並びは要注意

「私の歯並びでもマウスピース矯正できるかな?」

「マウスピース矯正ができない歯並びの例はある?」

透明で目立ちにくいマウスピース矯正は、多くの方が注目している矯正法です。でも、すべての歯並びに合うわけではないのです。

たとえば、骨格に原因がある噛み合わせのずれや、歯並びが大きく乱れているようなケースでは、マウスピース矯正だけでは対応が難しいこともあるんです。

この記事では、マウスピース矯正ができない例や注意すべき歯並びについて詳しく解説し、あなたに合った施術を選択するために役立つ情報をお伝えします。

監修者
AND美容外科 医師
根本 敦子
【経歴】
東京医科歯科大学歯学部付属病院にて臨床研修医
東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食機能構築学専攻生修了
医療法人社団世航会デンタルオフィス 分院長勤務
九段下スターデンタルクリニック 勤務
医療法人社団有心会クリア歯科モノリス院 勤務
南青山矯正歯科クリニック 院長

【資格】
インビザラインGo ディプロマ取得
スリーアイインプラント ディプロマ取得
Biotouch Japan dental lip course ディプロマ取得
terna japan ヒアルロン酸注入・ボツリヌス治療 ディプロマ取得

※本記事は2025年8月時点の情報をもとにまとめています。
※マウスピース矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※マウスピース矯正に用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。

マウスピース矯正がうまくいかない理由と例は?

マウスピース矯正は多くのメリットがある一方で、物理的な限界や適応範囲に制約がある場合があります。

マウスピース矯正がどんな仕組みで、どんなことが難しいのかを知っておくと安心です。

マウスピース矯正がうまくいかない理由の例を紹介します。

マウスピース矯正の仕組みと限界

マウスピース矯正は、薄い透明なプラスチック製の装置を段階的に交換することで、歯を少しずつ移動させる施術法です。

しかし、歯を動かせる力には限界があるため、大きく歯を移動させたり、複雑な動きをさせたりすることには向いていない場合があります

特に、歯の根元を大きく動かすような移動や、歯を回転させる動きは難しい場合があると考えられています。

骨格的な問題がある場合

マウスピース矯正は、あくまで歯を動かすことに特化した治療法です。そのため、顎の骨格そのものに原因がある場合は、マウスピース矯正だけでは対応が難しいかもしれません。

たとえば、上の顎と下の顎の位置関係や大きさのバランスが大きくずれていると、歯を動かすだけでは根本的な改善が難しいことがあります。このような歯並びでは、外科的な矯正治療や、ワイヤー矯正と組み合わせた治療が必要になることがあります。

自己管理ができない場合

マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着時間が推奨されます。

もし装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が長くなったり、期待した効果が得られなかったりすることがあります。

また、定期的にマウスピースを交換したり、お口の中を清潔に保つお手入れを怠ってしまうと、虫歯や歯周病のリスクが高まることも。そのため、ご自身でのしっかりとした自己管理がとても大切になります。

歯並びがガタガタの場合

叢生(そうせい)とは、歯がガタガタに並んでいる状態のことで、日本人に比較的多い歯並びの一つです。

軽度から中程度の叢生であれば、マウスピース矯正でも対応できる場合があります。

しかし、重度の叢生や特に抜歯が必要なほどのガタつきがある場合は、マウスピース矯正だけでの対応は難しいケースが多いとされています。

大きな歯の移動が必要な場合

歯を大きく移動させる必要がある場合、マウスピース矯正では治療期間が長くなったり、期待通りの改善が見られなかったりすることもあります。

特に、歯を根元から大きく動かしたり、歯並び全体の幅を大幅に変えるような治療は難しい場合があります。

このような歯並びでは、より強い力で歯を動かせるワイヤー矯正が選択されることが多いでしょう。

大幅な噛み合わせの改善が必要な場合

上下の歯の噛み合わせが複雑に絡み合っている場合、マウスピース矯正だけでは精密な調整が難しいケースもあります。

特に、奥歯の噛み合わせを大きく変更する必要がある歯並びでは、ワイヤー矯正の方が適している場合があります。治療計画を立てる段階で、歯科医師による詳しい検査と判断がとても大切になります。

かみ合わせが悪い場合はマウスピース矯正の適応外?

骨格性不正咬合(顎の骨格自体に問題がある噛み合わせの異常)の場合は、マウスピース矯正の対象とならないことが多い歯並びです。

歯を動かすだけでは根本的な解決が難しいため、他の治療法を検討することをおすすめします。

マウスピース矯正の適応外となる例を紹介します。

前歯に隙間ができる骨格性開咬の場合

開咬(かいこう)とは、奥歯で噛んでも前歯に隙間ができてしまう噛み合わせの異常です。

歯並びの問題による開咬であればマウスピース矯正で改善できる場合もありますが、骨格に原因がある開咬では限界があると考えられています。重度の骨格性開咬では、外科的な矯正治療が必要になるケースが多いでしょう。

顎の前後の位置に問題がある場合

上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)が骨格的な要因による場合、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しいことがあります。

特に、大人の方の場合は骨格の成長が終わっているため、歯を動かすだけでは限界があると考えられています。このような歯並びでは、外科的な矯正治療や、ワイヤー矯正との組み合わせを検討することをおすすめします。

重度の過蓋咬合の場合

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上の前歯が下の前歯を深く覆い隠してしまう噛み合わせの異常です。

軽度から中程度の過蓋咬合であれば、マウスピース矯正でも対応できるケースもあります。

しかし、重度の過蓋咬合では、奥歯の位置を上げたり、前歯を内側に動かしたりする必要があり、マウスピース矯正では対応が難しいケースもあります。

口の中の状態によって矯正できないケース

歯並びの問題だけでなく、お口の中の健康状態やこれまでの病歴によっても、マウスピース矯正を受けられない場合があります。

特に歯周病や虫歯、インプラントの治療経験などは、治療の判断においてとても重要なポイントになります。

口の中の状態によって矯正できない例を紹介します。

歯周病が進行している場合

歯周病は歯を支える歯槽骨や歯茎に炎症が起こる疾患で、矯正施術の大きな障害となります。

歯周病が進行している状態で矯正施術を行うと、歯の移動により歯槽骨の破壊が進行してしまう可能性もあります。

重度の歯周病がある場合は、まず歯周病治療を行うことが優先されることが多いです。

虫歯が多い場合

もし虫歯がたくさんある場合は、マウスピース矯正を始める前に虫歯治療を終わらせておくことをおすすめします。

特に、神経の治療が必要な大きな虫歯や、被せ物の治療が必要な場合は、治療が終わるまでに時間がかかることがあります。また、虫歯治療で歯の形が変わると、マウスピースがぴったり合わなくなる可能性もあります。

インプラント施術がある場合

インプラントは骨に直接固定されているため、ご自身の歯のように矯正の力で動かすことはできません。

インプラントがたくさんある場合は、歯の移動に制約が生じ、マウスピース矯正だけでは改善が難しい可能性があります。インプラント治療の経験がある場合は、治療計画を立てる段階で慎重に検討する必要があります。

年齢や生活習慣でマウスピース矯正が難しいケース

マウスピース矯正には明確な年齢制限はないとされていますが、年齢や生活習慣によって、制限されることがあります。

特に、成長期のお子さんやご高齢の方、自己管理が難しい方では注意が必要です。

年齢や生活習慣でマウスピース矯正が難しい例を紹介します。

成長期の子供の場合

成長期のお子さんの場合、顎の成長も考慮した治療計画が必要になります。

マウスピース矯正は歯の移動に特化しているため、顎の成長をコントロールする必要がある場合には適していない場合があります。成長期のお子さんには、顎の成長を活用できる従来の矯正治療が適している場合もあるでしょう。

高齢者の場合

ご高齢の方の場合、若い方に比べて歯の移動速度が遅くなったり、歯周病のリスクが高まったりする可能性があります。

また、お口の中の状態が複雑で、たくさんの被せ物や、歯が抜けている部分がある場合は、マウスピース矯正の適応が難しいケースもあります。

ご高齢の方の場合は、全身の健康状態も考慮した治療計画が必要になります。

自己管理が難しい場合

マウスピース矯正は、ご自身による装着時間の管理が大切となります。

仕事や生活スタイルにより、1日20時間以上の装着時間を確保できない場合は難しいかもしれません。

また、定期的な装置の交換や口腔ケアを継続できない場合も、施術の効果に影響を与える可能性があります。

マウスピース矯正ができない場合の他の矯正方法

もしマウスピース矯正が難しいと診断された場合でも、さまざまな代替の治療法があります。それぞれの治療法には特徴があるので、ご自身に合った選択肢を検討することが大切です。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、昔からある矯正治療法で、幅広い歯並びに対応できるのが特徴です。

マウスピース矯正と比べて、より強い力で歯を動かすことができ、複雑な歯の移動も可能です。見た目が気になるという方には、歯の裏側に装置をつける裏側矯正や、白いブラケットを選ぶなど、目立ちにくい選択肢もありますよ。

外科的矯正施術

骨格性の不正咬合など、歯を動かすだけでは改善が難しい場合に適応される治療法です。

顎の骨を外科的に動かすことで、根本的な改善が期待できることがあります。手術を伴うため、全身の健康状態や年齢を考慮した上で、慎重に検討する必要があります。

部分矯正

もし全体的な矯正治療が難しい場合でも、気になる部分だけを改善する部分矯正という選択肢もあります。

たとえば、前歯だけの軽度な歯並びの乱れであれば、マウスピース矯正でも部分矯正が可能な場合があります。ただし、噛み合わせ全体に影響を与える可能性もあるため、慎重に検討することが大切です。

マウスピース矯正に必要な検査と診断

マウスピース矯正があなたに合うかどうかを正確に判断するためには、詳しい検査と診断が欠かせません。

歯科医師による専門的な評価を受けることで、あなたにぴったりの治療法を見つけることができるでしょう。

レントゲンやCT検査

レントゲンやCT検査を行うことで、歯の根っこの状態や顎の骨格を詳しく評価できます。

これらの検査結果から、骨格性の問題や、歯の移動に制約がある要因などを把握することが可能です。精密な画像診断を参考に、適切な治療計画を立てることがとても大切になります。

お口の中の検査と歯周病チェック

お口の中を詳しく検査して、歯周病の進行状況や虫歯があるかどうかを確認します。

歯周ポケットの深さや、歯の揺れ具合なども評価し、矯正治療を安全に行えるかを判断します。必要に応じて、歯周病治療や虫歯治療を先に進めることもあります。

噛み合わせの分析と治療計画

上下の歯の噛み合わせを詳しく分析し、治療のゴールと具体的な方法を決めていきます。

歯の模型を使った分析や、コンピューターによるシミュレーションを活用することもあります。

歯科医師とじっくり話し合い、ご自身の希望と実際の治療の可能性を考慮して、最善の治療計画を立てることが大切になります。

マウスピース矯正ならAND美容外科へ

AND美容外科は、マウスピース矯正をはじめとした豊富な矯正歯科・審美治療メニューをご用意しています。

AND美容外科は、医療の力で「短期間で結果を出す」ことをコンセプトに、さまざまな歯列矯正施術を提供しています。

無料カウンセリングでは丁寧にお悩みや目標をうかがい、あなたに合った方法をご提案します。

カウンセリングのご予約は公式LINEにて24時間・365日受け付けています。

まずはお気軽にご相談ください。

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■矯正歯科の価格
メニュー 本数・回数・内容 価格
インビザラインGo 片顎 572,000円
両顎 748,000円
初診料(カウンセリング) 5,500円
クリンチェック 44,000円
リテーナー 片顎 44,000円
両顎 88,000円
毎回の診察料 5,500円

※副作用・リスク:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数:2~24回、治療期間:3ヶ月~2年

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マウスピース矯正についてよくある質問

マウスピース矯正が難しいと言われたら諦めるべき?

マウスピース矯正が難しいと診断された場合でも、すぐに諦める必要はありません。

歯科医院によっては、診断や治療方針が異なることがあるため、別の視点からの診断や、別の治療プランを提案される可能性もあります。

複数の歯科医師の意見を聞くことで、より良い選択肢を見つけやすくなるでしょう。

マウスピース矯正で抜歯が必要になることはある?

重度の叢生や、顎の骨格的な問題がある場合には、抜歯が必要となることもあります。

抜歯が必要かどうかは、精密検査と歯科医師の総合的な判断によって決定されますので、まずはご相談ください。

ワイヤー矯正の経験があるけどマウスピース矯正は可能?

過去にワイヤー矯正の経験がある場合でも、マウスピース矯正が可能なケースは多くあります。

特に、軽度な後戻りや部分的な歯並びの乱れであれば、マウスピース矯正で対応できる可能性が高いでしょう。まずは歯科医師に相談し、お口の中の状態を詳しく診てもらうことが大切です。

マウスピース矯正ができないと診断されても費用はかかる?

マウスピース矯正ができないと診断された場合でも、初診料や検査料が発生することが一般的です。

これらの費用は、診断を正確に行い、適切な代替案を提案するために必要なものです。契約前に、診断のみの場合の費用や、その後の相談にかかる費用について事前に確認しておくことをおすすめします。

マウスピース矯正が難しい場合は別の矯正方法に切り替えられる?

マウスピース矯正が難しいと診断された場合でも、ワイヤー矯正や外科的矯正など、別の矯正方法に切り替えることは可能です。

それぞれの矯正方法には、異なる適応症や特徴がありますので、歯科医師と十分に話し合って施術方法を決めていきましょう。


【マウスピース矯正に関する法的記載事項】
施術内容:マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正治療です。短期間での改善を目指せる「インビザラインGo」は、前歯の軽度な乱れやすき間など、特定の症状に対応したプログラムです。
標準的な治療回数:2〜24回
標準的な治療期間:3か月~2年(治療回数、期間には個人差があります)
標準的な費用:572,000〜841,500円
主なリスク・副作用:歯肉の退縮や歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰

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