インビザラインで抜歯は必要?考えられるケースと注意点を解説
「治療の際に抜歯が必要なのか知りたい」
「どのような場合に抜歯が行われるのか気になる」
インビザライン矯正を検討している方の中には、こうした不安を感じる方も少なくありません。
実際には、歯並びや顎の大きさ、噛み合わせの状態などによって、抜歯が必要になる場合とそうでない場合があります。
この記事では、インビザライン治療で抜歯が検討される代表的なケースや、抜歯後に注意すべき点、治療に関わる期間や費用の目安について、基本的な情報を整理します。
インビザラインを検討している方が、治療を検討する際の参考となるよう、分かりやすくご紹介していきます。
東京医科歯科大学歯学部付属病院にて臨床研修医
東京医科歯科大学歯学部付属病院摂食機能構築学専攻生修了
医療法人社団世航会デンタルオフィス 分院長勤務
九段下スターデンタルクリニック 勤務
医療法人社団有心会クリア歯科モノリス院 勤務
南青山矯正歯科クリニック 院長
【資格】
インビザラインGo ディプロマ取得
スリーアイインプラント ディプロマ取得
Biotouch Japan dental lip course ディプロマ取得
terna japan ヒアルロン酸注入・ボツリヌス治療 ディプロマ取得
※本記事は2025年9月時点の情報をもとにまとめています。
※インビザライン矯正は保険診療が適用されない自由診療となります。
※記事内の金額は税込です。
※インビザラインに用いられる機器の中には、国内において医薬品医療機器等法上の承認を受けていないものもあります。未承認の医薬品・医療機器については、「個人輸入において注意すべき医薬品等について」(厚生労働省)をご覧ください。
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インビザラインで抜歯が検討される主なケースとは?
インビザライン矯正を始める際に、多くの方が気にされるのが「抜歯が必要かどうか」です。
実際には、すべてのケースで抜歯を伴うわけではなく、歯並びの状態や顎の大きさ、歯の位置関係などによって判断されます。
ここでは、代表的に抜歯が検討されやすいケースを整理します。
重度の叢生(歯の重なり)や前歯の突出がある場合
叢生とは、歯の大きさや本数に対して顎のスペースが不足し、歯が重なり合ってしまう状態を指します。
このような場合、歯をきれいに並べるための十分なスペースを確保する目的で、抜歯が検討されることがあります。
また、前歯の突出(いわゆる出っ歯)の症例では、歯を後方に移動させるスペースを作るために抜歯が提案されることもあります。
顎と歯の大きさのバランスが合わない場合
顎が小さい一方で歯が大きい、あるいは歯の本数が標準より多い場合には、すべての歯を無理なく並べるのが難しいケースがあります。
その際には、一部の歯を戦略的に抜歯することで、残りの歯を整えやすくする方法が検討される場合があります。
一般的には、小臼歯(前から4番目や5番目の歯)が対象とされることが多いとされています。
口元の突出感を調整したい場合
いわゆる「口ゴボ」と呼ばれる、口元が前に出て見える状態の改善を目的に、抜歯を検討することもあります。
前歯を後ろに移動させる必要があるため、そのスペースを確保する方法として抜歯が提案されるケースです。
ただし、口元の印象は個人差が大きく、必ずしもすべての症例で抜歯が必要になるわけではありません。
インビザラインで抜歯を行わないケースとは?
インビザライン矯正では、必ずしも抜歯が必要になるわけではありません。
歯並びの状態が比較的軽度であれば、抜歯以外の方法でスペースを確保し、治療を進めることが検討されるケースもあります。
軽度〜中等度の叢生に対する対応
歯の重なりが軽度〜中等度の場合、IPR(エナメル質削合)という方法で対応できる場合があります。
IPRは、歯と歯の間のエナメル質をわずかに削って、歯を移動させるためのスペースを確保する処置です。
ただし、削除量には限界があるため、重度の叢生では適応が難しいこともあります。
顎の成長や歯列拡大で対応できるケース
成長期にある方の場合、顎の成長を利用して歯列のスペースを広げることが検討されることがあります。
成人でも、軽度のスペース不足であれば、歯列を広げることで対応する場合がありますが、適応範囲には限りがあります。
奥歯を後方に移動させる方法
親知らずが存在しない、またはすでに抜歯されている場合には、奥歯を後方に移動させて前歯のスペースを確保する方法が選択肢に含まれることもあります。
インビザラインの治療計画ソフトを用いることで、奥歯の移動を考慮したプランを立てられる場合があります。
ただし、この方法もすべての方に適応できるわけではありません。
インビザラインで抜歯の対象になりやすい歯とは?
インビザライン矯正において抜歯が必要とされる場合、どの歯を対象とするかは症例ごとに異なります。
機能や見た目への影響を考慮し、歯科医師が総合的に判断します。
ここでは、治療計画の中で比較的検討されやすい歯についてご紹介します。
小臼歯(4番目・5番目)が選ばれることがあるケース
小臼歯(前から数えて4番目、5番目の歯)は、矯正治療で抜歯が検討されやすい部位のひとつです。
見た目への影響が比較的少なく、前歯の移動に必要なスペースを確保しやすい位置にあるためです。
一般的には第一小臼歯(4番目)が対象とされることが多いとされていますが、歯の大きさや虫歯の有無などに応じて第二小臼歯(5番目)が選択される場合もあります。
親知らずの抜歯が検討されるケース
親知らずが存在する場合、矯正治療の前に抜歯が推奨されることがあります。
親知らずは、生える方向や位置によっては歯並びに影響を与える可能性があるためです。
特に、埋伏している親知らず(歯茎の中に埋まっている状態)がある場合には、CTなどによる画像検査を行ったうえで、抜歯の適否を判断することがあります。
犬歯や切歯が対象となる特殊なケース
犬歯や切歯(前歯)が抜歯の対象となることもあります。
たとえば、歯の形に異常がある場合や、重度の虫歯・歯周病によって保存が難しい場合などです。
犬歯は噛み合わせにおいて重要な役割を持つため、できるだけ残す方向で検討されることが一般的です。
また、前歯の抜歯は見た目への影響が大きいため、治療方針を決める際には慎重に判断されます。
インビザライン矯正で抜歯を行う際のメリットとデメリットは?
インビザライン矯正で抜歯を行うかどうかは、メリットとデメリットを理解したうえで判断することが大切です。
抜歯によって得られる可能性のある効果と、注意すべき点を整理しておきましょう。
抜歯によって得られる可能性のあるメリット
抜歯によりスペースが確保されることで、歯の移動計画を立てやすくなる場合があります。
その結果、以下のような点が期待されることもあります。
- 治療の進行が計画に沿いやすくなる可能性
- 歯並びや噛み合わせの改善が見込まれる場合がある
- 口元の突出感の緩和につながる可能性
- 全体的な歯列の調和がとりやすくなる場合がある
こうしたメリットが考えられる一方で、治療の方針は一人ひとりの状態によって大きく異なります。
気になる点があれば、事前に歯科医師へしっかり相談しておくと安心です。
抜歯に伴うデメリットや注意点
一方で、抜歯には次のような注意点があります。
- 健康な歯を減らすことによる長期的な影響への配慮
- 抜歯後に数日間、腫れや痛みを感じる場合がある
- 感染予防などのアフターケアが必要
- マウスピース装着のタイミングに調整が必要となることがある
不安を感じたときには、リスクや治療後の生活への影響についても遠慮なく相談することが大切です。
納得したうえで治療を進めることが、安心につながります。
抜歯の判断は医師と一緒に相談を
抜歯の要否は、歯並びや顎の大きさ、年齢、全身の健康状態、治療の目的など、複数の要素を踏まえて歯科医師が判断します。
そのため、詳細な検査や診断を受けたうえで、納得できる説明を受けることが重要です。
必要に応じて、セカンドオピニオンを求めることも検討すると安心につながるでしょう。
インビザライン矯正で抜歯を行った後の注意点とは?
インビザライン矯正で抜歯を行った後は、治癒の経過を良好に保つために、日常生活での配慮が必要です。
抜歯直後の過ごし方やマウスピース装着のタイミング、感染予防など、いくつか注意すべき点があります。
ここでは、安心して治療を続けるために知っておきたいポイントを整理します。
抜歯直後から数日間のケア
抜歯後は腫れや痛みを感じることがあります。
この期間は、処方された痛み止めを適切に使用し、患部を冷やすなどの対処が勧められます。
当日は激しい運動や長時間の入浴を控え、安静に過ごすことが望ましいでしょう。
また、抜歯部位を舌で触ったり、強くうがいをすることは避けるようにします。
マウスピース装着のタイミング
インビザラインでは、抜歯後の治癒状況を見ながらマウスピースの装着を調整することがあります。
抜歯直後は患部の回復を優先し、一時的に装着を控える場合もあります。
再開のタイミングは症例によって異なるため、歯科医師の指示を確認して進めることが大切です。
感染予防と経過観察
抜歯後は感染予防も重要です。
処方された薬がある場合は、指示どおりに服用を続けましょう。
また、口腔内を清潔に保つために、優しいブラッシングや適切なうがいを心がけることが推奨されます。
定期的な診察で抜歯部位の治癒状態を確認してもらうことも、安心につながります。
インビザライン矯正における抜歯の費用と期間の目安とは?
インビザライン矯正で抜歯を行う場合、費用や治療にかかる期間は症例や抜歯する歯の種類・本数によって異なります。
ここでは一般的に示される目安について整理します。
抜歯にかかる費用の目安
抜歯の費用は、歯の種類や本数によって変動します。
例として、小臼歯の抜歯では1本あたり数千円〜1万円前後が目安とされることがあります。
一方、親知らずの抜歯は生え方や埋伏の有無によって金額が異なり、難易度によって高額になる場合もあります。
なお、抜歯自体は保険適用となることが多いですが、インビザライン矯正の施術費用は原則として自由診療に該当します。
支払い方法や医療費控除について
インビザライン矯正は費用が高額になりやすいため、多くの医療機関で分割払いやデンタルローン、クレジットカードによる分割払いが利用できる場合があります。
抜歯費用については、矯正費用に含まれることもあれば別途必要となることもあるため、事前の確認が必要です。
また、条件を満たせば医療費控除の対象になる可能性もあります。
治療に関する領収書は必ず保管しておきましょう。
抜歯が矯正期間に与える影響
抜歯を伴う場合は、抜歯部位の治癒を待ってから矯正を進める必要があり、通常は1〜2週間程度の調整期間が設けられることがあります。
その後の治療期間は個々の症例によって異なりますが、抜歯を行うケースでは1年半〜3年程度を目安として提示されることが一般的です。
ただし、治療の進行や終了時期は歯並びの状態や治療計画によって大きく変わるため、正確な期間は担当医師に確認することが大切です。
インビザラインならAND美容外科へ
AND美容外科は、インビザラインをはじめとした豊富な矯正メニューをご用意しています。
AND美容外科は、医療の力で「短期間で結果を出す」ことをコンセプトに、さまざまな施術を提供しています。
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■マウスピース矯正(税込)
項目 | 金額 |
---|---|
インビザラインGo(片顎) | 572,000円 |
インビザラインGo(両顎) | 748,000円 |
初診料(カウンセリング) | 5,500円 |
クリンチェック | 44,000円 |
リテーナー(片顎) | 44,000円 |
リテーナー(両顎) | 88,000円 |
毎回の診察料 | 5,500円/回 |
※自由診療(保険適用外)・税込価格
※副作用・リスク:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※治療回数:2~24回、治療期間:3ヶ月~2年
詳しい情報を見る
インビザラインについてよくある質問
インビザラインにまつわるよくある質問をまとめました。
- 抜歯した後の歯の隙間はいつ頃目立たなくなりますか?
- 抜歯と矯正は同じクリニックでできますか?
- 抜歯後に注意すべきことはありますか?
- 抜歯が必要かどうかは、どうやって判断しますか?
それぞれ解説していきます。
抜歯した後の歯の隙間はいつ頃目立たなくなりますか?
抜歯後の隙間は、矯正治療の進行に伴って徐々に閉じていきます。
隙間が目立たなくなるまでの期間は、歯並びの状態や治療計画によって異なり、数か月〜1年程度を目安として案内されることもあります。
ただし、治療により異なります。正確な期間は、担当の歯科医師による診断で確認することが大切です。
抜歯と矯正は同じクリニックでできますか?
矯正を行うクリニックで抜歯にも対応している場合があります。
一方で、一般歯科や口腔外科に紹介されるケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
抜歯後に注意すべきことはありますか?
抜歯後は、処方された薬を正しく使用することや、傷口を舌で触らないようにすることが勧められます。
また、歯科医師の指示に従い、適切なタイミングでマウスピースを装着することが大切です。
抜歯が必要かどうかは、どうやって判断しますか?
抜歯の必要性は、レントゲンやCTなどの精密検査の結果をもとに、歯科医師が総合的に判断します。
歯並びや顎の状態、治療に対する希望なども考慮されるため、不安がある場合は事前にしっかり相談しておきましょう。
【マウスピース矯正に関する法的記載事項】
施術内容:マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を用いて歯並びを整える矯正治療です。短期間での改善を目指せる「インビザラインGo」は、前歯の軽度な乱れやすき間など、特定の症状に対応したプログラムです。
標準的な治療回数:2〜24回
標準的な治療期間:3か月~2年(治療回数、期間には個人差があります)
標準的な費用:572,000〜841,500円
おもなリスク:副作用:歯肉の退縮や、歯根吸収、虫歯、歯周病、歯肉炎、歯の脱灰
※マウスピース型矯正システム「インビザラインGO」は未承認機器です。
※入手経路等:アメリカのAlign Technology, Inc.が開発した製品を、正規の販売代理店を通じて入手しています。
輸入された医薬品などの使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/health_damage/index.html
※国内の承認医薬品等の有無:国内にもマウスピース型矯正装置として医薬品医療機器等法の承認を受けているものは複数存在します。
※医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について:万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の対象外となります。
※諸外国における安全性等に係る情報:重大な副作用についての報告はありません。